おばあちゃんと孫の楽しい夏の思い出

もふきち

文字の大きさ
1 / 1

拓也の夏休みまで

しおりを挟む
拓也は今年小学4年生になる。
両親は昔から拓也のことを可愛がってくれるが、よく仕事で出張に行くことが多いため、幼稚園が終わるまでくらいはよく、おばあちゃんが拓也の面倒を見てくれていた。
拓也はそのためおばあちゃんっ子で、幼稚園児の時からおばあちゃんと一緒にお手伝いを自分からするとてもいい子だった。
拓也が小学校に上がる頃、両親が長期の出張で何年かは家を留守にすることになった。
さすがに短期でも寂しさがあったのに、何年も会えなくなるなんて駄目だということになり、皆んなで話し合って引っ越しをすることになった。だがおばあちゃんは、どうしても残ると言った。「ここには小さいが畑もあるしおじいちゃんと過ごしたここを離れたくない」と思ったのだ。両親は反対したがおばあちゃんもなかなか折れない。とうとう我慢比べのようになり、「ああだ、こうだ」と言いあっていたがとうとう両親が折れたのだ。おばあちゃんの内心は「なかなかやるようになったな、もう少しで折れるところだった」と少しヒヤヒヤしていた。両親の内心は「折れてしまった~後少しだったのに」と悔しそうである。なかなかの接戦だったようだ。
それからは引っ越しの準備やお別れなどで、てんやわんやしていたがあっという間に引っ越す日になった。おばあちゃんと両親と拓也は「元気に過ごしてね」「ちゃんと連絡したり、会いに来るんだよ」と別れを惜しんでいた。泣く拓也におばあちゃんは「手を出してごらん」と言った。差し出した拓也の手のひらに、おばあちゃんは何かのせたようだ。それは拓也の大好きな犬のキーホルダーだった。おばあちゃんは「それは御守りだよ。拓也がいつまでも元気で居られるようにと思ってな、おばあちゃんが作ったんだよ。だからいつまでも元気に頑張るんだよ」と言ったのだ。拓也はまだ涙目だったが、貰った犬のキーホルダーを大事にギュッと握りしめて「ウン…ウン」と頷いたのだ。
それから4年がたった。拓也は勉強も頑張り、両親のお手伝いも自分からするいい子だった。おばあちゃんから貰った犬のキーホルダーは拓也がとっても大事にして、今も持っている。4年間の間に休みの時などはおばあちゃんのところに行っていたが、いっても滞在するの長くて4日間ぐらいの短い時間だ。だが今年の夏休みは違う。
両親が1ヶ月ほど出張に行かなくてはならないのだ。本当は行く予定は無かったが、急遽決まったのだ。両親は「せっかくたっくんと一緒に遊ぶ為に色々計画立ててたのに~」「ごめんね~」とすごく落ち込んでるようだ。拓也は「大丈夫だよ。遊べないのは悲しいけどまた一緒に遊ぼう。お仕事頑張ってね」と少し寂しそうだけど理解してくれたようだ。両親は感激して拓也に「たっくん~」といって抱きついていた。
3人で話し合って夏休みは、おばあちゃんのところへ行くことになった。
両親は「1人は初めてだから迷子にならない」「変な人についていっちゃダメよ、お菓子あげるからって言われても駄目だよ」とすごく心配していた。拓也は「もうそんなに子供じゃないから大丈夫だよ」と少しプンプンしていた。
両親は拓也に充分なお金を渡し、いろんなことを注意していた。両親は「かわいい子には旅をさせろよ」と頑張って心を鬼にしていた。そんな両親をよそに拓也は「やった~おばあちゃんの家にける、楽しみだな~」ととてもウキウキしていた。
準備なども終わり、ついに拓也はおばあちゃんの家に向かったのだ。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

処理中です...