婚約者は愛を選び、私は理を選んだので破滅しても知りません!

ユウ

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第三章

31不適合な仕事

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小さな町の飲食店にしては規模が大きく。
ソムリエやパティシエもいる大きなレストランに期待が膨らむ。

ゆくゆくはここで支配人になり我れば良い。
商会を動かして来たのだから飲食店の仕事なんて簡単だ。


何も解ってないランドルフは簡単に考えていた。

しかしこういった飲食店の初仕事は決まって下働きから始まるのだが。


「誰だが床に油をまけといった!」

「え?」

「掃除も満足にできないのか!もう良い、お前はテーブルを磨いていろ」


「はい」


言われた通りにするだけでなく気を利かせて床をもっと綺麗にしようと思い床に油をまいて掃除したランドルフは天順をまるで理解していなかった。


他にもテーブルを拭いたがタオルを間違えていた。
しかもワイングラスを並べるように言われるも、手でベタベタ触ってしまい指紋だらけになり再びワイングラスを磨く事になり他の従業員の仕事を増やすだけだった。


他にも接客業をすれば。

「おい!俺はこんなの頼んでないぞ」

「ですが、先程は…」

「頼んでないと言っているんだ!」

「一度頼んでおいて勝手な!」


相手は既にワインを飲んで酔っていたので真面に相手をしなかった。


「何をしている!」

「副料理長、ここでは客にこんな対応をするのか」

「申し訳ありません!ランドルフ!」

「ですが僕は何も悪くありません!酒に酔っているだけです」

「お前!」


給仕係とし最低な行いをしてしまったランドルフに客は怒って出て行ってしまう。
他の客もこれまでこの店を好んで贔屓にしていた客は冷たい視線を向け始めたことで店の評判はがた落ちになった。


「お前は表に出るな!」

「どうしてですか!」

「店の評判を下げておいて言うか!」

他の従業員もランドルフを疫病神のような目で見ていた。


結果として裏方として働く事になったが、裏方をしても足を引っ張り続けた。


料理の下準備をしても上手く行かず、皿洗いを任されたが。
皿洗いをする事になったが、それすらも満足にできず野菜の皮むきを命じられたのだったが。


「おい!ジャガイモの皮が何でこんなに分厚いんだ!」

「ちゃんと皮はないだろ」


ジャガイモの皮をピーラーで剥けば良いだけだったが、時間がかかるので包丁で分厚く剥いたのだった。

その所為でジャガイモは小さくなり過ぎていた。


「ここまでダメな人間はいねぇぞ」

「副料理長、こいつはいるだけで害でないですか」


給仕長までもランドルフを早々に追い出そうと考えていたのだった。


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