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7章 救世主冬将軍
7-6 最果ての国
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アクアポートのハズレは広い雪原になっており、ところどころに雪をかぶったもみの木が点在している以外、何もないところだったのです。
「わぁ、真っ白だね」
「へぇ、雪って言うのかこれ、冷てぇ!」ロレンスが地面の雪をすくって言いました。
「そうか、ロレンスさんの故郷は砂漠の国だから、初めて見たんですね」
エルニスたちは雪を踏みしめる音をたてて、スノーラの村がある南東を目指して進みます。しばらく進んでいくと雪がちらつくようになり、やがて激しい吹雪に見舞われました。
「ううっ!なんて風だ!」
「前が見えねぇ!」エルニスたちは両腕で顔をかばいながら進んでいくと、グレイとカナンが雪の上で倒れているのを見つけました。
「グレイとカナンだ!」エルニスとロレンスがかけよると、キャンベルが言いました。
「向こうに村があります、きっとスノーラの村です、そこまで運びましょう!」エルニスはグレイを、ロレンスはカナンを背負って、スノーラ村まで運んでいきました。
スノーラの村はログハウスの家々が立ち並ぶ村で、吹雪なので周りに誰もおらず、屋根は雪をかぶっています。
「あっ!宿屋の看板があります!ここに入りましょう」宿屋の中は暖炉が燃えており、その暖かさが身にしみるようです。
「ふぅ、凍え死ぬかと思ったよ・・・!」
「はい、うちにお泊りですか?」宿屋の女将が話しかけます。
「外で人が倒れていたんです、助けてください!」女将はハッと驚きます。
「あら!大変!そこに使われていない客室があるからそこへ!」
暖炉が燃えている客室のベッドに二人を寝かしつけてしばらくすると、二人はようやく目を開けました。
「ここは・・・どこだ・・・?」
「気が付いたみたいですね、よかった!」キャンベルがかけよります。
「おまえは・・・あの時の・・・お前たちがオレたちを助けてくれたのか・・・?」
「はい、エルニスさんとロレンスさんがかついでくれました」グレイとカナンはキャンベルが作ったポタージュスープで体を温めた後、エルニスが話しかけます。
「いったい、何があったのさ?」カナンが話します。
「私たちは、冬将軍討伐のためにこのラップランドにやってきた、雪原でヤツに会ったから、問答無用で戦いを挑んだが・・・」グレイも拳をたたきつけます。
「ヤツの守りの硬さや放つ冷気にはオレの銃もカナンの格闘術もまるで歯が立たず、我々は命からがら逃げてきたんだ・・・!クソっ!ナイトロードの化け物め!」ここでエルニスが質問をします。
「前から思っていたけど、グレイはなんでそこまで異種族を憎むの?」
「それは・・・オレの恋人ヘレンは・・・魔王軍の化け物に殺されたからだ・・・!それ以来、オレは銃の腕を磨き、やつらに思い知らせてやると決めたんだ・・・!」ここでキャンベルが言いました。
「でも、あなたは魔王軍と関係のない異種族まで殺そうとしましたよね?すべての異種族が悪じゃありませんよ!」
「きれいごとを・・・!お前に何が分かる!?」
「その憎しみの心のせいで、あなたはラグーナで化け物になってしまったんですよ!」
「だまれ!それをいうな・・・がくッ」グレイはその場で倒れてしまいます。
「無理がたたったようだな、とにかく世話になった、ありがとう」カナンは礼を言いました。
「その二人の事は、私に任せてください」二人の事は女将に任せ、エルニスたちは旅を続けることにしました。宿屋のロビーでくつろいでいる人たちの話によれば、ノースポールへは、西にある洞窟を抜ければ近道だと言うことで、吹雪がやんだ後、エルニスたちは洞窟を目指して再び雪原を歩きます。
洞窟を抜けると、そこはレンガの家々が目立つ雪の町でした。
「ここが・・・ノースポールの町・・・!」
「聞けば、あのサンタクロースの町として有名だそうだ」
「ここは、人間以外にもエルフや獣人などが当たり前のように一緒にいますね、メガロについてきいてみましょう」
キャンベルは石畳の道を行きかう人々に話を聞いてみました。
「ああ、メガロさんね、最初、あのナイトロード軍の幹部だったとわかったときは恐れましたけど、この国の盟主ニコラウス様が、彼が悪人じゃないことを見抜き、この地に住まわせました。それ以来、彼はこのラップランドを脅かす賊徒から、私たちを守ってくれるようになったんです」
「この間も、魔王軍の船が何度かやってきた時も、メガロさんがサンタ・アーケロン号を駆って返り討ちにしたり、その時奪った財産を恵まれない人たちに分け与えたり、この前だって、人さらいの船からとある夫婦を救出して、かくまってあげているんです。」
