王家に嫁ぐ盗賊海賊

谷奈

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出会い

はじめまして

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「本当に行くのか?ユリシロ。」
「本当だよ、カルイラ。私にはやりたいことがあるから。それに、あまり1つのところに長居はするのは好きじゃないからね。」
「そうか・・・。またいつか戻ってきてくれるか?」
「もちろん。だって私にはこの国の空気が一番あってるから。いつか必ずキツルに帰ってくるよ。」
「なら、それまでしばしの別れだな。」
「そうだね。」
「この髪もしばらくは見れないのだな。」
カルイラはユリシロの髪を触った。 
「そんな顔しないでよ、別れづらくなるじゃん。なら」
ユリシロは自分の髪を切り、カルイラに渡した。
「あげるよ、それ。私が帰ってくるまで持っててね!」
「ありがとう、ユリシロ。」
「全然平気だよ。」
二人の間に沈黙のときが流れた。
「今までお世話になりました、カルイラ王子。いつかまたお会いしましょう。」
「いつも通りでよいのに。ユリシロに敬語は似合わぬ。」
「だよね!自分でもそう思う。カルイラは本当に私を理解してくれてるよね‼️ありがとう。」
二人の間にに強い風が吹いた。
「じゃあそろそろ行くね。」
「ああ。」
ユリシロは馬を走らせようとした。
「ユリシロ‼️」
「何、カルイラ?」
「ユリシロに与えた称号とネックレスはずっと有効だからな。」
「ありがとう、カルイラ‼️」
ユリシロは馬を走らせた。ユリシロの姿が見えなくなった頃
「良かったのですか、王子。」
「もちろんだ。その話は帰ってきてからする。」
「そうですか。」
「なんだコーズ、その顔は?」
「いえ、まさかあのときの王子がこんなになるなんて。」
「うるさいぞ、コーズ。」
「すみませんでした、王子。」
「待ち遠しいな、ユリシロが帰ってくる日が。」
「そうですね。」
その頃ユリシロは隣国のリランカに到着した。
「ここがリランカ。私が生まれ育つはずだった国。・・・そうだ、髪は隠しておかないと。お姉ちゃんに見つかると面倒だからな。」
ユリシロは海のある方へ向かった。そこで目に飛び込んできた景色は荒れていた。ユリシロは近くの人に話を聞くことにした。
「あの、すみません。」
「どうしたんだい?」
「この景色は・・・」
「ああ、これかい。これはな、アラクランの仕業なんだよ。」 
「アラクラン?」
「そうさ。リランカの第一王子が不在になってからというものやりたい放題やってるよ。」
「そうなんですか。」
「だからな、第二王子が」
「おい。」
「あ、船長。」
「何ここで油売ってるんだ。」
「すんません。」
「さっさと仕事に戻れ!」
「はい、船長。」
ユリシロと話した人は船に戻った。
「すまなかったね、お嬢さん。」
「いえ、こちらこそ仕事の邪魔をしてしまいすみませんでした。」
「さっきアラクランの話をしてたね。」
「はい、そうなんです。」
「じゃあ、聞いたかな?」
「何をですか?」
「その様子じゃ聞いてないんだね。アラクランを捕まえることについて。」
「捕まえる‼️」
「実はね、今第二王子がアラクランに関する情報を持ってきた者には褒美を与えると言って情報を集めてるんだ。」
「そうなんですか。」
「でも、今のところ情報は集まってないらしいよ。」
「ありがとうございました。私もアラクランについて探してみたいと思います。」
「そうか。でも気を付けなよ、お嬢さん。アラクランは危険だ。」
「忠告、ありがとうございます。」
ユリシロは馬に乗り、別のところを目指した。
「よかったんすか?頭。」
「ああ。どうせあいつにだって見つけられないだろ。俺たちがゆっくり探せばいい。せいぜい頑張りな、お嬢さん。」
二人はゆっくりと船に戻った。

ユリシロは王宮に向かっていた。王宮では
「全然情報が集まらないね、ウィロイス。」
「まぁ、仕方ないだろう。気長に待つしかない。」
「ウィロイス、この件に力をいれるのはいいが、他の仕事もしっかりと行うように。」
「分かってるよ、ヨイア。」
「ならいいけど。」
三人のもとに一人が走ってきた。
「ウィロイス殿下。」
「どうした?何かあったのか。」
「アラクランの情報を持ってきたという者が。」
「本当か‼️」
「はい。」
「名はなんと?」
「ユリシロというそうです。」
「では、ユリシロ殿に伝えてくれ。すぐに向かうと。」
「かしこまりました、殿下。」
「よかったね、ウィロイス。」
「ああ。急いで向かおう。」
三人はユリシロの待っている部屋に向かい、ウィロイスは扉を開けた。
「はじめまして、ユリシロ殿。」
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