18 / 38
本編
17.交差
しおりを挟む
シェスタは精霊に愛されている国と言われるだけあり、眼下に流れる景色はどこも美しく、いつまででも眺めていたくなるような素晴らしい光景だった。
まあそれも、数千メートル上空からでなければの話だが。
どれぐらい飛んでいるだろうか。瑛冬の蹴りを受けた腹はシクシクと痛みを訴えており、時おりポーションを飲んではいるが治りがおもわしくない。
「だから俺は紙装甲だって言ったのに。瑛冬くん手加減って言葉知らないんじゃないの? 一体どこまで飛ばす気だよ~」
ブツブツと文句をたれながら空中遊泳も飽きた大眞は、そろそろ真面目に帰り方を考えなくてはと風を操る。空気のクッションを作るイメージで、ポヨヨ~ンと見えない壁に跳ね返されて勢いがようやく止まる。
「お? あっちから来るのはもしかして」
常時発動しているサーチ魔法に引っかかったものを確認するため方向転換した大眞は、ニンマリと人相の悪い笑みを浮かべると風を操り探索を開始する。からかって遊ぶ気満々で対象に近付いてみると、その反応とは別の気になる一団を見つけた。
「あれ? この反応は──」
方角はパウロ王国との国境近くの辺りである。
「まさか、もう侵攻して来てるなんてことないよな? ないよな…?」
あの国が絡んでいるとなると事態は一気にきな臭いものとなる。一抹の不安を押し込めて緩んでいた意識を引き締める。
「俺って働き者~」
大眞は情報収集のため一人シェスタの空を駆けるのだった。
事態は緩やかに動き出している──。
*
パウロ王国とシェスタの国境を少し過ぎた森の中。メンバーは全員年若く十代の男女のみのパーティーである。その中の中心的人物である少年は秀麗な顔を歪め、他のメンバーを必死に諫めていた。
「お前ら前に出過ぎだ! この辺りの魔獣はほぼ殲滅したからもう帰投しよう!」
「もう! やっと調子が出て来たところなのに! 私たちならまだまだやれるわ!」
「そうだぜ、十秋! 今日はジャマな兵士もいないことだし、もっと狩り尽くそうぜ!」
「「おー!」」
全身に返り血を浴び真っ赤に染まった姿で拳を突き上げる三人は、十秋と同じ召喚者仲間で高校の元同級生であった。日本でもクラスの中心人物だった彼らは、この世界でも大いに期待をされている。
同級生の一人、上樹 勇吾は日本人にしては恵まれた体躯をしており、肩に大剣をかつぎ無骨な装備を纏う戦士然とした格好をしている。
気の強さを現したような少しつりぎみの大きな瞳が目を引く、万人がハッとするような美人の山下 千佳は、勇吾とは対照的に動きやすさに重点を置いた装備を身に纏っていた。
もう一人の女子で大人しそうなおっとり系美人の宮下 陽菜は、ローブを纏い魔法使いの杖を手にしている。陽菜が杖を振るたびにたゆんと揺れる大きな胸に、自然と男たちの目線が集まるのは仕方のないことだろう。
魔獣の血を浴びるたびにだんだんと理性を失い、チームのブレーキ役である十秋の説得を聞かずに暴走をはじめた三人は、パウロ王国側の魔獣を狩り尽くしてしまい、魔獣を追い求め隣国へと進軍してしまった。
普段であれば王国の兵士が常に付き従い同行していたため、土地勘のない彼らはまだそのことに気が付いていない。
パウロ王国の第一王子フリューゲル・ジャン・パウロに目を付けられたあの日を境に、十秋の中ではとある変化がおきていた。
まずはレベルがありえないぐらい、一気に上がった。これまで魔獣を倒して地道に上げていたレベルがまるで無駄だったかのようなレベルである。
十秋の記憶通りであれば、その数値はとあるゲームでの自分のものと似通っている。
