44 / 48
8章 魔王軍との決戦
8-1 ナイトロード上陸
しおりを挟む
「よし、出航だ!」船長のメガロと部下であるシルト団員に、エルニスたち三人のほか、テイルとカイン、カナンとグレイ、レミオンや、キャンベルの力になりたいフレイヤがサンタ・アーケロン号に乗り込むと、船は夜明けとともにアクアポートの港を離れ、南西にあるナイトロードを目指します。
普通の船だったら数日かかる距離も、サンタ・アーケロン号は半日足らずで航行します。
「速いね、この船」エルニスは甲板からの景色を見て言いました。
「それはこの船は空を飛べるんですから、速くて当たり前ですよ」
「メガロ、どうしたんだ?」ロレンスは、考え事をしているメガロに言います。
「いや、ナイトロードに残した友の事が心配でな・・・!」
「この船を託してくれたやつか?」メガロはうなずきました。
船室には、テイルとカイン、カナンとグレイが控えています。
「もうすぐナイトロードに着くはずだ・・・テイル、どうしたのさ?」
「・・・ちょっと、父さんの事をね・・・!」テイルは浮かない顔でした。
「まさか・・・オレたちが倒そうとした冬将軍がメガロと同一人物で、ナイトロード軍の幹部(かんぶ)だったとはな・・・!」
「私も予想していなかった・・・!」グレイとカナンも浮かない顔です。
甲板にいたフレイヤが言いました。
「ほら、あそこがナイトロードよ!」荒れる海に浮かぶ、山々に囲まれた孤高の雰囲気を漂わせている大陸に、バンパイアの王家が支配する異種族の国ナイトロードがありました。
船がナイトロードに差しかかると、待ち構えていたかのように、グレゴリーがハーピーや翼竜によく似たワイバーンと言った空を飛ぶモンスターたちを率いて現れました。
「やっぱり来やがったな!?勇者エルニス!」
「グレゴリー!この船を落とす気だ!」
エルニスが身構えると、フレイヤが炎の魔法を放ち、飛んできたモンスターたちを迎え撃ちます。
「ザコは私たちに任せて、あなたはグレゴリーをお願い!」
エルニスは竜の姿になり、白い翼を広げてグレゴリーに向かっていきます。
「今度こそ決着をつけてやる!」
竜に変身したエルニスは、神器の『勇者の帽子』を被り、グレゴリーに向かっていくと、エルニスは上空に飛び上がって落雷のエネルギーを吸収し、グレゴリーは下降し、渦巻く風のエネルギーを吸収します。そして双方の竜はそれぞれ雷と竜巻となり、一気に激突しました。激しい閃光がおさまると、双方の竜は空中で固まったままでしたが、やがてグレゴリーがゆっくりと地に落ちていったのです。
「エルニスさんが勝ちましたよ!」
「さすが勇者だぜ!」エルニスは甲板に戻ってくると、メガロが言いました。
「よし、あの山に近づけ!そこに伸びているアンテナの塔を壊せば、結界が消えるはずだ!」エルニスが電撃でアンテナの塔を壊し、ふもとの平地に船を着陸させました。
「じきにメアリ大統領が集めてきた援軍が駆けつけることになっている、牢の人質を救出するぞ!」
山の洞窟に入ると中は牢獄になっており、ロレンスは斧で牢屋の扉を壊すと、中には人間のほか、ゴブリンやハーピーなどの異種族の者たちもたくさん閉じ込められていたのです。
「ああ、助かった!」
「私たちは、捕虜として捕まり、ボロボロになるまで働かされました。そして、ケガをして働けないと言うと、ここに閉じ込められ・・・!もう少しで、怪物のエサになるところでした・・・」
「オレはナイトロードの兵士だったが、仲間がケガをしているのにも関わらず働かせるものだから、それに異を唱えたら、ここに閉じ込められてしまった・・・王は変わってしまった・・・!」
「アタシは今のナイトロードにうんざりして、脱走を試みたら、ここに入れられてしまったの・・・!」
「魔王め・・・!弱ったものを手当てもせずにこんな汚いところに・・・!」ほどなくして、メアリ大統領に呼ばれた援軍の兵士たちがやってきました。
「おお、皆さんまだ無事だ!よし、けが人を船まで運んでくれ!」ケガ人たちは、兵士たちに助け出されました。
援軍の兵士とナイトロードの兵士たちは、そのまま町に攻め入ってくれたおかげで、町の警備が手薄になり、難なく城までたどり着くことができました。
