ヘタレ侍従の甘ぁい夜伽日記

星谷芽樂(井上詩楓)

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前編②

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 想いが通じ合って唇を重ねるのは、極上のひと時を過ごすための一つの儀式だとジシュイは感じていた。
 
 愛する人の温もりの中で口付けを重ねる心地良さ。それだけでもう夢心地で、自分の体重の全てを王に委ねたくなってしまうのである。

 気づけば、いつの間にか王に促されるまま、ジシュイは褥の上に仰向けに寝かされていた。そして一回り大きい王がジシュイの上に覆い被さり、そばかすだらけの小顔を大きな掌で包み込む。
 王はジシュイの緑水晶の瞳をいつまでも見つめ、再び柔らかい口付けを繰り返した。

 ――チュッチュ、クチュ、クチュクチュ、ピチュ。
「ジシュイ……ん」
 ――チュウ、チュッチュッ、レル、レロォォ……。
「ポリュ……んんっ!?」

 王の力強い舌が閉じる唇をこじ開けてきた。
 狼狽える舌先を捕まえて絡め、唾液を渡し合い、いやらしい水音がジシュイの頭の中へと響く。
 
 吸われる唇と口腔深くまで捏ね合う舌に、ジシュイの意識は一瞬にして微睡みの深みへといざなわれていった。

 ――レロォ、クチュクチュクチュ、ジュルッ、ジュルル、レルレルレル。
「はっん……ポ、リュ……ふっ、ぅん、ンンン……」
「ジ、シュイ……んん、んぅ……はぁはぁ……あ、む……」
「はぅぅ……あぁ……はぁぁ、んむぅぅ……」

 ジシュイの瞳が蕩け、弱々しい甘い声が漏れ出てしまう。
 
 舌の根元まで深く舐め合い、口端から唾液が溢れ出す。それでも王の力強い口付けは止まない。
 互いの首を右に左に何度も向きを変えながら口付けされ、ジシュイは自分に向けられた王の愛の強さを思い知ったのであった。

「はぁはぁ、お前の甘い声で身体が燃えるようだ……」

 二人の息が上がり、王は自身のシャツを無作法に脱いだ。
 
 上半身をさらけ出し下履きだけの姿になった姿は、凹凸のある引き締まった腹筋や胸板、腕や下腹は太い血管が浮かび、想像以上の男の凛々しさが際立っている。

「あぁぁ、なんてご立派なお身体……」

 この眩しい身体に、ジシュイはうっとり見惚れていた。王の鍛え上げられた筋肉に触れられるのは自分だけなのだと思うと、今だけは特別な優越感に浸りたくなる。
 
 そして王の逞しい腕はジシュイの華奢な背の後ろに差し込まれ、そのまま抱き寄せられて着ていたローブをそっと剥がされた。
 
 胸と胸が重なり、互いの体温を分かち合う。

「あぁ……肌が合わさるだけで心が解き放たれるようだ……」
「はっ、ぁぁんん……すごい、ドキドキします……」
 
 王の肌は火照り汗ばんでいる。そのじんわりとした温かさが、ジシュイにとっても幸せだった。
 何故だろう……まだ卑猥なことは始まってもいないのに、身体が蕩けて腰を振りたくなってしまうのである。

 ――さわ……さすさす……むにっ、グニグニ……。
「あぁ……はぁぁ……はぅ……」
「とても色っぽい……ジシュイよ……」
「あぁぁん……はぁはぁ……あぁっ……」
 
 王の大きな両手がジシュイの背中や腰、尻の膨らみをゆっくり味わう様に撫で回す。時折尻の溝に指が入り込むと、力強く尻たぶを揉みしだかれた。

 ――クニクニッ、むにむにむにゅむにゅ。
「あぁぁっ、ハァァン!」
 
 可愛らしい反応に王は溢れる笑顔へと変わり、王の唇が華奢なうなじへと埋もれていく。

 ――チュゥゥゥ!
「……あっ」
 ――さわさわさわ……クニクニ、むにっむにっ。
 ――チュッチュ、ジュ、ジュゥゥゥ……レル、チュゥ……!
「あっ、はっ……んぅ!」

 全身を撫でられながら熱い舌が細い首筋を辿っていく。ジュウジュウ強く吸われて紅い印を付けられながら、ヌメッた温かさが降りてくるのをジシュイは敏感に感じた。
 
 やがて肩を這う舌は、鎖骨、胸骨の窪みへ唾液の跡を付けて行く。
 
 ジシュイが次の刺激を期待したその時、胸の小さな突起に淫らな電流が迸った。

――ッチュ、チュゥゥゥッ!
「――っんあ!」
――チュルチュルッ、ッレロレロレロ! チュッチュッ、チウチウチウッ。
「んぅぅ! んやぁぁんっ!」
 
 たっぷりの水音を含ませて胸粒を舐め回される。すぐに甘い声が上がると、王は唇を窄めて貪るように吸い上げた。

――レロッレロッ、レルレルレルレル……ジュ、ジュジュゥゥ。
「はっぅ……ァァん、あ、やぁぁ……」
「イイ声を出して……感じているのか?」
――クリュ、クリクリクリッ、ツンツン……。
「――ぁぁあっ! りょ、両方の胸粒を……いじめないで……あぁっ、あぁっ、はっ、ぅぅうん」

