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本編
2.魅了
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「大変お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありませんでした」
そう言って深々と頭を下げ謝罪する金髪美女こと、このパウロ王国の王女殿下、名前はリリアージュー・ジャン・パウロ第二王女。
怪しげなローブを被った中の一人が彼女だった。
取り乱した他の者たちは、己の慌てぶりが恥ずかしかったのか、ローブを被ったまま脱ぐことはない。
そのリリアージュ王女が、まさに大輪の花が咲いたかの如く美しい顔を上げた瞬間、思わず息を飲む一同。
リリアージュ王女の美貌に、若い男子学生らはあからさまに囃し立て、アラサーたちは表面上は静かに、そしてチャット上ではおおいに盛り上がっていた。
*
ei_to:「緊急事態! 緊急事態!」
warlock:「メーデー、メーデー、メーデー!」
jaeger:「美女出現! 繰り返す! ヒロインと思われる美女出現!」
ei_to:「総員、ただちに魅了耐性を上げよ!」
warlock:「メーデー、メーデー、メーデー!」
jaeger:「リアル王女様、きたーーーーーー!!」
ei_to:「ふつくしい………」
warlock:「メーデー、メ」
ei_to/jaeger:「「メーメーうるせーよ!!!」」
warlock:「メ~(´;ω;`)」
ei_to:「それで、マジメな話どーする?」
jaeger:「どーするとは? くくりが大雑把すぎんか」
warlock:「今後俺たちの立ち位置的にどう行動するかってことだろ?」
ei_to:「大眞がマジメなこと話し出すと違和感酷えな」
warlock:「うるへー。これでも立派な社会人なんだよ俺も」
jaeger:「大眞のサラリーマン姿は想像できんな」
ei_to:「たしかに。自営?」
warlock:「そっちの話はいいから、話を本題に戻そうぜ」
jaeger:「そんなのもう決まってる。このまま相手の出方を様子見して、ヤバそうになったらトンズラする」
ei_to:「賛成」
warlock:「賛成」
jaeger:「くれぐれも俺たちの能力はバレないようにな」
*
「あのっ! それで私たち、いつになったら帰してもらえるんですか?!」
男たちのから騒ぎを他所に、果敢にも女子高校生がリリアージュ王女に詰め寄る。
「そうよ! 今夜は彼氏とデートの予定だったのよ!」
「「私も!」」「わ、私も…」
「間に合わなかったら、どうしてくれるのよ!」
「「そうよ! そうよ!」」「そ、そうよ…」
役立たずな男どもに代わり、これまで沈黙を守ってきたアラサーのお姉さんたちもそれに加わった。
「君たち、よせ! 王女殿下に対して失礼だろう!」
「なによ! あんたたちは黙ってなさい!」
「「そうよ! そうよ!」」「そ、そうよ…?」
「女の僻みは、実に醜いですなー」
「醜いですなー」
「醜いですなー」
「いくつになっても、男は美人には弱い生きものなのさー」
「そうだそうだー」
「美女にはね」
少し遠くでことの成り行きを見守っていたアラサー男三人組は、なぜか使えるゲームのチャット機能を使って呟いているつもりが、全て口から出ていることに気付いていない。
「ちょっとアンタたち?! 今なんつった!!」
恐ろしい形相で迂闊な発言をしたアラサートリオを振り返る、同じくアラサーのお姉さん。
「だから、女の僻みは………あ」
「瑛冬がボケてる」
「いや…今回はどうやら俺らも同罪」
「マジか!」
「マジ。お前も心の声がだだ漏れてるぞ」
warlock:「なんですと…(´;ω;`)」
「いまさら遅ぇーよ」
「ですよねー」
その時、閉まっていた扉が開き入って来た人物を目にして、一同はまたも息を飲んだ。
しかしそれは、うっかりアラサートリオにはあまり嬉しくない救世主であった。
なぜなら──
「出迎えが遅れてしまい申し訳ない。貴方たちが今回の勇者だろうか? 私はこの国の第一王子、フリューゲル・ジャン・パウロ。
皆さま、いつまでもこんな場所にいては寛げないでしょう。どうぞ、こちらへお越し下さい」
颯爽と現れた第一王子は、さすがロイヤルなお方だけありキラキラしていた。所謂、絵に描いたようなイケメンである。
リリアージュ王女に抗議していた女子生徒とアラサー女子たちも、フリューゲル王子の登場であっさりと騒ぐのをやめ借りてきた猫のようにおとなしくなった。
*
jaeger:「緊急事態発生……お前ら気付いたか?」
warlock:「メーデー、メーデー、メーデー!」
ei_to:「羊黙ってろ。慎哉なんのことだ?」
warlock:「お口チャック!(T_T)」
