『完結』セプトクルール 勇者エルニスのワンダーランド

7章 救世主冬将軍

7-4 港町アクアポート

　船に乗って三十分ほどで、船は港町アクアポートに錨いかりを下ろすと、エルニスたちは船を降りていきました。

「わぁ、ここが港町アクアポートか、なんだか活気かっきがあるねぇ」
「ええ、ここはラップランドの玄関口げんかんぐちともいわれていて、世界中を航海こうかいする船が立ち寄る場所として有名なんですよ」

キャンベルの言うとおり、港には大きな帆船はんせんが多く停泊ていはくしており、港では獲とれたての魚を積んだ箱を持っていく漁師りょうしや、船にワインの入ったタルなどを運んでいく船乗ふなのりや、観光に来た白いドレスを着用した貴族など、様々な人々が行きかっています。そんな中、レミオンからの手紙に入っていた地図を見ていたロレンスは、あたりを見回します。

「それで、レミオンはこのあたりで待っているって言っていたな」
すると、ほどなくして紫むらさきのシャツとズボンと赤いマントを着用した赤毛のショートヘアーの少女がこちらに手をふってやってきました。

「来てくれたんだね、待っていたよ、さぁこちらへ」レミオンは港の中にある倉庫そうこに案内します。

　レミオンは倉庫のカギを開けると、そこへエルニスたちを招き入れて、辺りに誰もいないことを確かめて倉庫の扉を閉めます。

　倉庫の中は、柱にランプが吊つり下げられており、思ったよりも明るく、中央のテーブルの席には、緑の服と帽子を着用した魔族の少年と、トリケラトプスの頭を持つ鎧兵よろいへい、白いドレスを着たハーピーの少女の他、テイルやカインと言った者たちが着席していました。

「みんな、紹介するよ、ここにいるのが勇者エルニスとその仲間たちだ」レミオンがテーブルにいるメンバーに紹介すると、エルニスたちはお辞儀じぎをします。

「ほう、この三人が・・・！できるな・・・！」
「テイルにカインも来ていたんだ」
「ええ、王様に呼ばれて、協力(きょうりょく)するように頼まれたの」

「さぁ、みんな空いている席に座って、これからの作戦を話すんだ」