『マスターは静かに紅茶を淹れる』

Gaku

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第15話:刑事の十字架・後編『流星の鎮魂歌(レクイエム)』

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 夜が、明ける。
 あれほどまでに猛威を振るった台風は、まるで悪夢そのものが過ぎ去ったかのように、嘘のような静けさを残して、東の海上へと去っていった。空は、洗い清められたガラスのように澄み渡り、東の地平線が、じわり、と、インクのにじむような深い藍色から、希望を予感させる優しい茜色へと、その表情を変え始めている。
 街は、まだ眠りの中だ。
 嵐に洗われたアスファルトは、鏡のように、街灯の最後の光と、空の最初の光を映し出している。道端の水たまりが、夜空に残った星々を閉じ込めて、きらきらと輝いていた。ひやりとした、清浄な空気。その中には、雨に濡れた土の匂いと、オゾンの微かな匂い、そして、新しい一日が始まる前の、静謐な気配だけが満ちている。
 一台のセダンが、その静寂を破るように、都心にそびえ立つタワーマンションの前に、静かに停車した。
 降り立ったのは、権藤、誠、そして玲子の三人だった。他のメンバーは、カフェ「エニグマ」で、後方支援と、そして、ただ、祈るようにして彼らの帰りを待っている。
 マンションのエントランスは、まるで高級ホテルのロビーのように、無機質で、そして完璧だった。大理石の床は、一点の曇りもなく磨き上げられ、間接照明の柔らかな光を、冷ややかに反射している。彼らの足音だけが、やけに大きく、その完璧な静寂の中に響き渡った。
 エレベーターが、音もなく上昇していく。誠は、ガラスの壁の向こうに、夜明けの光を浴びて、ゆっくりと姿を現していく東京の街並みを、ただ、黙って見つめていた。心臓が、まるで自分の意志とは無関係に、ドク、ドク、と、大きく脈打っている。
 最上階。ペントハウスのドアの前に、彼らは立った。
 権藤は、インターホンを押すでもなく、ただ、静かにドアを見つめている。
 やがて、内側から、カチャリ、と鍵の開く音がした。
 扉が、ゆっくりと、内側へと開かれる。
 そこに立っていたのは、一人の青年だった。
 年は、30歳前後。高価で、仕立ての良いシャツを身につけ、その髪は、寸分の乱れもなく整えられている。その顔立ちは、知的で、穏やかでさえあった。
 だが、その瞳の奥には、常人には到底理解できない、深く、そして、冷たい闇が広がっている。
 彼こそが、この10年、権藤を縛り付けてきた亡霊の、正体。
「…お待ちしておりました、権藤警部殿」
 青年――桐谷(きりや)は、薄い笑みを浮かべて言った。「いえ、今は、ただの権藤吾郎さん、でしたかな」
 部屋の中は、その外見と同じく、完璧で、そして、魂が感じられない空間だった。白を基調とした、ミニマルなインテリア。壁には、抽象的な現代アート。窓の外には、神の視点から見下ろすかのような、東京の絶景が広がっている。
 だが、その完璧な部屋の中心に、不釣り合いなモニター群が、祭壇のように設置されていた。
「私の“庭”へようこそ」
 桐谷は、芝居がかった仕草で、両手を広げた。
「10年という歳月は、私の芸術を完成させるのに、十分な時間でした。警察という、凡庸なシステムの諸君には、私の描いたこの美しい方程式が、最後まで解けなかったようですがね」
 彼は、心底楽しそうに、そして、軽蔑するように笑った。
「あなたは、どうでしたか、権藤さん? あなたのせいで道を踏み外し、人生を棒に振った、哀れな元刑事の気分は」
 権藤は、答えない。ただ、じっと、射抜くような目で、桐谷を見つめている。
 桐谷は、一つのモニターを指さした。