マクベス社が6年前に発表したMMORPG無料オンラインゲーム「グランクロス」をやりはじめたきっかけは単純で、十秋の兄がプレイしていたからだった。
それまでポータブルゲームにしか興味のなかった十秋は、なんとなく暇つぶし感覚でプレイしていたが、とあるプレイヤーと出会ってから加速度的に「グランクロス」にハマっていった。
HNエイト。
「グランクロス」のトップランカーであるei_toと同じ名前のプレイヤーである彼女は、自分と変わらないぐらいのレベル帯であるはずなのに卓越した技を持っていた。それも彼女は戦闘職ではなく、生産職といわれる錬金術師であった。
そんな彼女に何度も危機的状況を助けてもらった十秋は、エイトに何度も声をかけ半ば強引に仲間にしてもらったのだ。エイトの求めるレア素材を探して二人であちこち駆け回ったのはいい思い出だ。
今ではお守りのように身につけている手の中の小瓶を握りしめ、このアイテムを自分に与えてくれた相手に想いを馳せていた十秋は、緊張を孕んだパーティーメンバーの声で現実に引き戻された。
「新手だ気を付けろ!」
警戒する四人の前に現れたのは見事な体格の真っ赤な獅子だった。豪奢な毛並みは乱れ少し薄汚れしまってはいるが、堂々とした風格と内側から溢れ出る強者のオーラは少しも霞むことはない。
赤獅子は警戒する十秋たちをチラリと一瞥すると、そのまま無視して彼らの目の前を通り過ぎようとしていた。その態度はまるで「お前らのような小物に興味はない」とでも言いたげな、不遜な態度であった。
「あ、こら待て! 逃げるんじゃねえ!」
無視され腹を立てた勇吾が大剣の切先を赤獅子へと向ける。
「ねえ、なんだかこの魔獣おかしくない? なんで私たちを襲ってこないの?」
魔獣らしからぬ様子に疑問を持った陽菜は不安そうにメンバーに問いかける。
「そんなことどうでもいいじゃない! 勇吾、十秋、さっさとヤるわよ!」
「こいつを狩ればレベルも一気に上がりそうだ!」
手強そうな相手を見つけ、俄然ヤル気の勇吾と千佳。もはや獲物を狩ることが快感となってしまっている彼らは、多少の違和感を感じつつも攻撃を仕掛けようとしていた。
「お前らちょっと待て!」
十秋が止めるのも聞かずに勇吾が我先にと斬り込んでいく。
「でゃあーッ!!」
大きく振りかぶった大剣を赤獅子に狙いをつけ勇吾は力の限り叩きつけた。だが手応えもなく地面を抉った勇吾の剣は赤獅子には届かなかった。
「ちょっと勇吾、ちゃんと当てなさいよ! なっさけないわね~!」
勇吾に代わり前へと躍り出た千佳が素早く弓を放つ。風魔法の力も借りて風を切る弓矢が赤獅子の前足を狙うが、これも軽々とかわされてしまう。
「あーー!! なんで私のとっておきの技が簡単に避けられるのよ!!」
「うぷぷ。避けられてやんの。あとは俺に任せとけ!」
悔しそうに地団駄を踏む千佳を笑ってから、勇吾は剣のスキル技を繰り出す。
「これでどうだ!! でぇぁぁぁ!!」
「勇吾やめろ!」
十秋の静止も虚しく、勇吾の持つ大剣が青く光ると、切先から巨大な斬撃が飛び出して赤獅子へと襲いかかった。しかし相手も素早い動きで勇吾のスキル技を飛び避け、非常に苛立った唸り声を上げ睨み付けて来る。
「やべぇ…今のを避けれるのかよ」
ことごとく攻撃をかわされ焦りを見せる勇吾たちとは対照的に、獅子はその場から動こうとしない。ふと憎々しげに睨み付けていた視線が勇吾たちから逸らされ、つられるように全員が上を見上げた。
「あ、見つかっちゃった☆」
言うほど慌てた様子でもなく、普通に散歩でもしていたかのような男の態度に十秋たちは戸惑いを隠せない。その男はなぜか、空中に浮いているのだ。
