FLOWORLD~美しさの持ち主~

まさのりくん

文字の大きさ
20 / 25
壱の章 最西端軍事国家キギス

弐什 和

しおりを挟む
弐什. 『ノドカ


 キギス城北西に位置するホウセンカ家の屋敷。僕がこの屋敷の家僕になって四か月という時間が過ぎた。この屋敷には僕以外にも家僕が多くいたけど、地下室のサツキ様たちに仕える僕は彼らと一緒に行動することがまずなかった。それで僕は同じ家僕の人たちよりもサツキ様とノドカ様の方が仲が良かった。

 サツキ様はホオズキ様の内妻だった。普段なら屋敷の個室で暮らしているはずだけど、ホオズキ様の社会的地位やサツキ様は敵国のケイリンから来た神族しんぞくだという立場もあって地下室で暮らすようになったという。娘の和様も同じく。

 屋敷には正妻のアザミ様とその息子クチナシ様がいる。アザミ様はサツキ様が屋敷に来ることをすごく反対していたらしいけど、ホオズキ様はその反対をよそにサツキ様を屋敷に連れてきてサツキ様のことを憎んでいる。

 クチナシ様はホオズキ様に次ぐキギスが誇る武将だけど、彼が喋っていることは一度も見たことなかった。同じ屋敷にいながらも謎だらけの男だった。

 ある日、僕がサツキ様たちのために厨房から地下室へ料理を運んでいるとアザミ様と出会した。

「そこ!こっちに。」
「は、はい!」

 僕は料理を盛ったお盆を持ったままアザミ様のところへ駆けつけた。すると、アザミ様は右手で僕のお盆を打ち落とす。そのせいで料理が全て地べたに落ちた。

「あんな動物以下の尼たちには食い物ももったいない!」
「そ、そんな…。」

パチン!

 アザミ様は僕の左頬を強く引っ叩いた。

「下民の分際でわらわに口答えするでない!」
「も、申し訳ありません…。」

 僕は地面に這いつくばって土下座をする。すると、アザミ様は僕を踏みつけながら言った。

「お前がこんな仕打ちを受ける理由は全てあの尼たちのせいだ。」
「あの方達はとても優しい方ですよ…。」
「黙るのだ!あいつらのせいでホオズキはわらわに目もくれなくなった。あの尼さえ現れなければ!あの尼さえこの屋敷に来なければ!」

 アザミ様の踏みつけはだんだん怒りがこもって強くなっていった。僕は地面に這いつくばったまま踏みつけられ続けた。砂塗れになった体に血が滲んでいくと後ろから男の声が聞こえた。

「そこまでしてください。お姐さん。」

 蹲っていた僕が後ろを向けるとホオズキ様が若返ったような顔つきの少年がサツキ様とはまた違う異国の衣装を着て立っていた。

「ちっ、戻ってきたのか、ホオノキ。」
「やあ、相変わらず弱いものいじめですな、アザミお姐さんは。ハハッ。」
「久々会うお姐さんにしっ失敬であるぞ?」

 さっきまで乱暴に僕を踏みつけていたアザミ様は急に顔を赤らめてモジモジしながら紫色の髪を弄る。

——いったい二人はどんな関係なんだ…?あの人は誰だろう…。

 ホオノキという人はアザミ様を部屋に帰らせた。そして地面に這いつくばっていた僕に手を差し伸べる。

「大丈夫かい?見ない顔だね。新しく入った子かな?」
「は、はい…。新しいと言っても四か月も経っていますけどね…。」

 その男の人の手を握ると僕を引っ張り起こしてくれた。

「ハハッ、そうか。俺はホオノキだ。ホオズキの兄貴は元気かい?」
「ホオズキ兄貴って…ひょっとしてホオズキ様の弟ぎみですか?」
「そうそう。でも二年間海の向こうにあるロンジンって国で留学をしてたからね。あれ以来まだ会ってないんだ。」

