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第二章
俺様王子再び:中編1
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去っていくアーサーの姿に、私は慌てて立ち上がりテーブル置かれていたネックレスを手に取った。
そのまま彼を追いかけようと駆けだすと、エヴァンがすかさず私の前に割り込むと、行く手を阻んだ。
「いけません……。はぁ……そのまま貰っておいて、宜しいのではないでしょうか?」
「ダメよ!もらう理由がないわ!」
エヴァンの肩越しに、扉へ目を向けると、アーサーの姿はなくなっていた。
私はそっとエヴァンを見上げてみるが……彼は私の前から退く気配はない。
そんな彼の様子に、私は深くため息をつくと、静かに席へと戻っていった。
はぁ……後で返しに行かなきゃ……。
これ絶対高いわ……、それに私には、使う機会なんてないもの。
あっ、でも……私が彼の元へ行くことは出来ないわね。
はぁ……この一人で出歩けないってのは面倒だわ……。
でも……こんな事で、わざわざ彼を呼び出すのもなぁ……。
ペラペラと本をめくりながら、うんうんと頭を悩ませていると、エヴァンは大きく息を吐きだし、私の隣へ腰かけた。
「悩む必要などないのですがね……。アーサー殿下は、この後仕事ございます。仕事が終わり次第、あなたをアーサー殿下の元へお連れしましょう」
エヴァンの言葉に私はありがとうと深く頭を下げる中、彼は徐に蝶を呼び出すと、ボソボソと何かを話す。
エメラルドの蝶はヒラヒラと彼の元を離れると、扉の向こうへと消えて行った。
そのまましばらく図書室で本を読み漁っていると、私の肩に手がかかった。
ハッと顔を上げると、図書室の窓からは、夕日が差し込んでいる。
わぁ~もうこんな時間……そろそろ戻らないといけないわね。
私は慌てて本を棚へ戻すと、エヴァンの傍へ急いで駆け寄った。
エヴァンは私の手を優しく握ると、彼の杖から小さな光が現れ、私たちの体は王宮図書館から消えていった。
視界がクリアになり、そっと辺りを見渡すと、そこは私の部屋ではなかった。
いつもエヴァンは部屋の中へ送り届けてくれるはずだが……目の前には装飾品が施された豪華な扉が見える。
あれと疑問に思いエヴァンへ視線を向けると、彼は扉を軽く叩き、静かに開けた。
私も彼に続くように慌てて中へ入ると、そこには苛立った表情を浮かべる、アーサーの姿があった。
アーサーは私たちの姿に小さく舌打ちをすると、冷たい視線を向ける。
「何だエヴァン……」
「異世界の姫が、あなたにネックレスを返したいとおっしゃっておりますので、お連れしたまででございます」
エヴァンはスッと壁際へ向かうと、アーサーの琥珀色の瞳が私を射抜く。
威圧感のある彼の瞳に恐縮する中、私は深く息を吐くと、しっかりと顔を上げた。
「ネックレスをお返し致します。先ほども言いましたが、私には貰う理由がありません」
そうはっきりと言葉にすると、彼の表情が更に歪んでいく。
「俺にはある。これはお前の為に作ったんだ。チェーンはプラチナで作り、チャームにはお前イメージした、希少価値の高い天然のブラックダイヤモンドをあしらったんだ」
プラチナに……ブラックダイヤモンド……一体このネックレスいくらするのよ……。
想像していたよりも高額なネックレスに思わず目を見張ると、私は両手でネックレスをしっかりと、握りしめた。
「そんな高級そうな物なら余計にもらえないわ。それに私にはネックレスをつける機会もない」
「この先、お前が俺の妻になれば、いくらでもネックレスつける場は与えられる」
アーサーは得意げな表情を浮かべると、徐に立ち上がり、私へと近づいてくる。
王の風格か……思わず私は彼から一歩後ずさると、彼はなぜか嬉しそうに口角を上げた。
「俺がお前の為に特注で作らせた、世界に一つだけのネックレスだ」
彼は私の傍へやって来ると、私の腕を持ち上げ、手の甲へ優しいキスを落とす。
それはまるでおとぎ話の一幕の様な光景に、私は思わず息を呑む中、彼の手が私の頬にかかると、私はハッと我に返った。
「いっ、いりません!お返しします!!」
彼の雰囲気にのまれない様必死にそう叫ぶと、彼は眉間に皺をよせ、私を見下ろした。
「なぜだ、お前がつけている、そんな安っぽいシルバーリングより、数段綺麗だ」
アーサーは私の左薬指についたリングに目を向け嘲笑った。
そんな彼の姿にカッとなると、私は強く彼を睨みつける。
「バカにしないで!そんなネックレスより、このリングの方が数倍価値があるわ」
「はぁっ!?このネックレスがいくらがわかっているのか?」
「そんな事知らないわ!たとえ……世間ではそのネックレスがとても高価な物だろうとも、私にとってどんな物よりも、このリングの方が大事よ」
私は思いっきり彼の手を振り払うと、シルバーリングを確かめるように強く握りしめる。
不穏な空気が漂う中、私は琥珀色の瞳を真っすぐに見据えると、彼の目の前にネックレスを差し出した。
「お返しします」
押し付けるように彼にネックレスを渡した瞬間、彼の手が私の腕を捕えた。
そのまま強く彼の胸の中へ引き寄せられると、私はバランスを崩し、手からネックレスが零れ落ちていく。
慌てて手を伸ばすも、彼は私を強く引き寄せると、私の体は彼の胸の中へ落ちていった。
そのまま彼を追いかけようと駆けだすと、エヴァンがすかさず私の前に割り込むと、行く手を阻んだ。
「いけません……。はぁ……そのまま貰っておいて、宜しいのではないでしょうか?」
「ダメよ!もらう理由がないわ!」
エヴァンの肩越しに、扉へ目を向けると、アーサーの姿はなくなっていた。
私はそっとエヴァンを見上げてみるが……彼は私の前から退く気配はない。
そんな彼の様子に、私は深くため息をつくと、静かに席へと戻っていった。
はぁ……後で返しに行かなきゃ……。
これ絶対高いわ……、それに私には、使う機会なんてないもの。
あっ、でも……私が彼の元へ行くことは出来ないわね。
はぁ……この一人で出歩けないってのは面倒だわ……。
でも……こんな事で、わざわざ彼を呼び出すのもなぁ……。
ペラペラと本をめくりながら、うんうんと頭を悩ませていると、エヴァンは大きく息を吐きだし、私の隣へ腰かけた。
「悩む必要などないのですがね……。アーサー殿下は、この後仕事ございます。仕事が終わり次第、あなたをアーサー殿下の元へお連れしましょう」
エヴァンの言葉に私はありがとうと深く頭を下げる中、彼は徐に蝶を呼び出すと、ボソボソと何かを話す。
エメラルドの蝶はヒラヒラと彼の元を離れると、扉の向こうへと消えて行った。
そのまましばらく図書室で本を読み漁っていると、私の肩に手がかかった。
ハッと顔を上げると、図書室の窓からは、夕日が差し込んでいる。
わぁ~もうこんな時間……そろそろ戻らないといけないわね。
私は慌てて本を棚へ戻すと、エヴァンの傍へ急いで駆け寄った。
エヴァンは私の手を優しく握ると、彼の杖から小さな光が現れ、私たちの体は王宮図書館から消えていった。
視界がクリアになり、そっと辺りを見渡すと、そこは私の部屋ではなかった。
いつもエヴァンは部屋の中へ送り届けてくれるはずだが……目の前には装飾品が施された豪華な扉が見える。
あれと疑問に思いエヴァンへ視線を向けると、彼は扉を軽く叩き、静かに開けた。
私も彼に続くように慌てて中へ入ると、そこには苛立った表情を浮かべる、アーサーの姿があった。
アーサーは私たちの姿に小さく舌打ちをすると、冷たい視線を向ける。
「何だエヴァン……」
「異世界の姫が、あなたにネックレスを返したいとおっしゃっておりますので、お連れしたまででございます」
エヴァンはスッと壁際へ向かうと、アーサーの琥珀色の瞳が私を射抜く。
威圧感のある彼の瞳に恐縮する中、私は深く息を吐くと、しっかりと顔を上げた。
「ネックレスをお返し致します。先ほども言いましたが、私には貰う理由がありません」
そうはっきりと言葉にすると、彼の表情が更に歪んでいく。
「俺にはある。これはお前の為に作ったんだ。チェーンはプラチナで作り、チャームにはお前イメージした、希少価値の高い天然のブラックダイヤモンドをあしらったんだ」
プラチナに……ブラックダイヤモンド……一体このネックレスいくらするのよ……。
想像していたよりも高額なネックレスに思わず目を見張ると、私は両手でネックレスをしっかりと、握りしめた。
「そんな高級そうな物なら余計にもらえないわ。それに私にはネックレスをつける機会もない」
「この先、お前が俺の妻になれば、いくらでもネックレスつける場は与えられる」
アーサーは得意げな表情を浮かべると、徐に立ち上がり、私へと近づいてくる。
王の風格か……思わず私は彼から一歩後ずさると、彼はなぜか嬉しそうに口角を上げた。
「俺がお前の為に特注で作らせた、世界に一つだけのネックレスだ」
彼は私の傍へやって来ると、私の腕を持ち上げ、手の甲へ優しいキスを落とす。
それはまるでおとぎ話の一幕の様な光景に、私は思わず息を呑む中、彼の手が私の頬にかかると、私はハッと我に返った。
「いっ、いりません!お返しします!!」
彼の雰囲気にのまれない様必死にそう叫ぶと、彼は眉間に皺をよせ、私を見下ろした。
「なぜだ、お前がつけている、そんな安っぽいシルバーリングより、数段綺麗だ」
アーサーは私の左薬指についたリングに目を向け嘲笑った。
そんな彼の姿にカッとなると、私は強く彼を睨みつける。
「バカにしないで!そんなネックレスより、このリングの方が数倍価値があるわ」
「はぁっ!?このネックレスがいくらがわかっているのか?」
「そんな事知らないわ!たとえ……世間ではそのネックレスがとても高価な物だろうとも、私にとってどんな物よりも、このリングの方が大事よ」
私は思いっきり彼の手を振り払うと、シルバーリングを確かめるように強く握りしめる。
不穏な空気が漂う中、私は琥珀色の瞳を真っすぐに見据えると、彼の目の前にネックレスを差し出した。
「お返しします」
押し付けるように彼にネックレスを渡した瞬間、彼の手が私の腕を捕えた。
そのまま強く彼の胸の中へ引き寄せられると、私はバランスを崩し、手からネックレスが零れ落ちていく。
慌てて手を伸ばすも、彼は私を強く引き寄せると、私の体は彼の胸の中へ落ちていった。
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