王家に嫁ぐ盗賊海賊

谷奈

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キツルとタイタ族

タイタ族の作戦

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木の上にあった影はいつのまにか消えていた。
「あの王子め、あの王子め。絶対に許さん。」
そう言いながら洞窟に向かうマントを被った一人の男がいた。
「おい、皆。」
そう言うと何人ものマントを被った人が現れた。入ってきた男がマントをとると、一斉に他の人もマントをとった。すると、様々な色の髪が現れた。
「本当に城に行ってきたのか?」
「ああ。」
「で、どうだったんだ?」
「王子はちゃんと話を聞いてくれたのか?」
「ああ。でも、王子一人では決められないからしばらく待ってほしいと。」
「良かったじゃないか。」
「本当にそうか?だってまだ答えはもらえなかったんだろ。」
「でも、話を聞いてくれたのが第一歩だろ。」
「まあ、そうか。」
「で、さっきっから何をそんなにイライラしてるんだ、リヒト?」
「話は聞いてくれたんだろ?」
「ああ。」
「なら、良かったじゃないか。焦ったって仕方ない。」
「そうじゃない。ルッカ様がいたんだ‼️」
「「え‼️」」
「ど、ど、ど、どういうことだよ。」
「本当にルッカ様なのか?」
「そうだぞ。今まで俺らルッカ様に会ったことないんだし・・・。」
「そ、そもそも生きているかも分からないんだぞ‼️」
「分かってるよ。でも、そういるもんじゃないだろう‼️ピンク色の髪に、色の変わる瞳を持っているなんて。」
「そのピンク色は、ルッカの実のように淡いのか?」
「そうだ。」
「どういうことだ?何故ルッカ様がこの国に。」
「ルッカ様は囚われているのか?」
「その前に、まずルッカ様はご自分の立場を理解しておられるのか?」
「さすがに理解はしておられるだろう。」
「となると、やはりルッカ様は・・・。」
「「囚われている‼️」」
「まずはルッカ様の救出が最優先だ。」
「そうだな。」
「どうやってルッカ様を救出する?何か作戦はあるのか?」
「俺が見ていたときは、ルッカ様の側に王子がいた。」
「ならば、まずルッカ様から王子を遠ざけねば‼️」
「どうやって?」
「リヒト、お前は剣が得意だったよな?」
「ああ。」
「なら、予告状を王子に送りつける。それで王子を連れ出し、ルッカ様が一人になった隙に救出する。」
「それと剣の腕に何が関係あるんだ?」
「もし、本当に来たときに備えて待機していてもらう。」
「分かった。」
「なるべく早く実行した方が良いな。」
「そうだな。ルッカ様を早く救出せねば。」
「待っていてください、ルッカ様。」

その頃お城では
「ねぇ、今日なんか寒くない?」
「そうか?あまり変わらないと思うが。」
「そっか。でも、すごい体が震えるんだよな。何か変なことでも起きなければいいけど。」
「ユリシロは心配し過ぎなんじゃないか?」
「そうかな?ま、あまり考えないようにしておこう。」
「それが良いと思うぞ。」
「ありがとう、カルイラ。いつも心配してくれて。」
「いつもユリシロだってしてくれるじゃないか。そのお返しさ。」
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