婚約者は愛を選び、私は理を選んだので破滅しても知りません!

ユウ

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第三章

44最低の対応

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注文したメニューの料理は来たが。


「これは…」

「何か?」

「私が注文したサラダは蒸し鶏サラダよ」

「私のは海藻サラダよ」


オーダーミスにだレッシングも間違えてる。


「お客様の間違いです。ご注文になったサラダは確かに」

「いいえ、注文したサラダは本日のおすすめメニューよ」

「ははっ…何を言っておられます。当店のお勧めメニューはこちらのサラダです。ご自分の間違いを押し付けるのはいかがなものかと」


「…客に対してどうなの?その態度は」


いくら何でもカチンとなる言い回しで、上から目線だった。

「とにかく…」

「確かにそこのお客さんは蒸し鶏のサラダを頼んでいたわよ」


隣近くに座っている常連客らしき女性が告げる。

「今日のお勧めはパスタコースが蒸し鶏で、ピザのコースが生ハムサラダのはずよ」

「えっ…」

「店にも大きく載っているわよ?常連客の私が言うのだから間違いないわ」


ランドルフの表情が見る見るけわしくなる。


「うわぁーありえない」

「給仕係がメニューをちゃんと覚えていないなんて」

「それよりもなんて上から目線なのかしら」


「さっきから聞いていたら…ねぇ?」


ランドルフの対応の仕方もなっていないが、自分のミスを最初から客の所為にしている時点でありえない。


「だったら最初からちゃんと言ってください。こっちは忙しいんです」

「は?自分のミスを客の所為にして開き直るのかしら?謝罪もしないで、給仕の仕方が悪いからドレッシングが飛び散ってしまっているわ」

「なっ…」

「料理を台無しにして、気分も最低だわ。全て下げてくださる?他の料理もキャンセルして…ワインだけで良いわ」

「おい…」


小声でやり過ぎだと言うエンディミオンだが、カナリアは不敵に微笑む。


「何をしているの?下げなさい」

「無礼な…」

「無礼なのはどっちなの?客を不快にさせて謝罪もできないなんて。貴方はこの店のブランドを汚して悪いと思わないの?本当に育ちを疑うわ」

「何だと」

「あら怖い。気に入らないと客を殴るのかしら?向いていないわよ」


カナリアはわざと挑発するような言葉を選び見下すような表情を浮かべる。


「ソムリエは最高。料理人も最高、でも給仕係は最低最悪だわ。下町の小さな食堂の方がずっと気持ちよく食事ができるわ」

「貴様!」


頭に血が上ったランドルフはカナリアに掴みかかろうとした。



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