全員から不審な目を向けられても全然気にしない男は「こんにちは~」とヘラヘラ笑いながら十秋たちに手を振っている。
「きゃぁッ!!」
「な、なにあの人。浮いてるわよ?」
「日本人ってことは、俺らのお仲間か。でも、あんな奴いたか?」
「さぁ? 私は覚えてないわ」
「あの人、もしかして…」
変な男の存在に戸惑う友人たちだったが、十秋はその顔をかすかに思い出していた。召喚の時騒がしく暴れていた三人組のうちの一人で、すぐに消えた男がこんな風貌をしていた気がする。
それでもなぜ今、このタイミングで彼がこの場に現れたのか十秋は不思議でしょうがない。それに、今までどこに行っていたのだろうか。
疑問は尽きないが、それをこの目の前の男に問いただしたところでマジメに答えてくれなさそうな、そんな気がした。
「やはり君だったか…やっと、やっと姿を現したな! さあ、教えてくれ! ナツキは今どこにいる!!」
「まったく、貴方も懲りない人だなぁ~。教えるわけないでしょ。人を頼ってないで、ご自分の力で探したらどうですか?」
四人の前に突然現れた赤髪の美丈夫が空に浮かぶ男に吠えると、男はニヤリと嫌らしい笑みを浮かべて舌を出す。獣のような唸り声を上げる赤髪の男をからかい遊んでいるかのようである。
「ねぇ、さっきの赤いライオンさんはどこにいっちゃったの?」
「あれ? ホントだ。逃げたのかしら?」
陽菜の呟きを聞いて、やっとそのことに気付いた十秋たち。赤獅子は姿を消し、その場所には代わりに赤髪の美丈夫が立っていた。首を捻る四人をよそに、二人の睨み合いはヒートアップしていく。
「で、あいつ誰よ」
「さぁ?」
まあそれも、数千メートル上空からでなければの話だが。
どれぐらい飛んでいるだろうか。瑛冬の蹴りを受けた腹はシクシクと痛みを訴えており、時おりポーションを飲んではいるが治りがおもわしくない。
「だから俺は紙装甲だって言ったのに。瑛冬くん手加減って言葉知らないんじゃないの? 一体どこまで飛ばす気だよ~」
ブツブツと文句をたれながら空中遊泳も飽きた大眞は、そろそろ真面目に帰り方を考えなくてはと風を操る。空気のクッションを作るイメージで、ポヨヨ~ンと見えない壁に跳ね返されて勢いがようやく止まる。
「お? あっちから来るのはもしかして」
常時発動しているサーチ魔法に引っかかったものを確認するため方向転換した大眞は、ニンマリと人相の悪い笑みを浮かべると風を操り探索を開始する。からかって遊ぶ気満々で対象に近付いてみると、その反応とは別の気になる一団を見つけた。
「あれ? この反応は──」
方角はパウロ王国との国境近くの辺りである。
「まさか、もう侵攻して来てるなんてことないよな? ないよな…?」
あの国が絡んでいるとなると事態は一気にきな臭いものとなる。一抹の不安を押し込めて緩んでいた意識を引き締める。
「俺って働き者~」
大眞は情報収集のため一人シェスタの空を駆けるのだった。
事態は緩やかに動き出している──。
*
パウロ王国とシェスタの国境を少し過ぎた森の中。メンバーは全員年若く十代の男女のみのパーティーである。その中の中心的人物である少年は秀麗な顔を歪め、他のメンバーを必死に諫めていた。
「お前ら前に出過ぎだ! この辺りの魔獣はほぼ殲滅したからもう帰投しよう!」
「もう! やっと調子が出て来たところなのに! 私たちならまだまだやれるわ!」
「そうだぜ、十秋! 今日はジャマな兵士もいないことだし、もっと狩り尽くそうぜ!」
「「おー!」」
全身に返り血を浴び真っ赤に染まった姿で拳を突き上げる三人は、十秋と同じ召喚者仲間で高校の元同級生であった。日本でもクラスの中心人物だった彼らは、この世界でも大いに期待をされている。