 そこに映し出されていたのは、簡素な、小さな部屋。壁も、床も、すべてが真っ白な、無機質な空間。
 その隅で、一人の少年が、膝を抱えて、うずくまっていた。年は、10歳くらいだろうか。その目は、何かに怯えるように、大きく見開かれている。
「…サキちゃんは、どこだ」
 権藤が、低い声で、初めて口を開いた。
「倉田サキは、どこにいる」
「サキ? ああ、最後の“蕾”のことですか」
 桐谷は、くつくつと喉を鳴らして笑った。
「残念ながら、彼女は、もう、どこにもいませんよ。物理的な意味ではね。ですが、彼女の“情報”は、私の庭で、永遠に咲き続ける。この子のようにね」
 彼は、モニターの少年を指さした。
 その時、誠の耳につけた、小さなイヤホンから、ジェンの、押し殺したような声が聞こえてきた。
『…誠さん、聞こえますか。その映像は、リアルタイムのビデオフィードではありません。量子コンピュータによって生成された、リアルタイムCGです。少年の動きは、事前にプログラムされたものではない。恐怖を感じる子供の心理状態を、完璧にシミュレートした、自己学習型AIによって、制御されています…!』
 続いて、玲子の、静かな声が響く。
『…それだけでは、ありません。そのAIの、根幹をなす論理構造…。それは、桐谷さん自身の、幼少期の記憶と、心理データから、構築されています。彼が作り出したのは、被害者の幻影ではない。彼が作り出したのは…』
 ――彼自身の、罪悪感そのもの。
 ――父親に、認められたかった、幼い頃の、自分自身の、情報的ゴースト。
「なぜだ」
 権藤が、絞り出すように、言った。
「なぜ、こんなことをした…! お前の父親は…佐藤は、俺の、最高の相棒だった…!」
 その言葉に、桐谷の、穏やかだった仮面が、初めて、ピシリ、と音を立ててひび割れた。
「…その名を、その汚れた口で呼ぶなッ!!」
 桐谷の顔が、憎悪と、そして、深い悲しみで、醜く歪む。
「あなたが! あなたが、父を殺したんだ!」
 彼は、叫んだ。
「あなたの、その、狂気じみた捜査が、父を追い詰めた! 寝る間も惜しんで、ボロボロになって…! いつも、あなたの無茶な要求に応えていた! あなたがいなければ、父は、あんなにあっけなく、死ぬことなんてなかったんだ!」
 それは、10年間、彼の心の中で、熟成され、増幅され続けた、子供の、純粋で、そして、あまりにも歪んだ、思い込みだった。
「私は、証明したかった。父よりも、そして、父を殺したあなたよりも、私のほうが、ずっと、ずっと、優れているのだと! この、完璧な犯罪計画(ゲーム)で、あなたを、絶望の底に叩き落として、初めて、父の無念が晴らせるのだと!」
 桐谷は、狂ったように、笑い続けた。
 その、あまりにも悲しい、独白。
 権藤は、ただ、黙って、それを受け止めていた。彼の顔には、怒りも、憎しみも、なかった。
 そこにあったのは、ただ、深い、深い、慈悲にも似た、悲しみの色だけだった。
 やがて、桐谷が、笑い疲れて、ぜえ、ぜえ、と肩で息をし始めた時。
 権藤は、静かに、口を開いた。
「…違うぞ、桐谷」
 その声は、驚くほど、穏やかだった。
「お前の親父を、追い詰めていたのは、俺じゃない。逆だ。あいつが、俺を、最後まで支えてくれていたんだ」
 権藤は、まるで、遠い日のことを、昨日のことのように、語り始めた。
「あの事件の時、俺は、とっくに心が折れていた。犯人の尻尾すら掴めず、上からは突き上げられ、マスコミには叩かれる。俺は、もう、辞めようと思っていた。だが、あいつだけが、諦めていなかった」
 権藤の脳裏に、10年前の、あの最後の夜が、鮮やかに蘇る。
 冷たい雨が降る、張り込みの車内。二人の刑事。
「『権藤さん、もう少しです。必ず、ホシは動く。俺には、分かります』」
 権藤は、亡き相棒の口調を、完璧に真似てみせた。
