運命の落とし穴

恩田璃星

文字の大きさ
45 / 111

重なり合う平行線7

しおりを挟む
 秘裂の窪みにさしかかると、どこかぎこちなかった羽立くん指先の動きが、急にスムーズになった。

 「すご…ぬるぬる…。こんなになるんですね…」

 「ふぁっ」

 恥ずかしいと感じるより早く、直後に撫でられた部分に走った衝撃に声が漏れた。

 「ここ…ですか?固くなってますね」

 「やっ、あ、あっ」

 クニクニと指の腹で肉芽の芯を左右に転がされると、苦しい程甘い疼きに襲われる。

 胸で感じた刺激とは桁違いの快感。

 意識が未知の感覚に攫われそうになるのが怖くて、力いっぱい枕を握りしめた。

 それに気付いた羽立くんは私の手をとると、自分の背中に回させた。

 うっすらと汗ばんだ広い背中と体温に、ただ夢中でしがみつく。

 身体がぴたりと密着すると、羽立くんの指は密口に向かって更に侵攻し、完全に膨らんだ肉芽を下から撫で上げた。

 「やあっ!ダメ、昴!それダメっ!!」

 「ソレって…コレですか?」

 「―――――っ!!!」

 もう一度同じ様に指を動かされ、あまりの快感に声が出せない代わりに、羽立くんのキレイな背中に思い切り爪を立ててしまった。

 すると、羽立くんは怯むことなく執拗に指を動かし始めた。

 「これ?これがいいんですね?」

 「ぁ、やっ、ハッ、あっ、ハッ…っ、く…、ぅあっ」

 「奏音さん…可愛い」

 羽立くんの声が吐息に溶けてに耳に触れると、なにかが頭の天辺めがけて駆け上がった。

 「…め、ダメダメダメっ、ぁ、ああーっ」

 私の身体の真ん中で快感が爆ぜた後も、それに気づかないのか羽立くんは指の動きを止めてくれない。

 「ちょっ!?ぁ…今っ、ダメッ、触っ…らないで!!」

 「え?こんなに気持ちよさそうなのに?」

 「もう…っちゃってるから!!」

 「え?」

 「今イっちゃってるの!!!」

 驚いた顔をした羽立くんが、ようやく指の動きを止めてくれると、昇りつめていた身体から一気に力が抜け、羽立くんの背中にしがみついていた手が滑り落ちた。

 触れられていた場所は、まだジンジンと甘く疼き、全身に余韻が広がっている。

 「すみません。女はイキにくいって聞いてたし…奏音さんの反応が可愛すぎて」

 ハーッとため息をつきながら、強く抱きしめられると、お腹の奥がキュンと疼いた。

 「大丈夫でしたか?」

 「…な、なんとか」

 「じゃあ、次にいってもいいですか?」

 次?

 次って何だっけ?

 糸を引く絶頂の余韻で頭が回らない私をよそに、羽立くんは私の下着に手をかけた。

 いけない。

 コレを脱がされると、さっき指摘されたツルツルの下半身を見られてしまう。

 「ま、待って」

 「待てません。俺も…あんまり余裕ないんで」

 私の秘部を覆ってくれていた布は、あっさりと取り払われてしまった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

禁断溺愛

流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。

先生と私。

狭山雪菜
恋愛
茂木結菜(もぎ ゆいな)は、高校3年生。1年の時から化学の教師林田信太郎(はやしだ しんたろう)に恋をしている。なんとか彼に自分を見てもらおうと、学級委員になったり、苦手な化学の授業を選択していた。 3年生になった時に、彼が担任の先生になった事で嬉しくて、勢い余って告白したのだが… 全編甘々を予定しております。 この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

Honey Ginger

なかな悠桃
恋愛
斉藤花菜は平凡な営業事務。唯一の楽しみは乙ゲーアプリをすること。ある日、仕事を押し付けられ残業中ある行動を隣の席の後輩、上坂耀太に見られてしまい・・・・・・。 ※誤字・脱字など見つけ次第修正します。読み難い点などあると思いますが、ご了承ください。

放課後の保健室

一条凛子
恋愛
はじめまして。 数ある中から、この保健室を見つけてくださって、本当にありがとうございます。 わたくし、ここの主(あるじ)であり、夜間専門のカウンセラー、**一条 凛子(いちじょう りんこ)**と申します。 ここは、昼間の喧騒から逃れてきた、頑張り屋の大人たちのためだけの秘密の聖域(サンクチュアリ)。 あなたが、ようやく重たい鎧を脱いで、ありのままの姿で羽を休めることができる——夜だけ開く、特別な保健室です。

兄の親友が彼氏になって、ただいちゃいちゃするだけの話

狭山雪菜
恋愛
篠田青葉はひょんなきっかけで、1コ上の兄の親友と付き合う事となった。 そんな2人のただただいちゃいちゃしているだけのお話です。 この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

毎週金曜日、午後9時にホテルで

狭山雪菜
恋愛
柳瀬史恵は、輸入雑貨の通販会社の経理事務をしている28歳の女だ。 同期入社の内藤秋人は営業部のエースで、よく経費について喧嘩をしていた。そんな二人は犬猿の仲として社内でも有名だったけど、毎週金曜日になると二人の間には…? 不定期更新です。 こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

永久就職しませんか?

氷室龍
恋愛
出会いは五年前。 オープンキャンパスに参加していた女子高生に心奪われた伊達輝臣。 二度と会う事はないだろうと思っていたその少女と半年後に偶然の再会を果たす。 更に二か月後、三度目の再会を果たし、その少女に運命を感じてしまった。 伊達は身近な存在となったその少女・結城薫に手を出すこともできず、悶々とする日々を過ごす。 月日は流れ、四年生となった彼女は就職が決まらず焦っていた。 伊達はその焦りに漬け込み提案した。 「俺のところに永久就職しないか?」 伊達のその言葉に薫の心は揺れ動く。 何故なら、薫も初めて会った時から伊達に好意を寄せていたから…。 二人の思い辿り着く先にあるのは永遠の楽園か? それとも煉獄の炎か? 一回りも年下の教え子に心奪われた准教授とその彼に心も体も奪われ快楽を植え付けられていく女子大生のお話

処理中です...