同級生の一人、上樹 勇吾は日本人にしては恵まれた体躯をしており、肩に大剣をかつぎ無骨な装備を纏う戦士然とした格好をしている。
気の強さを現したような少しつりぎみの大きな瞳が目を引く、万人がハッとするような美人の山下 千佳は、勇吾とは対照的に動きやすさに重点を置いた装備を身に纏っていた。
もう一人の女子で大人しそうなおっとり系美人の宮下 陽菜は、ローブを纏い魔法使いの杖を手にしている。陽菜が杖を振るたびにたゆんと揺れる大きな胸に、自然と男たちの目線が集まるのは仕方のないことだろう。
魔獣の血を浴びるたびにだんだんと理性を失い、チームのブレーキ役である十秋の説得を聞かずに暴走をはじめた三人は、パウロ王国側の魔獣を狩り尽くしてしまい、魔獣を追い求め隣国へと進軍してしまった。
普段であれば王国の兵士が常に付き従い同行していたため、土地勘のない彼らはまだそのことに気が付いていない。
パウロ王国の第一王子フリューゲル・ジャン・パウロに目を付けられたあの日を境に、十秋の中ではとある変化がおきていた。
まずはレベルがありえないぐらい、一気に上がった。これまで魔獣を倒して地道に上げていたレベルがまるで無駄だったかのようなレベルである。
十秋の記憶通りであれば、その数値はとあるゲームでの自分のものと似通っている。
マクベス社が6年前に発表したMMORPG無料オンラインゲーム「グランクロス」をやりはじめたきっかけは単純で、十秋の兄がプレイしていたからだった。
それまでポータブルゲームにしか興味のなかった十秋は、なんとなく暇つぶし感覚でプレイしていたが、とあるプレイヤーと出会ってから加速度的に「グランクロス」にハマっていった。
HNエイト。
「グランクロス」のトップランカーであるei_toと同じ名前のプレイヤーである彼女は、自分と変わらないぐらいのレベル帯であるはずなのに卓越した技を持っていた。それも彼女は戦闘職ではなく、生産職といわれる錬金術師であった。
そんな彼女に何度も危機的状況を助けてもらった十秋は、エイトに何度も声をかけ半ば強引に仲間にしてもらったのだ。エイトの求めるレア素材を探して二人であちこち駆け回ったのはいい思い出だ。
今ではお守りのように身につけている手の中の小瓶を握りしめ、このアイテムを自分に与えてくれた相手に想いを馳せていた十秋は、緊張を孕んだパーティーメンバーの声で現実に引き戻された。
「新手だ気を付けろ!」
警戒する四人の前に現れたのは見事な体格の真っ赤な獅子だった。豪奢な毛並みは乱れ少し薄汚れしまってはいるが、堂々とした風格と内側から溢れ出る強者のオーラは少しも霞むことはない。
赤獅子は警戒する十秋たちをチラリと一瞥すると、そのまま無視して彼らの目の前を通り過ぎようとしていた。その態度はまるで「お前らのような小物に興味はない」とでも言いたげな、不遜な態度であった。
「あ、こら待て! 逃げるんじゃねえ!」
無視され腹を立てた勇吾が大剣の切先を赤獅子へと向ける。
「ねえ、なんだかこの魔獣おかしくない? なんで私たちを襲ってこないの?」
魔獣らしからぬ様子に疑問を持った陽菜は不安そうにメンバーに問いかける。
「そんなことどうでもいいじゃない! 勇吾、十秋、さっさとヤるわよ!」
「こいつを狩ればレベルも一気に上がりそうだ!」
手強そうな相手を見つけ、俄然ヤル気の勇吾と千佳。もはや獲物を狩ることが快感となってしまっている彼らは、多少の違和感を感じつつも攻撃を仕掛けようとしていた。
「お前らちょっと待て!」
十秋が止めるのも聞かずに勇吾が我先にと斬り込んでいく。
「でゃあーッ!!」
大きく振りかぶった大剣を赤獅子に狙いをつけ勇吾は力の限り叩きつけた。だが手応えもなく地面を抉った勇吾の剣は赤獅子には届かなかった。