 片方の胸粒は舌先で、もう片方は指先で捏ねるように可愛がられる。

 普段は服が擦れても身体を洗っても何も感じないというのに、胸粒がこんなにも卑猥に敏感であったのがジシュイには驚きだ。
 止まない愛撫に甘い叫びを上げ、勝手に背中が波打ち身をよじらせてしまう。

「ジシュイ……感じてる顔もうねる身体もとても可愛くて、俺の黒い欲望がどんどん湧き出してくるぞ……」
「それは……ポリュデウケース様がボクの弱い所ばかりいじめるから……あっ、ちょ、!? ま、待って!? ――ぁぁああっ」

 ジシュイが言い終わらない内に王はニッコリ微笑み、おもむろに細い腰を持ち上げると、ジシュイの尻は天を向くようにひっくり返された。

「――っふぁ!? ひぁぁ……っっ!!」

 大きく後ろへ回された下半身は両膝が自身の耳横に付けられ、尻たぶの谷間が露わになる。
 そこへ腰を支えていた王の両手が尻の谷間を開き、谷底に潜むジシュイの紅蕾を王は煌々と見つめた。

「どうだ、見えるか? 自分の蕾が」
「は、はい……とても恥ずかしい……です……」

 ジシュイが恥ずかしさでふいと顔を逸らすと、王は微笑んで目の前のたわわな尻に口付けをした。

「恥ずかしがる必要は無い。とても綺麗で可愛らしい蕾じゃないか。いいか? 今からここをよく見てるんだぞ?」

 尻の谷間に王の顔が近づき、谷底に向かって舌が伸びる。

――ちゅ、くちゅ。
「あ、あぁぁ……そんなっっ!」
――レロォォォ……レロン!
 
 谷の端から王の熱い舌が這い、卑猥な水音が鳴るほど一気に谷底を舐めずっていった。
 
――レロン、レロン、ヌラヌラヌラ。
「あぁぁ、あぁっっ、ポ、リュ……あぁぁぁんっっ」
 
 王はじっとジシュイを見つめ、幾度も往復して谷底を舐めずった。
 そしてジシュイの頰が紅くなるのを見届けると、蕾の一点に口付けし、尻の谷底に顔を埋め、ぷっくり熟れた蕾の口を舌先でこじ開け始めたのである。

 ――つぷ。
「あぁ、ぁぁあああ……んぁぁぁ……」
――ちゅぷっ、つププププ……。
「し、舌が……身体の中に……」
 
 自分も見た事の無い恥部に舌がニュルニュルと挿入っていく。恥ずかしさと艶やかな切なさで、ジシュイはふるふると小さく身体が震えた。

 ――ニュルッニュルッ、ジュルジュル……ジュッジュゥゥゥ!
「あぁぁ、あぁぁぁ……そ、そんなところ吸ったら……ぁぁあああんっ!」
「んん? お前の蕾は熱を帯びてとても美味しいぞ?」
 ――クチュクチュ、チュルルルルチウチウチウ。
「あぁぁん、そんないっぱい……だめぇぇぇ……」
 
 淫らな格好をさせられ、しかも憧れのポリュデウケース王に恥ずかしい処を愛され、身体の芯から熱い何かが込み上げてくる。

 ――ジュルルルル、ニュルニュルニュル……。
「あぁぁ……ぁぁぁんん……はぁはぁ……」

 中の媚肉を可愛がられるくすぐったさに、ジシュイの身体が快楽に染まって腰の余計な力が抜けていく。
 自分の恥部を貪る王の姿は、この世とは思えない天上に舞い上がる程の格別感があった。

「はァァん……す、ごい……エッチで……感じてしまいます……」
「ふっ……なら、もっと良くさせてあげような?」
「……ふぇ?」

 王はジシュイの蕩ける姿を待っていたかの様に、今度はてらてらと濡れる蕾に骨張った中指を立てて身体の中に喰ませていった。

――クチュ、チュププププ……。
「――ぁぁああ……指がっ……やぁぁっ!」

 ジシュイは媚肉を撫で回す感触に肌がさざめいた。
 そして胎内へ受け入れ始めると、王のしなやかな中指は水を得た魚の様に踊らせ始めたのである。

――グチュチュッ! クリュクリュクリュ、グチュグチュグチュ!
「――あっ! ――んぁぁっっ! ――はぁぅ!」

 その瞬間、淫らな電流がジシュイの胎内を伝った。触れた事のない場所から熱を含むむず痒さが下腹部に広がってゆく。
 
 王に顔を向ければ、直ぐに互いの視線が交差した。自分の喘ぐ表情をずっと見つめられているのだ。そう気付くと、ジシュイは余計に胸の切なさが華火の様に華麗に弾け飛んで行った。