——どおりで今まで一度も屋敷で見たことがなかったんだ…。

「え、ではただ今キギスにお戻りになったんですか?」
「ああ、二年ぶりに帰ってきたというのに屋敷に誰もいないなんてね。みんなも相変わらず忙しそうだ。」

 ホオノキ様は

「あ、そうだ!君、名前は?」
「佐次郎です。」
「佐次郎か!君はどこ所属だ?」
「僕は…。」

 僕は黙ったまま向こうにある地下室の小屋に指を差す。すると、

「君、サツキのお姐さんに仕えている子か!」

と、嬉しそうに言っていた。

「は、はい…。」
「サツキさんは元気かい?」
「はい!最近笑うことが増えました!」
「それは良かった!」

 ホオノキ様は急いで地下室に向かった。

「え…?!」

 僕は地面に落としたお盆を取ってすぐにホオノキ様の後を追った。地下室の入り口から笑い声が聞こえる。階段を降りるとホオノキ様はサツキ様たちと楽しげに話をしていた。

「和ちゃん、大きくなったな~。これはこれは、可愛さも増したんじゃない?」
「もう叔父様ったら~。へへへ…。」

 僕が三人に近づけるとサツキ様が僕に気づきてくれる。

「あ、佐次郎君!」
「佐次郎!お腹空いた。お料理は?」
「そ、それが…。」

 僕は外であったことを話した。すると、サツキ様は

「怪我はない?」

と、僕の体を先に心配してくれた。

「はい、僕は大丈夫です!けど…。」
「俺が外で買ってきます!」

 僕が困った顔をしていると、隣にいたホオノキ様が目を光らせて言った。そしてそのまま地下室から出て行った。

「あー、叔父様行っちゃった…。」

 僕は呆然とその光景を眺める。すると、サツキ様が言う。

「元気な子でしょう?」
「はい…。なんかホオズキ様とは顔以外似てませんね…。」

 サツキ様は笑みを浮かべた。

「フフッ、そう。あの二人随分歳も離れていて性格も全く違うの。私がこの屋敷に来た時唯一私に話をかけてくれたわ。」
「そうだったんですね…。」
「二人の性格は全然似てなかったけど、なぜか優しさだけはしっかり似ていてね。やっぱり兄弟だねって思った。」
「そう、叔父様は優しいし面白いよ!お兄ちゃんみたい!」

 どうやら二年前まではホオノキ様が今の僕がやっていることをしていたらしい。僕はそんなホオノキ様の姿を想像して微笑む。

「優しい人ですね。」

 暫く地下室で話をしているとホオノキ様が帰って来た。僕たちは四人で食事をしてホオノキ様の留学先でのエピソードを聞きながら大笑いした。夕方になるとホオズキ様やホウセンカ様が屋敷に顔を見せた。僕はホオズキ様の後ろに立つ。ホウセンカ様とホオズキ様はホオノキ様の顔を見て喜んで迎えた。

「おお、帰ってきたのか!我が息子よ。」
「はい!無事帰ってきましたよ、父上!ご健勝そうで何よりです!」
「ホオノキ、留学は楽しかったか?」
「はい、兄貴!」
「今日は帰りの祝いだな!」

 そうして今夜は屋敷内で晩餐会が開かれ、みんなが夜が明けるまでお酒を飲んだ。僕はその酒臭い場でお酌をしていた。泥酔したホウセンカ様がアザミ様と家来たちに寝室まで運ばれる間にホオズキ様とホオノキ様は庭園がある屋敷裏に場所を変える。僕も二人に付いて庭園に行った。

「兄貴…。」
「ん?」
「サツキお姐さんたちはこれからどうなるんですか?」
「さあな…。俺は自分がホウセンカ家の長男であることが憎いよ。次男であるお前が羨ましいくらいだ。」

 ホオズキ様は拳を握って夜空を見上げた。

「そんなことないです…!」
「いや、俺のせいでサツキたちはまともに陽の光も浴びてないから…。すべて俺のせいだよ。」
「……。」

 ホオズキ様の言葉に一瞬空気が重くなった。

「そ、そんなことないです。二人は地下室で暮らしながらも楽しいって言ってくれました。」
「佐次郎…。あ、そうだ!休みの日に遠くに出かけましょう!」

 ホオノキ様は首を傾げる。

「外出?」
「はい!地下室の二人と一緒に!」
「だめだ。誰かに見られたらどうする?」
「あれがあるじゃないですか!誰にも見つけられない方法!」

 ホオノキ様は庭園の北側に指を差しながらどや顔を見せる。

「まさか、あの隠し通路か。」
「はい!俺、今日帰って来た時もあの隠し通路から入って来ました!」
「相変わらずお茶目な奴だなお前は。」
「あそこから抜け出したら誰にも見つからずに外に出られますよ?行きましょうよ、兄貴!」
「ハア…。仕方ないな。分かったよ。」