jaeger:「茶化すな。マジでヤベーぞ。疑われるような変な行動はするなよ。さっき念のため魅了耐性のアクセ付けといたんだが、レジストした」
ei_to:「レジスト?!」
warlock:「いつの間にアクセ装備したの? ネタに全力でのっかる慎哉さすが」
jaeger:「 大眞…お前お口チャックでもしてろ」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「おいレジストって、なんだよ?! 誰が何の為に俺たちに魅了なんてかけるんだ?」
jaeger:「さあな…ただ、こいつらきな臭いと思わないか?」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「たしかに…不自然かもしれん」
jaeger:「さっきDKも言ってたけど、この人数をいっきに呼ぶっておかしいよな。戦争でも起こす気なんじゃないか?」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「戦争…ありえる…のか? 気付かないうちにレジストしてて助かった」
jaeger:「そういえばお前らって状態異常無効持ちだったな。うらやま」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「大眞チャック開けろ、うぜー」
jaeger:「…知ってるか? こいつ、これでも俺らの中じゃ一番年長なんだぞ」
warlock:「なぜそれを……(´;Д;`)」
ei_to:「 マ ジ で か ! !」
jaeger:「残念ながら、マジだ」
warlock:「お前らの歳も教えろー(´;Д;`)」
ei_to:「32」
jaeger:「34」
warlock:「瑛冬若っ! つか、慎哉たいして変わらんじゃねーか!俺、36だぞ!!」
jaeger:「俺はお前と違って、年相応には落ち着いてる」
ei_to:「たしかに」
warlock:「四面楚歌…! ここには俺の敵しかいねーのか?!」
jaeger:「誰がお前の味方だと言った?」
ei_to:「たしかに」
warlock:「(T_T)」
jaeger:「冗談はさておき、この部屋の中で魅了が効いてないのは俺たちだけのようだ。なんとかバレないように、それっぽくテキトーに振る舞えよ」
ei_to:「あいよ」
warlock:「(T_T)」
jaeger:「…マジで頼むぞ?」
大眞(warlock)のど下手糞な演技にハラハラしながらも、アラサートリオはゾロゾロと王子と王女に付いていく人の列に紛れ込んだ。
そう言って深々と頭を下げ謝罪する金髪美女こと、このパウロ王国の王女殿下、名前はリリアージュー・ジャン・パウロ第二王女。
怪しげなローブを被った中の一人が彼女だった。
取り乱した他の者たちは、己の慌てぶりが恥ずかしかったのか、ローブを被ったまま脱ぐことはない。
そのリリアージュ王女が、まさに大輪の花が咲いたかの如く美しい顔を上げた瞬間、思わず息を飲む一同。
リリアージュ王女の美貌に、若い男子学生らはあからさまに囃し立て、アラサーたちは表面上は静かに、そしてチャット上ではおおいに盛り上がっていた。
*
ei_to:「緊急事態! 緊急事態!」
warlock:「メーデー、メーデー、メーデー!」
jaeger:「美女出現! 繰り返す! ヒロインと思われる美女出現!」
ei_to:「総員、ただちに魅了耐性を上げよ!」
warlock:「メーデー、メーデー、メーデー!」
jaeger:「リアル王女様、きたーーーーーー!!」
ei_to:「ふつくしい………」
warlock:「メーデー、メ」
ei_to/jaeger:「「メーメーうるせーよ!!!」」
warlock:「メ~(´;ω;`)」
ei_to:「それで、マジメな話どーする?」
jaeger:「どーするとは? くくりが大雑把すぎんか」
warlock:「今後俺たちの立ち位置的にどう行動するかってことだろ?」
ei_to:「大眞がマジメなこと話し出すと違和感酷えな」
warlock:「うるへー。これでも立派な社会人なんだよ俺も」
jaeger:「大眞のサラリーマン姿は想像できんな」
ei_to:「たしかに。自営?」
warlock:「そっちの話はいいから、話を本題に戻そうぜ」
jaeger:「そんなのもう決まってる。このまま相手の出方を様子見して、ヤバそうになったらトンズラする」
ei_to:「賛成」
warlock:「賛成」
jaeger:「くれぐれも俺たちの能力はバレないようにな」
*
「あのっ! それで私たち、いつになったら帰してもらえるんですか?!」
男たちのから騒ぎを他所に、果敢にも女子高校生がリリアージュ王女に詰め寄る。
「そうよ! 今夜は彼氏とデートの予定だったのよ!」
「「私も!」」「わ、私も…」
