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第15話:モフモフ天国
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契約仲介所で生活支援契約を結んだ翌日。
とうとうフェンリースを引き取る日がやってきた。
昨夜は、緊張と興奮でほとんど眠れなかった。
「はぁー、緊張してきた~。あの子、可愛かったしなぁ~。エヘヘ……」
〈ハルト~、気持ち悪い顔になってるぞ……〉
ギンにばっちり見られていた。
「取りあえず、心を落ち着かせるために……モフモフさせろ~!!」
俺はギンを抱きしめ、もふもふと撫で回す。
柔らかい毛並みに癒されて、少しずつ緊張が解けていく。
「よしっ!行くぞ、契約仲介所へ!」
---
「ハルト様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
受付の人に案内され、応接室に通される。
座り心地のいいソファに腰を下ろすと、トントンと扉がノックされる音。
「お待たせしました」
扉が開き、店員とともに獣人族の少女が入ってきた。
凛とした目元に、ふわふわの耳。腰には見事な尻尾が揺れている。
「契約者様。このような私を選んでいただき、感謝いたします」
落ち着いた声で深く頭を下げる彼女。
「そういえば、名前を聞いてなかったんだけど……名前、なんていうの?」
「私の名は、フェンリースと申します」
名前すら知らずに契約したのか俺……と心の中で軽く自己反省。
すると、仲介所の責任者らしき女性——ニベスさんが口を開いた。
「ハルト様。彼女が以前住んでいた村は、盗賊の襲撃により消失してしまいました。フェンリースさんは、その村の復興のために生活支援契約を結ばれたのですが、村が全滅し、行き場を失っていたのです」
「……そうだったのか」
一人きりで生きてきた彼女。
きっと、心細かったに違いない。
「俺が……守らなきゃな」
手続きはすでに完了していたため、フェンリースを連れて宿へと向かうことにした。
---
宿に到着後、部屋を二人用に変更してもらい、荷物を置く。
(や、やばい……本当に一緒に暮らすのか……どうしたらいいんだー!?)
会話を自然に始めようと考えた結果、外へ買い物に出ることにした。
服、靴、生活用品など、必要なものを一通り購入。
「ご契約者様……本当にありがとうございます。こんなに新しいものを……」
「うん? 何が?」
「私のような立場の者に、新品を買い与える人はほとんどいません。通常は、使い古しやお下がりばかりで……」
「え? いやいや、普通の暮らししてもらいたいんだよ、フェンリースには」
「……っ。本当に、ありがとうございます」
彼女の尻尾がブンブンと大きく揺れている。
顔はクールなままだが、感情はすごく表れている。
「牙狼族なんだよね? 表情としっぽの差がすごい!」
「……恐縮です」
---
買い物と食事を終え、部屋に戻る。
夜も更けてきた頃。
妙に静まり返った部屋に、俺の心臓の音だけが響いている気がした。
ドクンドクン……。
「フェンリース、こっちに来てくれる?」
「は、はい……」
フェンリースの顔がほんのり赤い。
やっぱり緊張しているのかな。
「フェンリース……もう我慢できない!」
「ご契約者様……お手柔らかに……」
そのときだった。
俺は、彼女をベッドに押し倒し——
「うわあああああ!! モフモフだあああああ!!」
耳! 尻尾! 首元! ふわっふわで極上のモフモフ体験!
「ギンとはまた違った……!! これが牙狼族……!! モフモフ界の宝石箱や~!!」
「……ご契約者様? あの……これは……?」
「フェンリース、我慢できなかったんだ……このモフモフに!」
「……あの、撫でるだけですか?」
「もちろんだよ! いやむしろそれ以上やったら、命がもたない……!!」
「……変わった方ですね」
それでも、フェンリースの口元がふわりと笑った気がした。
こうして、俺のモフモフ天国ライフが幕を開けたのだった——。
---
とうとうフェンリースを引き取る日がやってきた。
昨夜は、緊張と興奮でほとんど眠れなかった。
「はぁー、緊張してきた~。あの子、可愛かったしなぁ~。エヘヘ……」
〈ハルト~、気持ち悪い顔になってるぞ……〉
ギンにばっちり見られていた。
「取りあえず、心を落ち着かせるために……モフモフさせろ~!!」
俺はギンを抱きしめ、もふもふと撫で回す。
柔らかい毛並みに癒されて、少しずつ緊張が解けていく。
「よしっ!行くぞ、契約仲介所へ!」
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「ハルト様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
受付の人に案内され、応接室に通される。
座り心地のいいソファに腰を下ろすと、トントンと扉がノックされる音。
「お待たせしました」
扉が開き、店員とともに獣人族の少女が入ってきた。
凛とした目元に、ふわふわの耳。腰には見事な尻尾が揺れている。
「契約者様。このような私を選んでいただき、感謝いたします」
落ち着いた声で深く頭を下げる彼女。
「そういえば、名前を聞いてなかったんだけど……名前、なんていうの?」
「私の名は、フェンリースと申します」
名前すら知らずに契約したのか俺……と心の中で軽く自己反省。
すると、仲介所の責任者らしき女性——ニベスさんが口を開いた。
「ハルト様。彼女が以前住んでいた村は、盗賊の襲撃により消失してしまいました。フェンリースさんは、その村の復興のために生活支援契約を結ばれたのですが、村が全滅し、行き場を失っていたのです」
「……そうだったのか」
一人きりで生きてきた彼女。
きっと、心細かったに違いない。
「俺が……守らなきゃな」
手続きはすでに完了していたため、フェンリースを連れて宿へと向かうことにした。
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宿に到着後、部屋を二人用に変更してもらい、荷物を置く。
(や、やばい……本当に一緒に暮らすのか……どうしたらいいんだー!?)
会話を自然に始めようと考えた結果、外へ買い物に出ることにした。
服、靴、生活用品など、必要なものを一通り購入。
「ご契約者様……本当にありがとうございます。こんなに新しいものを……」
「うん? 何が?」
「私のような立場の者に、新品を買い与える人はほとんどいません。通常は、使い古しやお下がりばかりで……」
「え? いやいや、普通の暮らししてもらいたいんだよ、フェンリースには」
「……っ。本当に、ありがとうございます」
彼女の尻尾がブンブンと大きく揺れている。
顔はクールなままだが、感情はすごく表れている。
「牙狼族なんだよね? 表情としっぽの差がすごい!」
「……恐縮です」
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買い物と食事を終え、部屋に戻る。
夜も更けてきた頃。
妙に静まり返った部屋に、俺の心臓の音だけが響いている気がした。
ドクンドクン……。
「フェンリース、こっちに来てくれる?」
「は、はい……」
フェンリースの顔がほんのり赤い。
やっぱり緊張しているのかな。
「フェンリース……もう我慢できない!」
「ご契約者様……お手柔らかに……」
そのときだった。
俺は、彼女をベッドに押し倒し——
「うわあああああ!! モフモフだあああああ!!」
耳! 尻尾! 首元! ふわっふわで極上のモフモフ体験!
「ギンとはまた違った……!! これが牙狼族……!! モフモフ界の宝石箱や~!!」
「……ご契約者様? あの……これは……?」
「フェンリース、我慢できなかったんだ……このモフモフに!」
「……あの、撫でるだけですか?」
「もちろんだよ! いやむしろそれ以上やったら、命がもたない……!!」
「……変わった方ですね」
それでも、フェンリースの口元がふわりと笑った気がした。
こうして、俺のモフモフ天国ライフが幕を開けたのだった——。
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