 ホオノキ様の勧誘にホオズキ様は否応いやおうなしにみんなと一緒に出掛ける約束をした。

——あのホオズキ様が弟には弱いんだ…。

「な、ホオノキ。」
「はい?」
「ありがとうな。サツキたちのこと思ってくれて。」
「えへへ…。大したことないですよ。」

 ホオズキ様の一言にホオノキ様は顔を崩して子供のように笑った。そして、ホオズキ様は、

「佐次郎、お前もありがとうな。」

と、僕にもお礼を言ってくれた。

「い、いえ…。僕は役目を果たしたまでです…。」

と、僕がへりくだるとホオズキ様は僕の頭を撫でてくれた。

「今日はもう地下室に戻っていいぞ。」
「はい。では、お先に失礼します。」

 僕は地下室に戻って二人にお出かけのことを話して上げた。すると、

「ほんと?!わーい!」

と、和様が欣喜雀躍きんきじゃくやくして喜ぶ。サツキ様も嬉しそうに言った。

「じゃあ、佐次郎君の故郷に行こうか。」
「え、お出かけって滅多にない機会なんですよ…?僕の故郷なんかで大丈夫ですか?」
「佐次郎、故郷の話するとすっごく楽しそうな顔するもん。和も行きたいな~。」

 僕は顔を赤らめながらおたおたする。

「そ、そうでしたっけ…。」
「そうだよ!あと、佐次郎のママにも挨拶しに行きたいから!」
「そうよね。挨拶がてら行きたいもんね?」
「「ね~~。」」

 なぜか、二人が意気投合して僕を見つめている。

「まあ、そう言われると僕は嬉しいですけど…。」
「「じゃあ、決まりだね!」」

 そういうことで行き先は香咲町かさきちょうに決定された。あれから三週間という時間が過ぎて地下室の母娘は地下室の外の世界に足を踏む。

「うわ…。外だ…。」
「さあ、こちらへ。」

 二人は人たちに目立たないように質素な身なりで出かけることにした。僕は二人を屋敷の北側にある隠し通路に案内した。庭園の裏にあるやぶを横にどけると人が這って通れそうな通路が現れた。僕たちはその通路を通り抜けて壁の外へ出る。その前にはホオズキ様とホオノキ様が馬車を停めていた。

「さ、早く乗れ。」

 僕は二人を馬車に乗せた。そしてみんなが出発することを待っていた。すると、

「佐次郎、モタモタしないで早く乗れ!」

と、ホオノキ様に言われる。

「え、僕もですか?」
「当たり前だろ?」

 そうして僕も一緒に香咲町へ行くことにした。馬車でみんなとお喋りをしながら数時間走ると、懐かしい故郷の香りがした。

「うわあ、ここが佐次郎の故郷なんだ!綺麗!!」

 馬車の窓から顔を突き出すと赤色、黄色、青色、桜色、紫色の花が町を包み込むように咲いていた。そしてそよ風に花びらが舞い散って道中に芳しい花の香りがした。サツキ様と和様はその風景を見ながら感心する。前に目を向けると馬を御しているホオズキ様も笑っていた。

 香咲町の入り口に差し掛かると僕は母のことを思い出した。

——ママ…。僕に会ってくれるのかな…。

 僕が渋い顔をして項垂うなだれると膝の上に置いた手に暖かい何かが当たる。和様の手だ。僕は和様に顔を向けると和様は笑顔で僕を安心されてくれた。

「和様…。」
「ヘヘ…。」

 僕は和様の色白い顔を見て視線を泳がせる。その瞬間馬のいななきとともに馬車が停まった。

「さ、降りていいぞ。」
「わー。もう着いたみたい!」
「和、足元気を付けてね。」
「はい!マ…じゃなくてお母様!」

 僕たちは馬車から降りて香咲町の大通りを歩いた。町中も花びらが舞い散っていてホオズキ様はその光景を見ながら何かを思いついたように言う。

「そうだ!今年の花鳥宴かちょうえんはここの風景のような演出をしよう。」
「それいいですね!花王様も喜んで受け入れると思いますよ。」

 しかし僕の頭の中には母のことでいっぱいでずっと母がいる路地裏の方を見据えていた。和様がそういう僕の姿を見て僕の手を握って僕が眺めている方向に歩き出した。

「え、和様?!」
「あそこに何かあるんでしょ?行こう!」
「和!どこに行くの?!」

 和様は僕の手を握ったまま路地裏に向けて走り出した。サツキ様も慌てて僕たちを追いかけて来た。僕は和様を追い抜いて突っ走った。そして僕が暮らしていた住処に辿り着くと、そこには誰もいなかった。