 ――クチュクチュクチュクチュッ。
「ほら、見えるか? 俺の指を美味しそうに食べていくぞ……」
「あぁぁんっ、ぁぁぁあああ……蕾がヒクヒク言って……ぁぁあああんん……」

 ジシュイは甘い啼き声と共に腰が勝手に波打った。王の細長い指が螺旋を描きながら胎内の深くへ進むにつれ、身体が蕩けて力が抜けていく。
 
 そしてジシュイの揺れる腰を逞しい腕でしっかり抱き留めている。その安心感も相まって、ジシュイは心征くままに華奢な腰を振り続けた。

 ――クニュックニュッ、クチクチクチクチ。
「あぁぁ……気持ちよくて……病みつきになってしまいます……」
「……あぁそうだな……俺も早く犯し倒したいっ」

 王は下履きの膨らみを幾度も脈打たせながら、ゆっくりとジシュイの下半身を褥の上に降ろしてあげた。
 そして解れ始めた蕾には王の指が二本に増え、媚肉を根元までゆっくり深く埋めていった。

「俺を受け容れるにはもっと解さなければならない。聴かせてくれ……とても甘く可愛い声を……」
――クリュックリュ、クチュクチュクチュ。クチクチクチクチ。
「……あ、あぁぁ、きもちぃぃ……あぁ、あぁっ、はぁぁん!」

 ジシュイは両腕を褥に投げ出し、気持ち良さを表すように身体がゆっくり波打った。
 
 甘いうねりに、胎内の指もしなりを合わせる。そして媚肉を捏ねる指は熱い粘膜を舐め取りながら奥へ奥へ進み、未踏の性感帯へ近付いていく。

――こりゅっ!
「あっ――ぁぁあああっ!!」
 
 細長い指が半分以上胎内に埋められた時、突然ジシュイの身体に強烈な電流が駆け巡った。
 
 先程のゆったり沈んでゆく様な気持ち良さとは違い、髄奥から快楽の波が一気に押し寄せてくる。

「ここのシコリがいいか? ここは俗に胡桃クルミと言われててな? ほら、コリコリしてやるととても良いだろう?」
――こりこりっ、くりゅ。
「んぁぁ! はァァん! な、なんか、スゴい……!」
 
 恥部を埋める王の掌に力がみなぎり、二本の指が性感帯のシコリを強く揉み込んだ。媚肉は形が変わる程グチュグチュと掻き回され、ジシュイの身体に溜まってゆく淫らな波をわざと大きくうねらせていく。

――こりこりっ、くりゅっ、くりゅ、グチュグチュグチュ!
「あぁぁっ、だ、だめっ……あぁっあぁっ、あっ、あっ、あっ――!!」

 ジシュイの腿が硬直し、下腹部に切なさが溜まるのと同時に細い腰が浮き始めた。
 
 とても気持ちいいのに、頭が変になりそうで怖い。ここで自我を放棄したら、自分が自分でなくなってしまいそうだ。

 ――くりゅくりゅっ、こりこりこりこりっ!
「あぁっ、あぁっ、ら、らめ……止めてぇぇ……」
「ジシュイよ、怖がらずこの良さに身を委ねるんだ。大丈夫。イくってのは最高に幸せを感じる瞬間だ。何かあっても俺がいる。安心して自身を解き放てばいい」

 ――くちくちくちくち、コリュコリュコリュッ。
「あぁ、はぁぁっ、……と、ときはなっ……ぁぁんっ! ぁぁ、ぁぁああっ、イク……イくぅ……!!」

 ジシュイの視界に白いモヤがかかり、周りを気にする余裕を剥ぎ取られてしまった。情けない声と姿を王に見せつけて恥ずかしいのに、それを抑える術もない。

 胡桃を可愛がる王の指にも力強さが増した。ジシュイを深く解き放つため、激しく水音を鳴らしてジシュイの気持ちいいシコリを小刻みにこね上げていく。

――コリュコリュコリュコリュコリュコリュッ! グリュグリュグリュグリュ!
「――あっあっあっ! ぁぁっ、ぁぁあ、ああっ!! もう……らめぇぇ……! イクゥぅぅっ!! イっくぅぅぅンンンッ!!」

――ギュウゥゥ、ガクガクガクッ! ビュブッ、ビュルルルッ! ピュッ……ピュプッッ……!

 跳ねる腰によって振り回されていた可憐な精留塔から、白い愛液を吐き出した。そして秒を置いて三度、なだらかな胸とへその上に飛沫した。
 ジシュイが絶頂で吐精した証である。

「あぁぁ……ぁぁぁんん……はぁはぁ……」
「あぁ、気持ち良かったなぁ。でも本番はこれからだぞ。もっともっとこの中を可愛がってあげような。ジシュイ……」
「ふぁ……もっと……」
 
 王は痙攣の止まないジシュイを恍惚に見つめ、精液の飛び散った下腹に口付けをした。
 そして吐き出された精液を、王は嬉しそうに舐め取っていったのであった。
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