「『俺が諦めてどうするんですか。俺たちが諦めたら、あの子たちは、どこに帰ればいいんですか』…そう言って、俺の背中を叩いたのは、お前の親父の方だったんだ」
 桐谷は、言葉を失い、ただ、呆然と権藤を見つめている。
「そしてな…」
 権藤は、続けた。その目から、一筋、涙がこぼれ落ちた。
 誠は、初めて見た。この、だらしなくて、強くて、どうしようもない男の、涙を。
「あいつが…倒れる直前、何て言ってたか、教えてやろうか」
 権藤の声は、震えていた。
「あいつはな、捜査の話なんか、してなかった。お前の話をしてたんだよ」
「…え…」
「『権藤さん、このヤマが終わったら、俺、息子と、釣りに行くんですよ。最近、全然、遊んでやれてなくて…。あいつ、いい子なんです。頭もいいし、優しいし…。俺には、もったいないくらい、自慢の息子なんですよ』…ってな」
 権Git は、桐谷の、目の前に、ゆっくりと歩み寄った。
「お前の親父はな、俺のせいで死んだんじゃない。お前のことを考えながら、お前のことを、誇りに思いながら、逝ったんだよ」
 権藤は、桐谷の肩を、そっと掴んだ。
「俺の方が…俺の方が、すまなかった…。相棒の最後の事件(ヤマ)を、解決してやれなかった…。そして、たった一人の息子に…親父が、どれだけお前を愛していたか、伝えてやることも、できなかった…。本当に…すまなかった…!」
 桐谷の、瞳から、みるみると、憎しみの色が消えていく。
 その後に残ったのは、10年間、出口を見つけられずに彷徨い続けた、子供の、ただ、純粋な、悲しみだけだった。
 彼の作り上げた、完璧な犯罪計画は、その土台から、ガラガラと、音を立てて崩れ落ちていく。
 モニターに映っていた、怯える少年の「情報的ゴースト」が、ふっと、陽炎のように揺らめき、そして、静かに、消えた。
「…あ…」
 桐谷の口から、意味にならない声が漏れる。
「…あ…ああ…うわああああああああああっ!」
 彼は、その場に、崩れ落ちた。
 そして、まるで、父親の名を呼ぶかのように、子供のように、声を上げて、泣き続けた。
 やがて、駆け込んできた村田たちの手によって、桐谷は、静かに連行されていった。彼は、もう、何の抵抗もしなかった。
 嵐は、完全に、過ぎ去っていた。
 夜明けの、最初の光が、ガラス窓を通して、がらんとした、完璧な部屋の中に、長い光の筋を描き出していた。
 誠と玲子は、ただ、黙って、窓のそばに立つ権藤の、その背中を見つめていた。
 権藤は、ゆっくりと、自分の両手で、顔を覆った。
 その、広い肩が、小さく、小刻みに、震えている。
 最初は、嗚咽を漏らすだけだった。
 だが、やがて、彼は、その場に、うずくまった。
 そして、声を殺すこともせず、ただ、ひたすらに、泣き続けた。
 10年間、心の奥底に封じ込めてきた、相棒への想い。救えなかった少女たちへの、贖罪。そして、自分自身を、ずっと、ずっと、許せなかった、その悲しみ。
 全ての感情が、濁流となって、彼の魂を洗い流していく。
 誠も、玲子も、何も言わなかった。
 ただ、静かに、そこにいるだけだった。
 一人の、不器用で、優しくて、どうしようもない男が、十年という長い夜を終え、ようやく、朝を迎えるのを、ただ、静かに、見守っていた。
 流星のように、激しく、そして、あまりにも切なく生きた、刑事の魂への、鎮魂歌のように。
 夜明けの光は、ただ、優しく、彼らを包み込んでいた。



 解説編

 小説『マスターは静かに紅茶を淹れる』第十五話の真相について、詳しく解説します。
 あの物語は、一言で言うと**「権藤が10年間背負い続けた十字架の、あまりにも悲しい真相が明らかになり、そして、憎しみではなく、真実の言葉によって、全ての魂が救済される、涙なくしては読めない鎮魂歌(レクイエム)」**でした。