「ママ…?どこにいるの?」

 僕は急いで隣の八百屋に入った。そして八百屋のお婆さんに母の行方を聞いた。

「あら、佐次郎ちゃんじゃないかい?!」
「お婆さん!僕はママはどこに行った?」

するとお婆さんが残念そうな顔をして言う。

「佐次郎ちゃん、君のお母さんはつい先月…。」
「嘘…。」

 和様とサツキ様はその話を耳にして手のひらで口を塞ぐ。僕は腰の力が抜けて膝から崩れ落ちた。

「幸せになってって言ったじゃん…。なんで…。」

 お婆さんは座り込んだ僕の前にしゃがんで肩を軽く叩きながら言う。

「ナデシコが最後に残した言葉がある。」
「ママが…?」
「もし佐次郎ちゃんがここに戻ってきたらもっと自分のことを考えて幸せになって欲しいってよ。また、強くなって愛する人を守って上げてって。最後に、こんな形で君を生んでごめんねって…。」

 僕は声も出さずに涙を流した。涙はとめどなくあふれ出て膝を濡らした。サメザメと泣いている僕の姿を見ていた周りの三人も静かに涙を流す。

 そして僕たちは町の南にある母の墓に行った。墓の前で僕はサツキ様と和様を母に紹介した。二人も母に挨拶をした。そしてみすぼらしい墓場に白い花と生前母が好きだった握り飯を置いて墓から去った。その後僕たちは香咲町の象徴であるブナの大木の下で気持ちを落ち着かせた。

 暫くその大木の緑陰の下で横になっているとグウーとお腹が鳴った。その音に和様が反応する。

「佐次郎、お腹空いた?」
「いいえ…。」
「嘘だ~。今お腹鳴らしたでしょ?」

 僕は恥ずかしくて横になったまま後ろに向きを変える。

「二人はここで待ってて。ママが町で食べ物を買ってくるから。」
「はーい!」
「僕も行きます!」

 僕もサツキ様について行こうとしてたサツキ様は決めポーズを取って言う。

「ママに任せなさーい!佐次郎君も大人しく待っててね?」
「は、はぁ……。」

 サツキ様は一人で街に行ってしまった。大木の下には僕と和様だけが残った。清楚に座っていた和様は、左手でこっちに来て座りなさいと言わんばかりに地面を掌で軽く叩いた。僕は和様の隣に腰を掛けて座る。すると、和様は首を傾げて僕に訊いた。

「あの…佐次郎。大丈夫…?」

 僕は悲しみをすべて押し包んで言った。

「はい、大丈夫です。」
「佐次郎のママのことは残念だと思うよ。」
「……。」

 僕は黙り込んだ。が、和様は話を続けた。

「でも…。佐次郎は一人じゃないよ。和がいる。ママもいるし、お父様も叔父様だっている。だから。だからね…?もう悲しまないで…。」

 その時僕の顔に小さく温かい手が僕の顔を右に向かせた。そして僕のおでこに柔らかい何かが当たった。僕が視線をおでこの方に向けると、和様が僕のおでこに口をつけていた。

「の、ののの、和様…?!」

 僕は突然のことに体が凍った。そして胸がドキドキし出した。和様はおでこから口を離して言う。

「佐次郎が泣いたら和も心が痛いの…。だから、もう泣かないでね?」
「はい…。」
「それから…、これからもずっと和の側にいて…。」
「はい?」

 最初僕はその言葉の意味が良く分からなかった。和様は顔を赤らめて言う。

「だから!…どこにも行かないでってこと…!!」
「は、はい。どこにも行きません…。」
「何があってもだよ?」
「はい、何があっても必ず側にいます。」
「絶対?」
「はい。」

 和様は可愛らしい顔を赤らめて笑みを浮かべる。

「約束だよ?へへ…。」

 彼女の笑顔は幼い自分には形容できないほど愛おしくて唇を乾かした。そして、鳴り止まないこの不可解な動悸は僕の顔を赤らめる。


…………。

 僕はなぜ今になってこんな昔のことを思い出しているんだろう…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ

一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。 百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。 平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。 そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。 『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...