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ラプラスの悪魔。
しおりを挟む雨を言い訳に訪ねてくるなんて、君はまるで大正ロマンな物書きみたいじゃないのさ。
芋虫はねハナから自覚しているみたいだよ、自分は蝶である事を。
悪魔じみている……それはもうラプラスの悪魔だ。
雪乃さんは八畳の壁を背に右瞼を上げ、引き寄せなんてのは未来予知とさも同意なのだと僕の腰を撫で遊ぶよう紫煙を巻き付ける。
至極必然、指先を濡れ鴉に擦った扉は冬至を待たず終いにさせたと雪乃さんは唇を猫にした。
……まるで理解のしようがない、経営上や私事など何ひとつ問題がないのだから。
「私の夢に巻き込まれた時は逃げてね。じゃないとさ、閉じ込められてしまうんだよ。
そう……カクテルのサクランボを種ごと食べるの。明けてしまうとね、それはもう十三番目の猫みたいなモノだよ」
ーー
偶然や運命だなんてそりゃロマンスではあるけどさ、『常世全て』は無茶な話だけれど、歩幅の世だけでもそれを全部を飲み込んでしまえばね
出来るんだよ、未来予知は。
だけれど摂理と言うのだけはどうしようもなくて、それを引き継ぐ実が必要なんだ。
それは全ての “ 生 ” に課せられたモノ……だからさ、きっと水月は私の対なのやもしれないね。
神に愛されているなんてのは存外孤独なモノだと立ち上がる雪乃さんの髪が僕の胸を撫でた。
「ふーん……背ぇたかいんだね水月」
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