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本編
7-2.重なる時は、かさなる。
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そんなこんなで、ウキウキと寮母♂さんが待っていると、本日帰宅予定の騎士たちが軽やかな足取りで帰って来ました。
人数は……1、2、3……全員で4人のはずが……1人多いですね。
全員で5人でした。
「寮母♂、俺の分もあるだろ?」
はい、騎士団長の登場です。
𓂃𓈒𓂂𓏸
4人の騎士たちにあまり歓迎されてない雰囲気の騎士団長ですが、気にする事はありません。
そんな些細な事をいちいち気にしていたら寮母♂さんに会えなくなってしまいますからね。騎士団長は、鈍感もしくは神経が図太くてちょうど良いのです。
「なんだ、団長も来たのか。まぁ肉も野菜も多めに用意してるから、お前が1人2人増えたって問題は無ぇ」
「流石俺の寮母♂!分かってるなぁ!」
そう言いながらご機嫌にギュギュッと騎士団長が寮母♂さんの肩を抱きました。
「団長!近いです!」
「寮母♂さんから離れてください!」
騎士たちが騎士団長を威嚇します。
けれども勿論、騎士団長は意に介しません。
むしろニヤニヤ笑いながら騎士たちを見る始末です。
「ははっ、俺らは元同僚だからこれくらいの距離が当たり前なんだよ。お前らも悔しかったらやってみろ」
「ぐぬぬぬ……」
「で……でも!僕らは今朝寮母♂さんにギュギュッと額にキスしてくれましたもんねーだ!」
「なぬっ!?」
へへーん!と騎士たちが騎士団長にドヤ顔でマウントを取り始めました。
「ははっ、相変わらずお前らは仲がいいな。とりあえずお前らは手洗いうがいして、部屋着に着替えて来い。団長はそのままで良いのか?」
「いや、着替えを持ってきた。なんなら寝間着もあるから今夜は寮母♂の部屋に泊めて♡♡」
ドスン!
ザシュ!
ヒュン!
ドゴン!
団長の右側に、斧が突き刺さりました。
背後に長剣、左に短剣、真上にハンマー。
もちろん、団長は軽やかに全て避けました。
「お前ら寮母♂があぶねーだろーが!」
「「「「団長を狙ったんですよ!」」」」
騎士たちが吠えます。
そんなやり取りを、やっぱり寮母♂さんはニコニコ笑って眺めるのでした。
𓂃𓈒𓂂𓏸
騎士たちと団長が寮で身支度を整えている間に、寮母♂さんは夕飯の準備を始めます。
バーベキューコンロの着火剤に火を付けると、網にお肉の串を並べました。時々、刷毛でタレを塗りながらひっくり返します。寮のお庭には、なんとも良い匂いが広がります。
「寮母♂さぁぁぁん!!美味しそうな匂いが部屋にも漂ってきましたよ!我慢できません!」
一番に支度を整えてきた騎士が駆け足でやって来ました。
寮母♂さんは、そんな騎士の頭をヨシヨシと撫でつけ、皆が揃うまで待つように指示しました。
そうこうしているうちに、全員が寮のお庭に集まりました。団長もリラックスした格好をしていますね。騎士たちは、隙あらば団長に攻撃を仕掛けようとしています。
「よーっし、全員揃ったな?肉はすでに焼いてるから、どんどん食え。あとは、オニギリも作ってあるから、そっちも自由につまめ。残っても大丈夫だ。無理して食うんじゃねーぞ?」
「はーい!」
「いただきます!」
等々、騎士たちも団長も思い思いに食事のご挨拶を済ませ、焼かれたお肉に手を伸ばしました。
ガブリ、と一口噛み締めればジュワっと肉汁が垂れてきます。お行儀なんてものは、BBQには無粋です。ジュルルっと汁を啜ってモギュモギュと噛み締めます。焼かれていたお肉はプーミャンみたいですね。噛み切りやすく、赤身と脂身のバランスの良いお肉です。そこに、寮母♂さん秘伝のタレも絡んでいますから、かぶりついた騎士たち、団長はプルプルと震えてしまいました。
その、震えを一番に抑え込んだのは団長です。さすがですね。
「うっっっめぇぇぇぇ!!!寮母♂!また腕上げただろ?なにこのタレめっちゃウメェじゃん!コメだ!コメが欲しい!肉はプーミャンだろ?いーい脂乗ってんの使ってるじゃねぇか!!」
ガツガツと串に刺さったお肉とお野菜を口の中に収めつつ、山のように盛られたオニギリもパクパクと口に押し込んでいます。
右手には串、左手にはオニギリ。
見るからに団長ってば食いしん坊さん。
そんな団長に負けじと、騎士たちも美味しさから来る身体の震えを抑え込み、串とオニギリ両手持ちな食いしん坊スタイルで舌鼓を打つのでした。
そんなこんなで、山盛りに準備されていたお肉もオニギリも、気づけばすっかり綺麗に食べ尽くされていました。普段、食事は騎士たちと寮母♂さんは別々に食べる事が多いのですが、今回は寮母♂さんも一緒に食べました。騎士たちは、たくさん寮母♂さんと触れ合えて、美味しいご飯もたっぷり食べられて大満足です。
「ふぅ、食った食った。たまにはこう言うメシもいいなぁ。普段は仕事として作ってるが、今日はお前ら騎士たちの仲間になれた気分だったよ。ありがとうな?」
食器は寮の台所へ運び、お庭の設営もみんなで片付けます。
ちなみに台所では、団長が一人で食器を洗っています。
騎士たちが、
「俺たちは寮生活費を給与から天引されていますが団長は無銭でここに居座る気ですか?」
と詰め寄ったため、寮母♂さんがガハハハと笑って団長に皿洗いを命じたのでした。
なので、今お庭には居るのは寮母♂さんと4人の騎士たちだけです。
「仲間⋯⋯。俺は、寮母♂さんの現役時代を知りませんが、寮母♂さんを知ってる先輩たちから話を良く聞きます。団長からも。俺は、出来れば寮母♂さんと一緒に騎士の仕事をしたかったです」
「今日は野営の練習ですかね、かなり豪勢で美味しくて楽しい野営ですけど」
「僕にとって寮母♂さんは尊敬する騎士のOBであり、寮母♂さんで、指導者で⋯⋯仲間って思いたいです⋯⋯おこがましいかも知れませんが」
「寮母♂さんが居なければ、俺たちは生活出来ません。寮住まいの騎士にとって居なくてはならない存在です。大きな意味では寮母♂さんだって騎士なのではないですか?そう考えれば、俺たちは仲間と言って良いと思います。もちろん、尊敬する大大大先輩ですけど!」
騎士たちが思い思いに気持ちを伝えます。
それを聞いて、寮母♂さんはちょっとはにかみながら「ありがとう」と騎士たちにお礼を言いました。
その表情に騎士たちがズキューン♡と撃ち抜かれたのは言うまでもありませんね。
𓂃𓈒𓂂𓏸
お片付けが全て終われば、騎士たちは就寝時間まで自由時間です。思い思いに時間を過ごすと思えば、4人揃って寝間着を持って寮母♂さんのもとにやって来ます。
「「「「寮母♂さん!一緒にお風呂入りましょう!」」」」
「お、いいな。」
と、答えたのは談話室で寛いでいる団長でした。
ギンッと、4人の騎士たちが団長を睨みます。
お前には、聞いてない。
と、言わんばかりです。
「うはははは。分かってる分かってる。団長とも一緒に入りたいんだろ?いいぞ。今日は特別だ。みんなで一緒に入ろうな?」
色々と分かってない寮母♂さんがご機嫌に騎士たちのお願いに応え、自室から着替えを持ってきました。
ちなみに、今回持ってきた着替えは寝間着ではありません。寮母♂さんの寝間着は、それはそれは扇情的な素材ですからね。配慮が出来る寮母♂さんなのです。
騎士たちと団長、それと寮母♂さん。
大浴場で一緒にお風呂です。
団長も騎士たちも脱衣所でソワソワしています。
そんな彼らを気にする事無く、寮母♂さんは勢い良く着ているものを脱ぎました。
するとどうでしょう。
フワァーオ♡と言うSEと共に、寮母♂さんの雄胸の辺りと腰回り全体がキラキラで真っ白なナニカで包まれました。
そこ!!そこが見たいのに!!と団長と騎士たちが目を凝らしますが、何も見えません。
そう、見えないのです。
ここはR15の世界なので、寮母♂さんの色々が守られているのです。
ちょっとしょんぼりした団長と騎士たちですが、見えずとも気持ち良さそうに湯船に浸かる寮母♂さんの表情やら、しとどに濡れた髪の毛や首周りに鎖骨、等などを堪能したので、夜は色々と捗りそうな気配です。
𓂃𓈒𓂂𓏸
そうして、一緒にお風呂を楽しめば、そのまま流れるように談話室に集まりみんなでボードゲーム。
一抜けには寮母♂さんお手製のアイスクリームが振る舞われ、⋯⋯かと思えば結局みんなでアイスクリームを食べ、仲良く液体歯磨きでうがいをし、就寝時間まで楽しく過ごしました。
「寮母♂さん、一緒に過ごしてくださりありがとうございます」
「とても楽しかったです。ありがとうございます」
「もしかして寮母♂さんまだお仕事残ってますか?」
「僕たちがお手伝い出来る事はありますか?」
騎士たちが寮母♂さんにお礼を言ったり気遣った言葉を伝えると、ニッコリ笑って寮母♂さんは首を横に振ります。
「いんや、何も無ぇよ。今日は俺ものんびり過ごすつもりで日中に全部仕事は片付けてある。だから俺もお前らと一緒に就寝だ」
「じゃぁ俺と一緒に寝ようぜっ!」
「「「「黙れ団長」」」」
騎士たち4人一斉に団長に飛び掛かりましたが、団長は余裕のお顔でヒラリと避けました。
そんなやり取りを見て、やっぱり寮母♂さんはガハハハと笑うのです。
結局、団長は寮の空き部屋に追いやられ、騎士たちに厳重に外から鍵をかけられ、寮母♂さんにはしっかりとお部屋の鍵をかけ、なんなら結界魔法を使うようにと忠告し、各々のお部屋に戻るのでした。
消灯を済ませた寮母♂さんは、自室に戻り言われた通りしっかりと施錠し結界魔法を施しました。そして、生まれたままの姿になると、着心地の良い寝間着に身を包み、ベッドに横たわります。
「⋯⋯楽しかったな⋯⋯」
誰に言うでもなく、独り言。
そしてゆっくりと目を閉じます。
少しだけ、現役時代を思い出しながら。
仲間の騎士たちとワイワイと過ごした日々を思い出しながら。
そして、自分は二度とその場所には立てないのだと改めて自覚しながら。
少しおセンチになりながら、寮母♂さんは眠りにつきました。
おやすみなさい。
明日もみんな笑顔でいられますように。
おしまい。
✚✚✚✚✚✚✚✚✚
ここまでお読みいただきありがとうございます。
不定期で更新しております。
よろしければ、今後も寮母♂さんをよろしくお願いします。
人数は……1、2、3……全員で4人のはずが……1人多いですね。
全員で5人でした。
「寮母♂、俺の分もあるだろ?」
はい、騎士団長の登場です。
𓂃𓈒𓂂𓏸
4人の騎士たちにあまり歓迎されてない雰囲気の騎士団長ですが、気にする事はありません。
そんな些細な事をいちいち気にしていたら寮母♂さんに会えなくなってしまいますからね。騎士団長は、鈍感もしくは神経が図太くてちょうど良いのです。
「なんだ、団長も来たのか。まぁ肉も野菜も多めに用意してるから、お前が1人2人増えたって問題は無ぇ」
「流石俺の寮母♂!分かってるなぁ!」
そう言いながらご機嫌にギュギュッと騎士団長が寮母♂さんの肩を抱きました。
「団長!近いです!」
「寮母♂さんから離れてください!」
騎士たちが騎士団長を威嚇します。
けれども勿論、騎士団長は意に介しません。
むしろニヤニヤ笑いながら騎士たちを見る始末です。
「ははっ、俺らは元同僚だからこれくらいの距離が当たり前なんだよ。お前らも悔しかったらやってみろ」
「ぐぬぬぬ……」
「で……でも!僕らは今朝寮母♂さんにギュギュッと額にキスしてくれましたもんねーだ!」
「なぬっ!?」
へへーん!と騎士たちが騎士団長にドヤ顔でマウントを取り始めました。
「ははっ、相変わらずお前らは仲がいいな。とりあえずお前らは手洗いうがいして、部屋着に着替えて来い。団長はそのままで良いのか?」
「いや、着替えを持ってきた。なんなら寝間着もあるから今夜は寮母♂の部屋に泊めて♡♡」
ドスン!
ザシュ!
ヒュン!
ドゴン!
団長の右側に、斧が突き刺さりました。
背後に長剣、左に短剣、真上にハンマー。
もちろん、団長は軽やかに全て避けました。
「お前ら寮母♂があぶねーだろーが!」
「「「「団長を狙ったんですよ!」」」」
騎士たちが吠えます。
そんなやり取りを、やっぱり寮母♂さんはニコニコ笑って眺めるのでした。
𓂃𓈒𓂂𓏸
騎士たちと団長が寮で身支度を整えている間に、寮母♂さんは夕飯の準備を始めます。
バーベキューコンロの着火剤に火を付けると、網にお肉の串を並べました。時々、刷毛でタレを塗りながらひっくり返します。寮のお庭には、なんとも良い匂いが広がります。
「寮母♂さぁぁぁん!!美味しそうな匂いが部屋にも漂ってきましたよ!我慢できません!」
一番に支度を整えてきた騎士が駆け足でやって来ました。
寮母♂さんは、そんな騎士の頭をヨシヨシと撫でつけ、皆が揃うまで待つように指示しました。
そうこうしているうちに、全員が寮のお庭に集まりました。団長もリラックスした格好をしていますね。騎士たちは、隙あらば団長に攻撃を仕掛けようとしています。
「よーっし、全員揃ったな?肉はすでに焼いてるから、どんどん食え。あとは、オニギリも作ってあるから、そっちも自由につまめ。残っても大丈夫だ。無理して食うんじゃねーぞ?」
「はーい!」
「いただきます!」
等々、騎士たちも団長も思い思いに食事のご挨拶を済ませ、焼かれたお肉に手を伸ばしました。
ガブリ、と一口噛み締めればジュワっと肉汁が垂れてきます。お行儀なんてものは、BBQには無粋です。ジュルルっと汁を啜ってモギュモギュと噛み締めます。焼かれていたお肉はプーミャンみたいですね。噛み切りやすく、赤身と脂身のバランスの良いお肉です。そこに、寮母♂さん秘伝のタレも絡んでいますから、かぶりついた騎士たち、団長はプルプルと震えてしまいました。
その、震えを一番に抑え込んだのは団長です。さすがですね。
「うっっっめぇぇぇぇ!!!寮母♂!また腕上げただろ?なにこのタレめっちゃウメェじゃん!コメだ!コメが欲しい!肉はプーミャンだろ?いーい脂乗ってんの使ってるじゃねぇか!!」
ガツガツと串に刺さったお肉とお野菜を口の中に収めつつ、山のように盛られたオニギリもパクパクと口に押し込んでいます。
右手には串、左手にはオニギリ。
見るからに団長ってば食いしん坊さん。
そんな団長に負けじと、騎士たちも美味しさから来る身体の震えを抑え込み、串とオニギリ両手持ちな食いしん坊スタイルで舌鼓を打つのでした。
そんなこんなで、山盛りに準備されていたお肉もオニギリも、気づけばすっかり綺麗に食べ尽くされていました。普段、食事は騎士たちと寮母♂さんは別々に食べる事が多いのですが、今回は寮母♂さんも一緒に食べました。騎士たちは、たくさん寮母♂さんと触れ合えて、美味しいご飯もたっぷり食べられて大満足です。
「ふぅ、食った食った。たまにはこう言うメシもいいなぁ。普段は仕事として作ってるが、今日はお前ら騎士たちの仲間になれた気分だったよ。ありがとうな?」
食器は寮の台所へ運び、お庭の設営もみんなで片付けます。
ちなみに台所では、団長が一人で食器を洗っています。
騎士たちが、
「俺たちは寮生活費を給与から天引されていますが団長は無銭でここに居座る気ですか?」
と詰め寄ったため、寮母♂さんがガハハハと笑って団長に皿洗いを命じたのでした。
なので、今お庭には居るのは寮母♂さんと4人の騎士たちだけです。
「仲間⋯⋯。俺は、寮母♂さんの現役時代を知りませんが、寮母♂さんを知ってる先輩たちから話を良く聞きます。団長からも。俺は、出来れば寮母♂さんと一緒に騎士の仕事をしたかったです」
「今日は野営の練習ですかね、かなり豪勢で美味しくて楽しい野営ですけど」
「僕にとって寮母♂さんは尊敬する騎士のOBであり、寮母♂さんで、指導者で⋯⋯仲間って思いたいです⋯⋯おこがましいかも知れませんが」
「寮母♂さんが居なければ、俺たちは生活出来ません。寮住まいの騎士にとって居なくてはならない存在です。大きな意味では寮母♂さんだって騎士なのではないですか?そう考えれば、俺たちは仲間と言って良いと思います。もちろん、尊敬する大大大先輩ですけど!」
騎士たちが思い思いに気持ちを伝えます。
それを聞いて、寮母♂さんはちょっとはにかみながら「ありがとう」と騎士たちにお礼を言いました。
その表情に騎士たちがズキューン♡と撃ち抜かれたのは言うまでもありませんね。
𓂃𓈒𓂂𓏸
お片付けが全て終われば、騎士たちは就寝時間まで自由時間です。思い思いに時間を過ごすと思えば、4人揃って寝間着を持って寮母♂さんのもとにやって来ます。
「「「「寮母♂さん!一緒にお風呂入りましょう!」」」」
「お、いいな。」
と、答えたのは談話室で寛いでいる団長でした。
ギンッと、4人の騎士たちが団長を睨みます。
お前には、聞いてない。
と、言わんばかりです。
「うはははは。分かってる分かってる。団長とも一緒に入りたいんだろ?いいぞ。今日は特別だ。みんなで一緒に入ろうな?」
色々と分かってない寮母♂さんがご機嫌に騎士たちのお願いに応え、自室から着替えを持ってきました。
ちなみに、今回持ってきた着替えは寝間着ではありません。寮母♂さんの寝間着は、それはそれは扇情的な素材ですからね。配慮が出来る寮母♂さんなのです。
騎士たちと団長、それと寮母♂さん。
大浴場で一緒にお風呂です。
団長も騎士たちも脱衣所でソワソワしています。
そんな彼らを気にする事無く、寮母♂さんは勢い良く着ているものを脱ぎました。
するとどうでしょう。
フワァーオ♡と言うSEと共に、寮母♂さんの雄胸の辺りと腰回り全体がキラキラで真っ白なナニカで包まれました。
そこ!!そこが見たいのに!!と団長と騎士たちが目を凝らしますが、何も見えません。
そう、見えないのです。
ここはR15の世界なので、寮母♂さんの色々が守られているのです。
ちょっとしょんぼりした団長と騎士たちですが、見えずとも気持ち良さそうに湯船に浸かる寮母♂さんの表情やら、しとどに濡れた髪の毛や首周りに鎖骨、等などを堪能したので、夜は色々と捗りそうな気配です。
𓂃𓈒𓂂𓏸
そうして、一緒にお風呂を楽しめば、そのまま流れるように談話室に集まりみんなでボードゲーム。
一抜けには寮母♂さんお手製のアイスクリームが振る舞われ、⋯⋯かと思えば結局みんなでアイスクリームを食べ、仲良く液体歯磨きでうがいをし、就寝時間まで楽しく過ごしました。
「寮母♂さん、一緒に過ごしてくださりありがとうございます」
「とても楽しかったです。ありがとうございます」
「もしかして寮母♂さんまだお仕事残ってますか?」
「僕たちがお手伝い出来る事はありますか?」
騎士たちが寮母♂さんにお礼を言ったり気遣った言葉を伝えると、ニッコリ笑って寮母♂さんは首を横に振ります。
「いんや、何も無ぇよ。今日は俺ものんびり過ごすつもりで日中に全部仕事は片付けてある。だから俺もお前らと一緒に就寝だ」
「じゃぁ俺と一緒に寝ようぜっ!」
「「「「黙れ団長」」」」
騎士たち4人一斉に団長に飛び掛かりましたが、団長は余裕のお顔でヒラリと避けました。
そんなやり取りを見て、やっぱり寮母♂さんはガハハハと笑うのです。
結局、団長は寮の空き部屋に追いやられ、騎士たちに厳重に外から鍵をかけられ、寮母♂さんにはしっかりとお部屋の鍵をかけ、なんなら結界魔法を使うようにと忠告し、各々のお部屋に戻るのでした。
消灯を済ませた寮母♂さんは、自室に戻り言われた通りしっかりと施錠し結界魔法を施しました。そして、生まれたままの姿になると、着心地の良い寝間着に身を包み、ベッドに横たわります。
「⋯⋯楽しかったな⋯⋯」
誰に言うでもなく、独り言。
そしてゆっくりと目を閉じます。
少しだけ、現役時代を思い出しながら。
仲間の騎士たちとワイワイと過ごした日々を思い出しながら。
そして、自分は二度とその場所には立てないのだと改めて自覚しながら。
少しおセンチになりながら、寮母♂さんは眠りにつきました。
おやすみなさい。
明日もみんな笑顔でいられますように。
おしまい。
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ここまでお読みいただきありがとうございます。
不定期で更新しております。
よろしければ、今後も寮母♂さんをよろしくお願いします。
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