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7. 昔取った杵柄だそうで
しおりを挟む「泥酔して恥ずかしかったから……」
「まあそうだけどさ」
ぷっと笑いながらも、まだ離してくれない手が気になる。それとなく手首に視線を送って不自由をアピールしてみるが、どうやら河村君は意に介していないようだ。
「ねえ、もう離してよ」
「うん」
にこにこと笑いながら、河村君はぱっと手を離して降伏のポーズを取った。
「だからさ、恋人役お願いね」
「何で!?」
唐突な要求に勢い良く上を振り仰ぐ。
「俺へのお詫び」
「さっき持って行ったピアスは!?」
「あれは金曜日のお詫びの印」
「お礼はいらないとか言って無かった!?」
「お礼じゃなくてお詫びの印だってば……今日だけで五人にLINE聞かれちゃった」
「……それは……おモテになる事で」
くたりと力が抜ける。
確かに彼に向けられる女性たちからの視線はキラキラしたものばかりだった。
背が高くてすらりとしてるし、顔立ちも整ってるから、仕方が無いとは思うけど。
「今回のは半年前の介抱のお礼って事で。ね、だから彼女が嫉妬するから、って全部断っておいたから」
「ちょっ、ちょっと!」
それって私が非難されるやつ!
先程の美夏の様子を見る限り、恐らく名前もばっちり出してる。
「わざわざ誰かなんて言わなくてもいい話でしょう? 変に誤解されると私が困るんだけど!?」
「大丈夫だよ、上手く言ってるから」
手をひらひらと振りながら、にじり寄る河村君から一歩下がる。
「だから今日から、よろしくね?」
思わずごくりと喉が鳴ったのは、河村君の目が妙に攻撃的で怖かったから。……さ、流石オフェンス。攻撃力はグラウンドの外でも常備しているようです。
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