「間に合わなかったら、どうしてくれるのよ!」
「「そうよ! そうよ!」」「そ、そうよ…」
役立たずな男どもに代わり、これまで沈黙を守ってきたアラサーのお姉さんたちもそれに加わった。
「君たち、よせ! 王女殿下に対して失礼だろう!」
「なによ! あんたたちは黙ってなさい!」
「「そうよ! そうよ!」」「そ、そうよ…?」
「女の僻みは、実に醜いですなー」
「醜いですなー」
「醜いですなー」
「いくつになっても、男は美人には弱い生きものなのさー」
「そうだそうだー」
「美女にはね」
少し遠くでことの成り行きを見守っていたアラサー男三人組は、なぜか使えるゲームのチャット機能を使って呟いているつもりが、全て口から出ていることに気付いていない。
「ちょっとアンタたち?! 今なんつった!!」
恐ろしい形相で迂闊な発言をしたアラサートリオを振り返る、同じくアラサーのお姉さん。
「だから、女の僻みは………あ」
「瑛冬がボケてる」
「いや…今回はどうやら俺らも同罪」
「マジか!」
「マジ。お前も心の声がだだ漏れてるぞ」
warlock:「なんですと…(´;ω;`)」
「いまさら遅ぇーよ」
「ですよねー」
その時、閉まっていた扉が開き入って来た人物を目にして、一同はまたも息を飲んだ。
しかしそれは、うっかりアラサートリオにはあまり嬉しくない救世主であった。
なぜなら──
「出迎えが遅れてしまい申し訳ない。貴方たちが今回の勇者だろうか? 私はこの国の第一王子、フリューゲル・ジャン・パウロ。
皆さま、いつまでもこんな場所にいては寛げないでしょう。どうぞ、こちらへお越し下さい」
颯爽と現れた第一王子は、さすがロイヤルなお方だけありキラキラしていた。所謂、絵に描いたようなイケメンである。
リリアージュ王女に抗議していた女子生徒とアラサー女子たちも、フリューゲル王子の登場であっさりと騒ぐのをやめ借りてきた猫のようにおとなしくなった。
*
jaeger:「緊急事態発生……お前ら気付いたか?」
warlock:「メーデー、メーデー、メーデー!」
ei_to:「羊黙ってろ。慎哉なんのことだ?」
warlock:「お口チャック!(T_T)」
jaeger:「茶化すな。マジでヤベーぞ。疑われるような変な行動はするなよ。さっき念のため魅了耐性のアクセ付けといたんだが、レジストした」
ei_to:「レジスト?!」
warlock:「いつの間にアクセ装備したの? ネタに全力でのっかる慎哉さすが」
jaeger:「 大眞…お前お口チャックでもしてろ」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「おいレジストって、なんだよ?! 誰が何の為に俺たちに魅了なんてかけるんだ?」
jaeger:「さあな…ただ、こいつらきな臭いと思わないか?」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「たしかに…不自然かもしれん」
jaeger:「さっきDKも言ってたけど、この人数をいっきに呼ぶっておかしいよな。戦争でも起こす気なんじゃないか?」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「戦争…ありえる…のか? 気付かないうちにレジストしてて助かった」
jaeger:「そういえばお前らって状態異常無効持ちだったな。うらやま」
warlock:「(T_T)」
ei_to:「大眞チャック開けろ、うぜー」
jaeger:「…知ってるか? こいつ、これでも俺らの中じゃ一番年長なんだぞ」
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ei_to:「 マ ジ で か ! !」
jaeger:「残念ながら、マジだ」
warlock:「お前らの歳も教えろー(´;Д;`)」
ei_to:「32」
jaeger:「34」
warlock:「瑛冬若っ! つか、慎哉たいして変わらんじゃねーか!俺、36だぞ!!」
jaeger:「俺はお前と違って、年相応には落ち着いてる」
ei_to:「たしかに」
warlock:「四面楚歌…! ここには俺の敵しかいねーのか?!」
jaeger:「誰がお前の味方だと言った?」
ei_to:「たしかに」
warlock:「(T_T)」
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ei_to:「あいよ」
warlock:「(T_T)」
jaeger:「…マジで頼むぞ?」
大眞(warlock)のど下手糞な演技にハラハラしながらも、アラサートリオはゾロゾロと王子と王女に付いていく人の列に紛れ込んだ。
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