 このエピソードは、権藤の過去を巡る物語の、完全なクライマックスであり、解決編です。
 1. 犯人の「動機」:父を想うが故の、歪んだ復讐
 まず、この10年にわたる事件の犯人、桐谷の正体と動機が明らかになりました。
  * 正体: 彼は、10年前の捜査中に殉職した、権藤の相棒刑事・佐藤の一人息子でした。
  * 動機: 彼は、父の死の原因が、権藤の無茶で強引な捜査のせいだと、深く、そして、ずっと、思い込んでいました。尊敬する英雄だった父を奪った権藤への、10年越しの復讐。それが、この事件の全ての始まりでした。彼は、父が解けなかった事件を、父より、そして権藤よりも、遥かに優れた方法で「解決」してみせることで、自らの優位性を示し、権藤に、父と同じ絶望を味わわせようとしたのです。
 2. 「最後の被害者」の真相:犯人自身の「情報的ゴースト」
 そして、犯人が「まだ生きている」と主張した最後の被害者。
 その正体は、誘拐された少女などではなく、桐谷自身が、自らの量子コンピュータネットワーク『AMATERASU』を使って作り出した、**彼自身の、幼い頃の姿を模した「情報的ゴースト」**でした。
 それは、彼が心の奥底に封じ込めていた、
  * 「父親に認められたかった」という、子供の頃の切ない願い。
  * 「父親を救えなかった」という、深い罪悪感。
    そのものが、実体化した幻影だったのです。彼は、復讐のゲームの駒として、自分自身の、最も脆く、純粋な部分を、人質に取っていたのです。
 3. 解決策:権藤の「言葉」という名の鎮魂歌
 この、憎しみと悲しみが複雑に絡み合った事件を、最終的に解決したのは、暴力でも、逮捕劇でもありませんでした。
 それは、権藤吾郎の、たった一つの**「真実の言葉」**でした。
 追い詰められた桐谷に対し、権藤は、彼が信じてきた「物語」を、根底から覆す、真実を語りました。
 それは、亡き相棒・佐藤が、殉職する直前に、権藤に語っていた言葉。
「息子は、俺の自慢だ」
「この事件が終わったら、あいつと、釣りに行くんだ」
 という、息子への、どうしようもない愛情の言葉でした。
 権藤は、父の本当の想いを、10年の時を経て、ようやく息子に届けたのです。
 そして、自分自身の罪――相棒を救えなかったこと、そして、この真実を、今まで伝えられなかったこと――を、涙ながらに、桐谷に謝罪しました。
 この、憎しみの相手からの、予想だにしなかった「真実」と「謝罪」の言葉が、桐谷の、10年間の憎悪に固められた心の壁を、完全に破壊しました。
 彼の作り出した復讐のゲームは、その意味を失い、情報的ゴーストも、役目を終えたかのように、静かに消滅していきました。
 結論:全ての魂への鎮魂歌
 以上のことから、第十五話の事件は、
「父の死を誤解し、復讐の鬼と化した青年が、父の本当の愛情を知ることで、憎しみの連鎖から解放される物語。そして、相棒の死と、事件を解決できなかったという罪悪感に、10年間囚われ続けてきた元刑事・権藤が、真実を伝えることで、自らの魂をも救済した、壮大な鎮魂歌(レクイエム)だった」
 ということになります。
 このエピソードは、この物語が持つ「優しさ」の、一つの到達点です。
 どんなにこじれた悪意や憎しみも、その根源には、悲しみや、誰かを想う愛情がある。そして、その連鎖を断ち切ることができるのは、力の行使ではなく、ただ、誠実な、心からの「言葉」だけである、ということを、鮮やかに描き出しました。
 事件が解決し、全てから解放された権藤が、子供のように泣きじゃくるラストシーンは、彼が、ようやく、10年間の長い長いトンネルから抜け出し、本当の意味で、再び朝を迎えることができた、感動の瞬間だったのです。

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