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第三章
38奥様のお茶会
しおりを挟む温かい日差しと美しい薔薇が咲く王宮内の薔薇園にて。
「今日は本当に良い日ですわね」
「本当に」
三人の女性がお茶を飲みながら楽しそうに話をするも、内容は。
「例の馬鹿女達は村からも追い出されたそうね」
「いい気味です事」
「ですが、結構しぶとかったわね」
とても恐ろしい内容だった。
「本当にあの身の程知らずの女は私を何処まで侮辱すれば気が済むのかしら」
「王妃陛下…」
お茶を飲みながら冷たい笑みを浮かべるのはカナリアが敬愛する王妃陛下だった。
「私はそもそも伯爵以上の家柄にカナリアを嫁がせたかったのよ」
「身に余る光栄ですわ」
「本来なら私の甥の婚約者にしたかったのだけど」
ウルリーケがため息をつく。
今でも残念だと言う表情だったが、亡き前オイシス男爵の願いで断念したのだ。
「カナリアは優秀過ぎたのね。後はあの馬鹿息子は夢を見過ぎたのよ」
「まるであの女と同じね」
今でも婚約破棄騒動の事件は三人にとって許せないのった。
口約束の婚約を白紙にしたいなら他にも方法があったのにあえてカナリアに非があるように触れ回るライアンに、もうしわけないといいながらカナリアとの間には愛は一切なく自分は可哀想な男だというランドルフが許せなかった。
「でも、エスターの事はいいの?」
「そうですわね」
二人はちらりとアリエルを見る二人。
「エスター様に罪はありません」
「言い方を考えれば被害者ですものね」
アリエルはライアンを恨みこそしてもエスターに対しては悪い感情は抱いていない。
「彼は本当に真面目な方でした」
「悪い噂はないものね」
「ランドルフとは異なり過ぎている」
華やかな外見のライアンとはあまり似ておらず、真面目で少し大人しそうな雰囲気を持つが、辛抱強さを持つエスターは明らかに父親似だった。
「ですからなんの迷いも無くあの二人を地獄に落とせます。一生臭い飯を食べてもらいますわ」
「アリエル…それだけで良いの?」
「ええ、万一カナリアが晒し物になって破滅になっていたら私は殺してやろうとも思いましたけど」
くすくす笑うアリエルの笑みは悪魔のようだったが…
「まぁ、殺すだけなんて甘いわ」
「当然ですわ王妃陛下」
殺して楽になんてさせてやるものか、二人は生き地獄を味合わせても足りないと思っていた。
その様子を見ていた三人の男はびくびくと怯えていた。
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