78 / 80
お姉様、押されまくる。
しおりを挟む急いで馬車に乗り込まされて、王城に向かう。
また魔物の襲撃があったのかしら。
もしそうなら今までになく大規模だったといことになるわ。
招集がかかるほどの緊急事態は今までなかったもの。
城へ到着すると、緊急事態なことが慌ただしい騎士たちの様子からして見て取れる。
「令嬢、こちらです。」
「はい。」
会議室まで通されるとそこには軍部の主要な方たちが揃っていた。
「やあ、リビア嬢。」
「バッツドルク卿もいらしていたんですね。」
「もう恋人同士なんだからドルクと呼んでくれ。」
そう言ってお決まりのウインクをする彼に私は心の中呆れながらも、この状況下でこの人の軽さは変わらないのが安心感を感じてしまう。
「分かりました、ドルク。
でも公共の場では今まで通りでお願いします。
こういった私的の事情を言いふらすのは好きではないですので。」
「ああ、分かったよ。
でも残念だな。君をデートに誘いたかったのに、何か知らないがそれどころではなくなったようだ。」
「まあ、デートならいつでもできますわ。」
すると、ドルクは私の耳元で、
「僕は君の唇を早く味わいたいから言っているんだけどな。」
色っぽく囁いてみせた。
「……一度だけですから。」
「それはどうかな。君からもう一度ってせがむ可能性もあるかもしれないよ。
だって、まだした事ないんでしょ?」
「した事は……ないですけど、ないですがこんなところでそんな話をしないでくださいっ。
誰かに聞かれたらどうするんですか。」
「僕は何もかまわないけど。」
……ええ、貴方はそういう人よね。
「でも君は気にする相手がいるのかな。
たとえば、あそこにいる漆黒の騎士様とかね。」
そういうドルクの視線を追うと、そこには資料と睨み合いをしながら第二王子殿下と話し合いをしているギルバートの姿があった。
85
あなたにおすすめの小説
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
まあ、いいか
棗
恋愛
ポンコツ令嬢ジューリアがそう思えるのは尊き人外である彼のお陰。
彼がいれば毎日は楽しく過ごせる。
※「殿下が好きなのは私だった」「強い祝福が原因だった」と同じ世界観です。
※なろうさんにも公開しています。
※2023/5/27連載版開始します。短編とはかなり内容が異なります。
断罪前に“悪役"令嬢は、姿を消した。
パリパリかぷちーの
恋愛
高貴な公爵令嬢ティアラ。
将来の王妃候補とされてきたが、ある日、学園で「悪役令嬢」と呼ばれるようになり、理不尽な噂に追いつめられる。
平民出身のヒロインに嫉妬して、陥れようとしている。
根も葉もない悪評が広まる中、ティアラは学園から姿を消してしまう。
その突然の失踪に、大騒ぎ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる