婚約者は愛を選び、私は理を選んだので破滅しても知りません!

ユウ

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第二章

3瓜二つ

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お茶を飲みながらうっとりした表情をするセラフィーヌは若かりし頃を思い出ていた。



『セフィー!』


記憶の中にある親愛の友の記憶は今もしっかり残っている。


「本当に似ているわ」


「え?」


「本当に素敵だったわカーラ」


普段魅せる厳格な表情でも、女帝の表情でもなかった。


「聡明で、優しくも厳しさを持ちながら正義感の強い方。私の憧れでしたのよ」


身分が高いが、幼少期から体が弱く外に出るのは難しく。
病気が治っても内気な性格が災いして周りからも悪く言われ、留学を進められても他国では馴染めなかった。


「昔の私は人とのかかわり方を知りませんでした。そんな私に声をかけてくださったのです」

「本当ですか」

「ええ、彼女はとても聡明でしてね。意地悪をしてくる令嬢を効率よく懲らしめ調教の仕方や身分だけ高い男達を叩き潰す方法等も教わりました」

「カーラ夫人の仕業だったんですか!」

「お黙りなさい」


エンディミオンは幼少期からセラフィーヌの教育係は誰かと憤りを感じた。
側近を出し抜きお忍びで王宮を抜け出したり、大臣の裏切り行為を逆手に取ったりと色々やらかしていた。


頭の回転の速さと悪事を利用して効率的に敵対する派閥を潰す手腕を教えたのがまさかカーラとは夢に思わなかった。


「まさか、カーラ夫人が母上に」

「何と申しますか」

頭を抱えるエンディミオンに、かける言葉もないカナリアだった。


「私にとってカーラは恩人で憧れでした。私が王妃として勤めあげることができたのは彼女と過ごした時間があったからですのよ」


「生きていたらどんなに喜んだか」

「私も彼女が亡くなったのを聞かされた時は葬儀に出たかったのですが、できず…王太子妃という立場でしたので」


下手に他国の王太子妃が国を出る事は出来ない。
相手は子爵夫人である事もあり立場上もそうだが、当時は友好国でもなかった故に簡単に会いに行くことは出来なかった。



「でもカーラのお孫さん。これは運命ですわ」

「母上、思い込みが激しいですね」

「何をいいますの!カナリア嬢はその若さで女官。カーラに勝るとも劣らない優秀さ。幸先が良いですわ」

一人で盛り上がる姿にエンディミオンは嫌な予感しかしなかった。

「お話は聞いていますわ。カーラのお孫さんに婚約破棄をした挙句にこのような狼藉をするなんてどう料理してあげようかしら?本当に許せないわ。屈辱だわ」


「母上!」

「王太后陛下!」

カナリアも冷や汗を流しながら止めようとするも、彼女を止める術はなかった。

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