7 / 18
6
しおりを挟む
ウィルに案内された、これから私の自室になる部屋は、日本のスイートルームのように広くて、豪華だった。
まず、部屋の中に玄関がある。そして、玄関ホールがある。この空間が、すでに広い。日本の自宅の部屋と変わらないくらいの大きさだ。そして、右の通路からリビングルーム。ここも広い。テーブルが三つ置かれているのに、まだ余裕がある広さ。この国に友人も客人もいない私には、テーブル三つも必要ないのに。奥には、まだリビングルームがあった。リビングが二つ!おまけに客室まであった。どれだけ一つの部屋に部屋を何個も入れてるんだって感じ。もう、この時点で大きすぎる。広すぎる。そして、ガラスの仕切りに囲まれたラブホ並みにスケスケのバスルーム。トイレが別室なのはありがたいけど、これまた広い。トイレにこんな広い空間必要ある?って感じに広い。
そして、ベッドルーム。私が三人いても余裕はある特大ベッド。
それから、まぁ色々と、ここら辺は割合する。
凄いなぁ。広いなぁ。豪華だなぁ。
それが私の感想だった。
この部屋も、何日かすれば慣れるのだろうか。
「私がこんな広い部屋使って大丈夫?」
「仮にも聖女様だからね。大丈夫だよ。それより狭くない?ほかに必要なものがあったら、用意させるけど」
「最初に広いって言ってるじゃない。これで、狭いって言ったらどうするの」
「そりゃあ、もっと広い部屋を用意させるよ」
「これより広い部屋があるの!!???」
「あるよ。そこにする?」
「しないよ!」
「ふふ」
これでも広いのに、さらに広い部屋が存在することに驚いた。
一体、どんな風に使うんだ。
広けりゃいいってもんでもない。
「着替えもあるし、歯ブラシ…タオル…アメニティばっちりだ…すごい!高級ホテルみたいだ!」
「王宮だよ」
「こんな豪華なホテルに泊まったの初めて」
「王宮だよ」
「そういえば、ご飯って、どこで食べればいいの?食堂?」
「使用人が持ってきてくれるよ。そこの通話機を使えば、担当の人間が出てきてくれるから、必要なものがあったら、頼めるよ」
「通話機」
通話機というと、電話のようなものかと思ったけど、形は、壁掛け鏡に似ている。
前に立っても自分の姿はうつらないから鏡ではないのだけど。
「こうやって使うんだ」
ウィルが鏡部分を指でなぞった。何かの文字を書き、なぞられた部分が淡く光る。
そして、「ご用件はなんでしょうか」と、女性の顔が現れた。
「ごめん。用件はないんだ。使い方を教えたくてね」
「さようでしたか」
「うん。邪魔してごめん」
「いつでもお呼びください」
そう言って、女性の顔が消えて、またなにもうつらくなった。
「こうやって使うんだ」
「へぇ。ウィルの部屋にもつながるの?」
「うん。あとで、文字を教えるよ」
「お願い」
本当に魔法が存在している世界なんだな。
でも、人の顔が出てくるのは、少しイヤかもな。電話みたいに声だけだったら、まだ気はラクなんだけど。もしくはメールみたいに文字だけのやりとりのほうがありがたいんだけどな。
「ねぇ。これって文字だけって出来ないの?」
「文字だけ?変なこと聞くね。できないけど」
「変なところ不便なのね」
「文字だけのほうが変じゃない?手紙じゃないのに」
「う~ん。感覚の違い……」
まず、部屋の中に玄関がある。そして、玄関ホールがある。この空間が、すでに広い。日本の自宅の部屋と変わらないくらいの大きさだ。そして、右の通路からリビングルーム。ここも広い。テーブルが三つ置かれているのに、まだ余裕がある広さ。この国に友人も客人もいない私には、テーブル三つも必要ないのに。奥には、まだリビングルームがあった。リビングが二つ!おまけに客室まであった。どれだけ一つの部屋に部屋を何個も入れてるんだって感じ。もう、この時点で大きすぎる。広すぎる。そして、ガラスの仕切りに囲まれたラブホ並みにスケスケのバスルーム。トイレが別室なのはありがたいけど、これまた広い。トイレにこんな広い空間必要ある?って感じに広い。
そして、ベッドルーム。私が三人いても余裕はある特大ベッド。
それから、まぁ色々と、ここら辺は割合する。
凄いなぁ。広いなぁ。豪華だなぁ。
それが私の感想だった。
この部屋も、何日かすれば慣れるのだろうか。
「私がこんな広い部屋使って大丈夫?」
「仮にも聖女様だからね。大丈夫だよ。それより狭くない?ほかに必要なものがあったら、用意させるけど」
「最初に広いって言ってるじゃない。これで、狭いって言ったらどうするの」
「そりゃあ、もっと広い部屋を用意させるよ」
「これより広い部屋があるの!!???」
「あるよ。そこにする?」
「しないよ!」
「ふふ」
これでも広いのに、さらに広い部屋が存在することに驚いた。
一体、どんな風に使うんだ。
広けりゃいいってもんでもない。
「着替えもあるし、歯ブラシ…タオル…アメニティばっちりだ…すごい!高級ホテルみたいだ!」
「王宮だよ」
「こんな豪華なホテルに泊まったの初めて」
「王宮だよ」
「そういえば、ご飯って、どこで食べればいいの?食堂?」
「使用人が持ってきてくれるよ。そこの通話機を使えば、担当の人間が出てきてくれるから、必要なものがあったら、頼めるよ」
「通話機」
通話機というと、電話のようなものかと思ったけど、形は、壁掛け鏡に似ている。
前に立っても自分の姿はうつらないから鏡ではないのだけど。
「こうやって使うんだ」
ウィルが鏡部分を指でなぞった。何かの文字を書き、なぞられた部分が淡く光る。
そして、「ご用件はなんでしょうか」と、女性の顔が現れた。
「ごめん。用件はないんだ。使い方を教えたくてね」
「さようでしたか」
「うん。邪魔してごめん」
「いつでもお呼びください」
そう言って、女性の顔が消えて、またなにもうつらくなった。
「こうやって使うんだ」
「へぇ。ウィルの部屋にもつながるの?」
「うん。あとで、文字を教えるよ」
「お願い」
本当に魔法が存在している世界なんだな。
でも、人の顔が出てくるのは、少しイヤかもな。電話みたいに声だけだったら、まだ気はラクなんだけど。もしくはメールみたいに文字だけのやりとりのほうがありがたいんだけどな。
「ねぇ。これって文字だけって出来ないの?」
「文字だけ?変なこと聞くね。できないけど」
「変なところ不便なのね」
「文字だけのほうが変じゃない?手紙じゃないのに」
「う~ん。感覚の違い……」
144
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる