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悪役令息は悪役令息のヤケに巻き込まれる
他人の修羅場は面倒くさい 1
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「誤解です。私は何も」
「今更しらばっくれたって遅いんだよ!同期がお前とシャーロットが会ってるのを見たって言ったんだ!それもベッタリ腕まで組んでな!」
「見間違いじゃないですか?」
「いいや間違いない。あいつも認めた!その上であいつは出て行ったんだ!」
激昂した男の言葉にチッ、と舌打ちする音が聞こえる。舌打ちしたのはもちろん面倒そうな表情を隠しもしないドミニク・バローだ。しらばっくれるつもりならもっと表情を隠せと言いたい。
目の前で繰り広げられる修羅場。怒りで顔を真っ赤に染め上げた男は今にもドミニク・バローを殴ってしまいそう。止めた方がいいんだろうか。ちらりとまだ僕を抱き抱えているコンラッド様を見上げる。
「面倒なことになりましたな」
「どうしましょう。警備員を呼びましょうか」
「それがよろしいでしょう」
僕を抱えたまま一歩後ろに下がったコンラッド様は騒ぎを聞きつけてきたものの、オロオロしている図書館の庭師に声をかける。それでハッとした庭師は駆け出して行った。玄関ホールに警備員がいたはずだから呼んできてくれるだろう。
「お前と話して目が覚めたとか、俺を信じてた自分が馬鹿だったとか間違ってたとかわけわかんねえこと言いやがったんだ。一体あいつに何を吹き込みやがった!」
「あなたがお疑いになるようなことは何もありませんよ。モーリス嬢が何か思い悩んでいるようだったので友人として話を聞いただけです」
「はぁ?友人?そんなもん信じるわけねぇだろ!お前の噂は聞いてんだよ。女と見りゃ誰かれ構わず手ぇ出す節操なしが。爵位と王太子殿下のご友人の立場を嵩に着て好き放題しやがって……!」
「ジャン・バックロード子爵」
男の言葉に僅かに体が揺れたと思うと、ドミニク・バローの口から凍りつくような温度のない声が落ちる。先程まで面倒ごとに顰めていた顔から表情が抜け落ちて、掴み掛かる男を冷たく見下ろしていた。
何だ?急に雰囲気が……
「不用意な発言は慎んでもらおうか。私がそのような無作法をするはずがないだろう。王太子殿下のご威光は彼の方だけのもの。その威を刈るような不心得者になった覚えはない」
淡々と男の言葉に反論する。その声からも表情からも熱を感じないにもかかわらず、僕は彼から底知れぬ怒りを感じた。
そしてそれは男も同じだったのだろう。態度の変わったドミニク・バローに怯んで思わず掴みかかった手を離していた。
「そもそも、彼女はあなたのその感情的で暴力的な性格に悩んでいたんだ。彼女は心優しい人だったから出会った頃のあなたの善性を信じていたようだよ。いつか目を覚ましてくれるとね。日常的に暴力を振るうような人間の善性など信じるに値しないと私は言ったのだけどね」
「なっ……?!」
男が目を見開く。ドミニク・バローは掴まれてヨレた襟を正しつつ溜息を吐いた。
「愛が何の免罪符になると言うのだろうね。少なくとも、痛い辛いと泣く女性を恐怖と暴力で支配することの許しにはならないはずだ。彼女はそれに気が付いただけだよ。だから君と別れた。それだけのことだ」
「う、嘘だ!あいつはそんなこと言わない!言うはずない!」
おやおやおや?
ここで一気に雲行きが怪しくなってきた。一方的に責めていたはずの男がドミニク・バローに詰め寄られいる。しかも暴力とか支配とか実に聞き捨てならない内容だ。状況を野次馬していた人々も男に懐疑的な視線を向け始めている。
「そりゃあ!多少は厳しくしたさ。だがそれはあいつが愚かなことをするから躾けてやっただけだ。貴族の男として愚かな恋人の振る舞いを正すのは当然のことだろう?!」
「躾ける……?愚か……?」
酷い言葉に思わず声が漏れる。
おっといけない、ここで漸く男が僕たちの存在に気が付いてしまったようだ。周囲を見回して、自分が多くの目に晒されていることに狼狽えている。
しかも目がばっちり合ってしまった。気まずい。そっと視線を逸らしたところで警備員が現れて、抵抗する男を別室へと連れて行こうと腕を掴んだ。
「な、何をするんだ。俺は」
「お客様、落ち着いてください」
「他のご来館者様のご迷惑になります。一旦こちらへ」
連れて行かれようとする男。でも僕は黙っていられなくて警備員を引き止める。心配そうな顔をするコンラッド様の腕から離れて一歩踏み出した。
「事情を知らない立場でこのようなことを申し上げるのは心苦しいのですが……」
「な、なんだよ」
「彼らが事実不貞を働いていたかどうかはともかく、恋人関係にある相手に対して躾けなどという言葉が出てくる時点でお二人が健全な関係にあったとは思えません」
「は……?」
「それに、人々の規範ともなる貴族がこのような公の場で激昂して騒ぎを起こすなど、いくら相手に非があろうとも褒められた行いではありません。ええ、いくら相手に非があろうともです」
「何だか私も責められている気がしますね」
僕の発言にドミニク・バローが苦笑いを浮かべる。まあ、多少は責めたい気持ちもありますよ?あなたが蒔いた種に間違いはないでしょうから。にこ、と含みを持たせて笑いかけたらドミニク・バローは肩をすくめることで応えた。
「はぁ?俺が悪いって言うのか?この俺が!俺は何もしちゃいない!何もかもこいつとあの女が悪いんだ!」
また怒りに震え始めた男が警備員に抑えられたまま僕に向かって吠えて、すかさずコンラッド様が僕の体を包み込む。
と言うか今恋人のことあの女って言った?恋人に裏切られた不幸な人なんて気持ち全然起きないんだけど。それはコンラッド様も同じのようで、頭上から深い深いため息が降ってきた。
「いい加減になされよ見苦しい。動揺しておられるのはわかるが、少し頭を冷やしてくるのがよろしかろう」
「ぐっ……」
強面なコンラッド様の眼光に怯んでいるうちに男は今度こそ別室へ連れて行かれる。男の姿がすっかり見えなくなってから体の力を抜くようにゆっくりと息を吐いた。
「今更しらばっくれたって遅いんだよ!同期がお前とシャーロットが会ってるのを見たって言ったんだ!それもベッタリ腕まで組んでな!」
「見間違いじゃないですか?」
「いいや間違いない。あいつも認めた!その上であいつは出て行ったんだ!」
激昂した男の言葉にチッ、と舌打ちする音が聞こえる。舌打ちしたのはもちろん面倒そうな表情を隠しもしないドミニク・バローだ。しらばっくれるつもりならもっと表情を隠せと言いたい。
目の前で繰り広げられる修羅場。怒りで顔を真っ赤に染め上げた男は今にもドミニク・バローを殴ってしまいそう。止めた方がいいんだろうか。ちらりとまだ僕を抱き抱えているコンラッド様を見上げる。
「面倒なことになりましたな」
「どうしましょう。警備員を呼びましょうか」
「それがよろしいでしょう」
僕を抱えたまま一歩後ろに下がったコンラッド様は騒ぎを聞きつけてきたものの、オロオロしている図書館の庭師に声をかける。それでハッとした庭師は駆け出して行った。玄関ホールに警備員がいたはずだから呼んできてくれるだろう。
「お前と話して目が覚めたとか、俺を信じてた自分が馬鹿だったとか間違ってたとかわけわかんねえこと言いやがったんだ。一体あいつに何を吹き込みやがった!」
「あなたがお疑いになるようなことは何もありませんよ。モーリス嬢が何か思い悩んでいるようだったので友人として話を聞いただけです」
「はぁ?友人?そんなもん信じるわけねぇだろ!お前の噂は聞いてんだよ。女と見りゃ誰かれ構わず手ぇ出す節操なしが。爵位と王太子殿下のご友人の立場を嵩に着て好き放題しやがって……!」
「ジャン・バックロード子爵」
男の言葉に僅かに体が揺れたと思うと、ドミニク・バローの口から凍りつくような温度のない声が落ちる。先程まで面倒ごとに顰めていた顔から表情が抜け落ちて、掴み掛かる男を冷たく見下ろしていた。
何だ?急に雰囲気が……
「不用意な発言は慎んでもらおうか。私がそのような無作法をするはずがないだろう。王太子殿下のご威光は彼の方だけのもの。その威を刈るような不心得者になった覚えはない」
淡々と男の言葉に反論する。その声からも表情からも熱を感じないにもかかわらず、僕は彼から底知れぬ怒りを感じた。
そしてそれは男も同じだったのだろう。態度の変わったドミニク・バローに怯んで思わず掴みかかった手を離していた。
「そもそも、彼女はあなたのその感情的で暴力的な性格に悩んでいたんだ。彼女は心優しい人だったから出会った頃のあなたの善性を信じていたようだよ。いつか目を覚ましてくれるとね。日常的に暴力を振るうような人間の善性など信じるに値しないと私は言ったのだけどね」
「なっ……?!」
男が目を見開く。ドミニク・バローは掴まれてヨレた襟を正しつつ溜息を吐いた。
「愛が何の免罪符になると言うのだろうね。少なくとも、痛い辛いと泣く女性を恐怖と暴力で支配することの許しにはならないはずだ。彼女はそれに気が付いただけだよ。だから君と別れた。それだけのことだ」
「う、嘘だ!あいつはそんなこと言わない!言うはずない!」
おやおやおや?
ここで一気に雲行きが怪しくなってきた。一方的に責めていたはずの男がドミニク・バローに詰め寄られいる。しかも暴力とか支配とか実に聞き捨てならない内容だ。状況を野次馬していた人々も男に懐疑的な視線を向け始めている。
「そりゃあ!多少は厳しくしたさ。だがそれはあいつが愚かなことをするから躾けてやっただけだ。貴族の男として愚かな恋人の振る舞いを正すのは当然のことだろう?!」
「躾ける……?愚か……?」
酷い言葉に思わず声が漏れる。
おっといけない、ここで漸く男が僕たちの存在に気が付いてしまったようだ。周囲を見回して、自分が多くの目に晒されていることに狼狽えている。
しかも目がばっちり合ってしまった。気まずい。そっと視線を逸らしたところで警備員が現れて、抵抗する男を別室へと連れて行こうと腕を掴んだ。
「な、何をするんだ。俺は」
「お客様、落ち着いてください」
「他のご来館者様のご迷惑になります。一旦こちらへ」
連れて行かれようとする男。でも僕は黙っていられなくて警備員を引き止める。心配そうな顔をするコンラッド様の腕から離れて一歩踏み出した。
「事情を知らない立場でこのようなことを申し上げるのは心苦しいのですが……」
「な、なんだよ」
「彼らが事実不貞を働いていたかどうかはともかく、恋人関係にある相手に対して躾けなどという言葉が出てくる時点でお二人が健全な関係にあったとは思えません」
「は……?」
「それに、人々の規範ともなる貴族がこのような公の場で激昂して騒ぎを起こすなど、いくら相手に非があろうとも褒められた行いではありません。ええ、いくら相手に非があろうともです」
「何だか私も責められている気がしますね」
僕の発言にドミニク・バローが苦笑いを浮かべる。まあ、多少は責めたい気持ちもありますよ?あなたが蒔いた種に間違いはないでしょうから。にこ、と含みを持たせて笑いかけたらドミニク・バローは肩をすくめることで応えた。
「はぁ?俺が悪いって言うのか?この俺が!俺は何もしちゃいない!何もかもこいつとあの女が悪いんだ!」
また怒りに震え始めた男が警備員に抑えられたまま僕に向かって吠えて、すかさずコンラッド様が僕の体を包み込む。
と言うか今恋人のことあの女って言った?恋人に裏切られた不幸な人なんて気持ち全然起きないんだけど。それはコンラッド様も同じのようで、頭上から深い深いため息が降ってきた。
「いい加減になされよ見苦しい。動揺しておられるのはわかるが、少し頭を冷やしてくるのがよろしかろう」
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