魔女と箒と黒猫と

「凛果。みんな見てるよ。挨拶して」
「みんな?一体どこの誰? 」
「凛果にはわからないかもしれないけど、今もたくさんの人が僕らのことを見てるんだ」
「たくさん?またジルの訳わかんない話しが始まった。周りに誰もいないじゃない」
「凛果。何度も言うけど、この世の中は誰かの空想みたいなものなのさ。凛果と僕、いや、この世界の存在全ては認識する存在がいて初めて成り立つんだ」
「それは前にも聞いたわ。でもそれが真実なら私達は自分の意思で考えたり、しゃべっていないことにならない?」
「凛果?朝から変なもの食べたでしょ 」
「変なもの?朝はパンと紅茶だったかな」
「おかしいな…変なもの食べてもいないのに、凛果が難しい話を理解してる」
「そりゃ何回もジルの話を聞いていたら、嫌でも覚えるわよ」
「なら、話しは早い。さあ、挨拶して」
「嫌よ。誰もいないのに挨拶してたら馬鹿みたいじゃない」
「おう。お前ら朝から仲いいな。」
「なんだ、甚八か」
「凛果。「なんだ」は無いだろう。俺はお前より年上だぞ。今年で36だ」
「関係無いわ。私達の助けがなかったらあなた今頃…」
「あーうるせーうるせー。ジル、お前も見てないで何とか言ってくれ」
「甚八が勝手に絡んできたんだと思うよ? 」
「うぐっ…あーおまえもそういう事言うか?まったくお前らはいいコンビだな」
「ところで、甚八」
「何だよ凛果。年上だって言ってんだろう。「甚八さん」って言っても良いんだぞ? 」
「帰る方法見つかったの? 」
「う…まだだ。大体どうやって来たかもわからんのに、帰る方法なんて皆目見当も付かんよ」
「そっか。あと、「勇者サマ」って何人ぐらいいるの? 」
「あー今思い出しても恥ずかしいな…。うーんたくさんいると思う」
「数えられないほどってこと?」
「そうだなあ。流行ってたからな。「異世界」とか「勇者」とか」
「凛果忙しくなるね。頑張ろう」
「ジルは呑気で良いわねって、授業が始まっちゃうじゃない! 甚八またね」
「ったく、俺は年上だって何回言えば…」

…そんなお話です。
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