普通の船だったら数日かかる距離も、サンタ・アーケロン号は半日足らずで航行します。
「速いね、この船」エルニスは甲板からの景色を見て言いました。
「それはこの船は空を飛べるんですから、速くて当たり前ですよ」
「メガロ、どうしたんだ?」ロレンスは、考え事をしているメガロに言います。
「いや、ナイトロードに残した友の事が心配でな・・・!」
「この船を託してくれたやつか?」メガロはうなずきました。
船室には、テイルとカイン、カナンとグレイが控えています。
「もうすぐナイトロードに着くはずだ・・・テイル、どうしたのさ?」
「・・・ちょっと、父さんの事をね・・・!」テイルは浮かない顔でした。
「まさか・・・オレたちが倒そうとした冬将軍がメガロと同一人物で、ナイトロード軍の幹部(かんぶ)だったとはな・・・!」
「私も予想していなかった・・・!」グレイとカナンも浮かない顔です。
甲板にいたフレイヤが言いました。
「ほら、あそこがナイトロードよ!」荒れる海に浮かぶ、山々に囲まれた孤高の雰囲気を漂わせている大陸に、バンパイアの王家が支配する異種族の国ナイトロードがありました。
船がナイトロードに差しかかると、待ち構えていたかのように、グレゴリーがハーピーや翼竜によく似たワイバーンと言った空を飛ぶモンスターたちを率いて現れました。
「やっぱり来やがったな!?勇者エルニス!」
「グレゴリー!この船を落とす気だ!」
エルニスが身構えると、フレイヤが炎の魔法を放ち、飛んできたモンスターたちを迎え撃ちます。
「ザコは私たちに任せて、あなたはグレゴリーをお願い!」
エルニスは竜の姿になり、白い翼を広げてグレゴリーに向かっていきます。
「今度こそ決着をつけてやる!」
竜に変身したエルニスは、神器の『勇者の帽子』を被り、グレゴリーに向かっていくと、エルニスは上空に飛び上がって落雷のエネルギーを吸収し、グレゴリーは下降し、渦巻く風のエネルギーを吸収します。そして双方の竜はそれぞれ雷と竜巻となり、一気に激突しました。激しい閃光がおさまると、双方の竜は空中で固まったままでしたが、やがてグレゴリーがゆっくりと地に落ちていったのです。
「エルニスさんが勝ちましたよ!」
「さすが勇者だぜ!」エルニスは甲板に戻ってくると、メガロが言いました。
「よし、あの山に近づけ!そこに伸びているアンテナの塔を壊せば、結界が消えるはずだ!」エルニスが電撃でアンテナの塔を壊し、ふもとの平地に船を着陸させました。
「じきにメアリ大統領が集めてきた援軍が駆けつけることになっている、牢の人質を救出するぞ!」
山の洞窟に入ると中は牢獄になっており、ロレンスは斧で牢屋の扉を壊すと、中には人間のほか、ゴブリンやハーピーなどの異種族の者たちもたくさん閉じ込められていたのです。
「ああ、助かった!」
「私たちは、捕虜として捕まり、ボロボロになるまで働かされました。そして、ケガをして働けないと言うと、ここに閉じ込められ・・・!もう少しで、怪物のエサになるところでした・・・」
「オレはナイトロードの兵士だったが、仲間がケガをしているのにも関わらず働かせるものだから、それに異を唱えたら、ここに閉じ込められてしまった・・・王は変わってしまった・・・!」
「アタシは今のナイトロードにうんざりして、脱走を試みたら、ここに入れられてしまったの・・・!」
「魔王め・・・!弱ったものを手当てもせずにこんな汚いところに・・・!」ほどなくして、メアリ大統領に呼ばれた援軍の兵士たちがやってきました。
「おお、皆さんまだ無事だ!よし、けが人を船まで運んでくれ!」ケガ人たちは、兵士たちに助け出されました。
援軍の兵士とナイトロードの兵士たちは、そのまま町に攻め入ってくれたおかげで、町の警備が手薄になり、難なく城までたどり着くことができました。
0
あなたにおすすめの小説
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
大事なのは最後まで諦めないこと——and take a chance!
(also @ なろう)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる