婚約者は愛を選び、私は理を選んだので破滅しても知りません!

ユウ

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第三章

20二度目の屈辱

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前回、ランドルフとエミリーをモデルにした小説に続き今回は歌劇でライアンを悪役妻として舞台が公演された。


これまでは小説だからそこまで広がらなかったが、現在嫁姑にあり方。
女性には生きづらい世である事を題材的に取り上げているために話題となった。

男尊女卑の所為で失われるもの。
女だから地位が低い、貴族、平民関係なくこの舞台は話題を呼び他国でも関心を寄せられた。


ただしこの舞台は主人公を丁寧に描かれ、現在を生きる女性の胸に響いた。
そしてもう一つ、二人の姉妹の奮闘を描いていた。


姉の幸福をただひたすら願う心優しい妹。
不遇な境遇の妹を守り続け見守り続けた姉が妹の幸福を奪ってしまった事の後悔。


人々は二人の姉妹の境遇に涙を流し、逆に悪役妻に敵意を抱く者も多かった。



「カナリアの仕業だわ!」


「母上…」

「演出家は外国人。それに私への当てつけに決まっているわ…ミリアが泣きついたのよ!」



歌劇の所為でライアンはミリアにどれだけ酷い事をしたか知れ渡り、少ない友人からも関係を切られて王都から離れた狭い領地に身を寄せることになったが、噂は広まりつつある。



「王都から引っ越して貧しい暮らしを強いられ、ここでも白い目で見られるなんて!」


「元はと言えば誰の所為だと思っているの!」

「嫁いびりなんてする方が悪いんでしょう!」


「なんて口の利き方なの!」


日に日に二人の関係は酷くなり、ランドルフは耳を塞いだ。


(もうこんな生活耐えられない…)


ライアンとエミリーの醜い争いの間に立つ事をしなくなったランドルフは部屋に籠っていた。


「はぁー…」


毎日のように怒鳴り声が聞こえ、貧しい暮らしを強いられながら稼ぎは全て借金の返済に充てられていた。

少し残ってもランドルフの懐に入ることなくライアンとエミリーに奪われ精神的にも限界だった。



「これからもこんな生活が続くなんて耐えられない…」


外に働きに行くこともしないエミリーとライアンは稼ぎが少ないランドルフに甲斐性がないと責めるばかりだった。


一時は裕福な商人の娘の見合いを強制的に命じられたが、上手く行かず。
しかもあろうことにも結婚詐欺紛いなやり方をしようとしたライアンに先方が大激怒した。


見合い相手は体が弱く、体よく利用できると考えたライアンの考えが筒抜けだった事で断られたのだが。


このままの生活を強いられるならばと考えていた。


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