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第58話「間違い電話」
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こんばんは、黒天です。
深夜にかかってくる、知らない番号からの電話。無言のまま、ただ鳴り続けるだけ……そんな体験、皆さんにはあるでしょうか。
今回ご紹介するのは、リスナーのナオさんから届いた、奇妙な“間違い電話”にまつわるお話です。
──それでは、始めましょう。
事の始まりは、ある日の深夜1時過ぎ。
ナオさんのスマートフォンが、突如鳴り出しました。
表示されたのは、知らない番号。市外局番すら見覚えがない。
直感的に“気味が悪い”と感じた彼女は、そのまま通話を切ったのですが――
数分後に、再び同じ番号から着信。
そして次の日もまた、同じ時間帯に鳴るのです。
「これ、なんなんでしょうね……」
不安になったナオさんは、ある晩、留守電を設定してみました。
すると、そこには……声が残っていたのです。
「……まちがえた、ごめんなさい……かけるところ、ちがった……」
すすり泣くような、震えた女性の声。
それは申し訳なさと、どこか切実な“何か”が込められているようにも聞こえたといいます。
奇妙に思い、ナオさんはその番号を検索。
するとヒットしたのは、10年前のニュース記事でした。
『〇〇市内のアパートで女性の変死体。自殺と見られる』
『部屋の中には、途中で入力を止めた通話履歴が残されていた』
そして――その電話番号こそが、ナオさんにかかってきたものと一致していたのです。
番号は当然、現在は他の誰かに割り当てられているはず。
けれども、それでも“何か”がそこに残ってしまっていたとしたら……?
ナオさんは、こう語ってくれました。
「私の番号、似てたのかもしれません。……もしかして、本当は別の人にかけたかったのに、間違えちゃったんじゃないかって……」
その夜もまた、スマホは静かに震え、録音にはこう残っていたといいます。
「……かけなおさないで。……もう、だれにも……」
それは、届くはずのなかった声。
だけど今も、どこかで……ずっと、誰かに届こうとしている。
そしてそれが、“あなた”の番号に繋がってしまったとしたら――
いかがでしたか。
亡くなったあとも残る、記憶の残滓。
それが偶然に紛れて、誰かの生活に侵入してくることもあるのかもしれません。
次の着信が、本当に間違いかどうか。
……出るときは、少しだけ注意してみてください。
深夜にかかってくる、知らない番号からの電話。無言のまま、ただ鳴り続けるだけ……そんな体験、皆さんにはあるでしょうか。
今回ご紹介するのは、リスナーのナオさんから届いた、奇妙な“間違い電話”にまつわるお話です。
──それでは、始めましょう。
事の始まりは、ある日の深夜1時過ぎ。
ナオさんのスマートフォンが、突如鳴り出しました。
表示されたのは、知らない番号。市外局番すら見覚えがない。
直感的に“気味が悪い”と感じた彼女は、そのまま通話を切ったのですが――
数分後に、再び同じ番号から着信。
そして次の日もまた、同じ時間帯に鳴るのです。
「これ、なんなんでしょうね……」
不安になったナオさんは、ある晩、留守電を設定してみました。
すると、そこには……声が残っていたのです。
「……まちがえた、ごめんなさい……かけるところ、ちがった……」
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その夜もまた、スマホは静かに震え、録音にはこう残っていたといいます。
「……かけなおさないで。……もう、だれにも……」
それは、届くはずのなかった声。
だけど今も、どこかで……ずっと、誰かに届こうとしている。
そしてそれが、“あなた”の番号に繋がってしまったとしたら――
いかがでしたか。
亡くなったあとも残る、記憶の残滓。
それが偶然に紛れて、誰かの生活に侵入してくることもあるのかもしれません。
次の着信が、本当に間違いかどうか。
……出るときは、少しだけ注意してみてください。
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