「それにメガロ殿は、ワシらの様な下々の者にも優しくしてくださる・・・あのお方こそ、本当に偉いお方じゃ・・・!今は、北のポーラー大聖堂におられるはずじゃ!」
「わぁ、真っ白だね」
「へぇ、雪って言うのかこれ、冷てぇ!」ロレンスが地面の雪をすくって言いました。
「そうか、ロレンスさんの故郷は砂漠の国だから、初めて見たんですね」
エルニスたちは雪を踏みしめる音をたてて、スノーラの村がある南東を目指して進みます。しばらく進んでいくと雪がちらつくようになり、やがて激しい吹雪に見舞われました。
「ううっ!なんて風だ!」
「前が見えねぇ!」エルニスたちは両腕で顔をかばいながら進んでいくと、グレイとカナンが雪の上で倒れているのを見つけました。
「グレイとカナンだ!」エルニスとロレンスがかけよると、キャンベルが言いました。
「向こうに村があります、きっとスノーラの村です、そこまで運びましょう!」エルニスはグレイを、ロレンスはカナンを背負って、スノーラ村まで運んでいきました。
スノーラの村はログハウスの家々が立ち並ぶ村で、吹雪なので周りに誰もおらず、屋根は雪をかぶっています。
「あっ!宿屋の看板があります!ここに入りましょう」宿屋の中は暖炉が燃えており、その暖かさが身にしみるようです。
「ふぅ、凍え死ぬかと思ったよ・・・!」
「はい、うちにお泊りですか?」宿屋の女将が話しかけます。
「外で人が倒れていたんです、助けてください!」女将はハッと驚きます。
「あら!大変!そこに使われていない客室があるからそこへ!」
暖炉が燃えている客室のベッドに二人を寝かしつけてしばらくすると、二人はようやく目を開けました。
「ここは・・・どこだ・・・?」
「気が付いたみたいですね、よかった!」キャンベルがかけよります。
「おまえは・・・あの時の・・・お前たちがオレたちを助けてくれたのか・・・?」
「はい、エルニスさんとロレンスさんがかついでくれました」グレイとカナンはキャンベルが作ったポタージュスープで体を温めた後、エルニスが話しかけます。
「いったい、何があったのさ?」カナンが話します。
「私たちは、冬将軍討伐のためにこのラップランドにやってきた、雪原でヤツに会ったから、問答無用で戦いを挑んだが・・・」グレイも拳をたたきつけます。
「ヤツの守りの硬さや放つ冷気にはオレの銃もカナンの格闘術もまるで歯が立たず、我々は命からがら逃げてきたんだ・・・!クソっ!ナイトロードの化け物め!」ここでエルニスが質問をします。
「前から思っていたけど、グレイはなんでそこまで異種族を憎むの?」
「それは・・・オレの恋人ヘレンは・・・魔王軍の化け物に殺されたからだ・・・!それ以来、オレは銃の腕を磨き、やつらに思い知らせてやると決めたんだ・・・!」ここでキャンベルが言いました。
「でも、あなたは魔王軍と関係のない異種族まで殺そうとしましたよね?すべての異種族が悪じゃありませんよ!」
「きれいごとを・・・!お前に何が分かる!?」
「その憎しみの心のせいで、あなたはラグーナで化け物になってしまったんですよ!」
「だまれ!それをいうな・・・がくッ」グレイはその場で倒れてしまいます。
「無理がたたったようだな、とにかく世話になった、ありがとう」カナンは礼を言いました。
「その二人の事は、私に任せてください」二人の事は女将に任せ、エルニスたちは旅を続けることにしました。宿屋のロビーでくつろいでいる人たちの話によれば、ノースポールへは、西にある洞窟を抜ければ近道だと言うことで、吹雪がやんだ後、エルニスたちは洞窟を目指して再び雪原を歩きます。
洞窟を抜けると、そこはレンガの家々が目立つ雪の町でした。
「ここが・・・ノースポールの町・・・!」
「聞けば、あのサンタクロースの町として有名だそうだ」
「ここは、人間以外にもエルフや獣人などが当たり前のように一緒にいますね、メガロについてきいてみましょう」
キャンベルは石畳の道を行きかう人々に話を聞いてみました。
「ああ、メガロさんね、最初、あのナイトロード軍の幹部だったとわかったときは恐れましたけど、この国の盟主ニコラウス様が、彼が悪人じゃないことを見抜き、この地に住まわせました。それ以来、彼はこのラップランドを脅かす賊徒から、私たちを守ってくれるようになったんです」
「この間も、魔王軍の船が何度かやってきた時も、メガロさんがサンタ・アーケロン号を駆って返り討ちにしたり、その時奪った財産を恵まれない人たちに分け与えたり、この前だって、人さらいの船からとある夫婦を救出して、かくまってあげているんです。」
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