「ちょっと勇吾、ちゃんと当てなさいよ! なっさけないわね~!」
勇吾に代わり前へと躍り出た千佳が素早く弓を放つ。風魔法の力も借りて風を切る弓矢が赤獅子の前足を狙うが、これも軽々とかわされてしまう。
「あーー!! なんで私のとっておきの技が簡単に避けられるのよ!!」
「うぷぷ。避けられてやんの。あとは俺に任せとけ!」
悔しそうに地団駄を踏む千佳を笑ってから、勇吾は剣のスキル技を繰り出す。
「これでどうだ!! でぇぁぁぁ!!」
「勇吾やめろ!」
十秋の静止も虚しく、勇吾の持つ大剣が青く光ると、切先から巨大な斬撃が飛び出して赤獅子へと襲いかかった。しかし相手も素早い動きで勇吾のスキル技を飛び避け、非常に苛立った唸り声を上げ睨み付けて来る。
「やべぇ…今のを避けれるのかよ」
ことごとく攻撃をかわされ焦りを見せる勇吾たちとは対照的に、獅子はその場から動こうとしない。ふと憎々しげに睨み付けていた視線が勇吾たちから逸らされ、つられるように全員が上を見上げた。
「あ、見つかっちゃった☆」
言うほど慌てた様子でもなく、普通に散歩でもしていたかのような男の態度に十秋たちは戸惑いを隠せない。その男はなぜか、空中に浮いているのだ。
全員から不審な目を向けられても全然気にしない男は「こんにちは~」とヘラヘラ笑いながら十秋たちに手を振っている。
「きゃぁッ!!」
「な、なにあの人。浮いてるわよ?」
「日本人ってことは、俺らのお仲間か。でも、あんな奴いたか?」
「さぁ? 私は覚えてないわ」
「あの人、もしかして…」
変な男の存在に戸惑う友人たちだったが、十秋はその顔をかすかに思い出していた。召喚の時騒がしく暴れていた三人組のうちの一人で、すぐに消えた男がこんな風貌をしていた気がする。
それでもなぜ今、このタイミングで彼がこの場に現れたのか十秋は不思議でしょうがない。それに、今までどこに行っていたのだろうか。
疑問は尽きないが、それをこの目の前の男に問いただしたところでマジメに答えてくれなさそうな、そんな気がした。
「やはり君だったか…やっと、やっと姿を現したな! さあ、教えてくれ! ナツキは今どこにいる!!」
「まったく、貴方も懲りない人だなぁ~。教えるわけないでしょ。人を頼ってないで、ご自分の力で探したらどうですか?」
四人の前に突然現れた赤髪の美丈夫が空に浮かぶ男に吠えると、男はニヤリと嫌らしい笑みを浮かべて舌を出す。獣のような唸り声を上げる赤髪の男をからかい遊んでいるかのようである。
「ねぇ、さっきの赤いライオンさんはどこにいっちゃったの?」
「あれ? ホントだ。逃げたのかしら?」
陽菜の呟きを聞いて、やっとそのことに気付いた十秋たち。赤獅子は姿を消し、その場所には代わりに赤髪の美丈夫が立っていた。首を捻る四人をよそに、二人の睨み合いはヒートアップしていく。
「で、あいつ誰よ」
「さぁ?」
23
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
給餌行為が求愛行動だってなんで誰も教えてくれなかったんだ!
永川さき
BL
魔術教師で平民のマテウス・アージェルは、元教え子で現同僚のアイザック・ウェルズリー子爵と毎日食堂で昼食をともにしている。
ただ、その食事風景は特殊なもので……。
元教え子のスパダリ魔術教師×未亡人で成人した子持ちのおっさん魔術教師
まー様企画の「おっさん受けBL企画」参加作品です。
他サイトにも掲載しています。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる