二度とお姉様と呼ばないで〜婚約破棄される前にそちらの浮気現場を公開させていただきます〜

雑煮

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お姉様、押されまくる。

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急いで馬車に乗り込まされて、王城に向かう。


また魔物の襲撃があったのかしら。

もしそうなら今までになく大規模だったといことになるわ。
招集がかかるほどの緊急事態は今までなかったもの。



城へ到着すると、緊急事態なことが慌ただしい騎士たちの様子からして見て取れる。




「令嬢、こちらです。」

「はい。」


会議室まで通されるとそこには軍部の主要な方たちが揃っていた。




「やあ、リビア嬢。」


「バッツドルク卿もいらしていたんですね。」


「もう恋人同士なんだからドルクと呼んでくれ。」


そう言ってお決まりのウインクをする彼に私は心の中呆れながらも、この状況下でこの人の軽さは変わらないのが安心感を感じてしまう。



「分かりました、ドルク。

でも公共の場では今まで通りでお願いします。
こういった私的の事情を言いふらすのは好きではないですので。」


「ああ、分かったよ。
でも残念だな。君をデートに誘いたかったのに、何か知らないがそれどころではなくなったようだ。」


「まあ、デートならいつでもできますわ。」



すると、ドルクは私の耳元で、 

「僕は君の唇を早く味わいたいから言っているんだけどな。」

色っぽく囁いてみせた。



「……一度だけですから。」


「それはどうかな。君からもう一度ってせがむ可能性もあるかもしれないよ。

だって、まだした事ないんでしょ?」



「した事は……ないですけど、ないですがこんなところでそんな話をしないでくださいっ。

誰かに聞かれたらどうするんですか。」



「僕は何もかまわないけど。」



……ええ、貴方はそういう人よね。



「でも君は気にする相手がいるのかな。

たとえば、あそこにいる漆黒の騎士様とかね。」



そういうドルクの視線を追うと、そこには資料と睨み合いをしながら第二王子殿下と話し合いをしているギルバートの姿があった。


  

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