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第二章
24君は幸運の女神
しおりを挟む一方、その頃カナリアはエンゼル王国で医療改革を行い不妊治療に身を乗り出していた。
現在東の国を中心に出産は女性だけの問題ではないと立証されており、子供が出来にくいのは女性だけではなく男性にも問題があり、他にもプレッシャーをかけすぎると負担になるなど。
成人していない女性や高齢出産の危険を立証し、経験も招いて勉強会を行っていた。
何より出産を控えた女性のための会を初め、エンゼル王国の医療に革命を起こしていたのだ。
発案者はカナリアだが、協力をしたのはミリアで二人は二人三脚で医療改革を行った事でミリアは幾つかの商会を任され現在はアレーシャの侍女として迎えられ大出世を果していた。
「これで基盤は整いましたわね」
「君は恐ろしいな。先の先まで読むとは」
「医療改革は必要ですわ。他国から資金を得る為にも」
医療先進国が少ない中、医療が遅れている国は多い。
特に女性の出産する場を整えれば、その知識、設備、技術を欲しいと思うだろう。
「他国ではできないことをする。我が医療を提供して代わりに対価をいただけばいいんです」
「利益を得て政治もできるとは…流石だ。君は幸運の女神だ」
「大袈裟ですわ…と言いたいですが、ミリア様がいなければできませんでした」
全てではないが発案者はカナリアであるのだからもう少し堂々としても良いのだが変な所で控えめだと思うエンディミオンだったが、カナリアが切に願っているのは、エスターとミリアがこの国で居場所を見つける事だと知っていた。
(優しい事だ…素直ではないが)
口では決して二人の為だとは言わない。
影で二人の為に奔走しているのにと思いながらもエンディミオンは嬉しそうに笑った。
「挙式の準備も進んでいる」
「ええ…」
「当日は隣国だけでなく各国の貴賓が招待されると思うが気負わないで欲しい」
気負うなと言われても無理があるのだかが。
「ご心配には及びませんわ。どんな野次馬であろうとも対処いたします。敵であろうとも」
「本当に頼もしいな…だが当日ぐらいは守らせてくれ」
「えっ…」
カナリアの手を握り指にキスをするエンディミオンにカナリアは固まった。
これまで真面な恋愛をした事はなく、仕事ばかりしていた。
ランドルフとの間に艶っぽい関係もロマンスも全くなかったのだから。
ある意味ではエンディミオンが初めての男性との触れ合いになり、今さらになってときめいていたのだった。
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