93 / 117
番外編
誰だろう?
しおりを挟む
ふわっと身体が浮いた。
ぼくは抱っこされて、じいじの腕に乗っている。
「じいじー」
じいじの首に抱きつくと、じいじがほっぺたにすりすりしてくれる。
「直くん、この前会った時よりおっきくなったな」
「うん! なお、おっきくなっちゃのー! じいじもおっきくなっちゃねー」
「ははっ。そうか。それは嬉しいな」
優しいじいじが笑ってくれる。ぼくはみんなが笑顔なのが嬉しい。
「直くん、おじいちゃんのところにもおいで」
じいじの腕に乗っていると、じーちゃが隣に来て手を伸ばしてくれる。
「じいじ、いいー?」
「ああ、行っておいで」
じいじが笑顔を向けてくれるから僕はじーちゃに手を伸ばした。
軽々と持ち上げられて、あっという間にじーちゃの腕に乗った。
じいじもじーちゃもおっきいから、今のぼくはたもちゅおいちゃよりも背が高い。
「じーちゃ。なおにあえてうれちぃ?」
「ああ、もちろんだよ」
「なおも、じーちゃにあえてうれちー!」
「そうか、そうか」
じいじもじーちゃもみんな優しい。だから嬉しくてたまらない。
「直くん、保おじちゃんのところにも行くか?」
「うん!」
じーちゃがぼくをたもちゅおいちゃに渡すと優しく抱っこしてくれる。
じいじやじーちゃよりもなんだか柔らかくて、あーちゃに抱っこされているみたいな気持ちになる。
「たもちゅおいちゃのだっこ、ちゅきー。あーちゃみたい」
「絢斗さんみたいか。そうか、よかった」
みんなに抱っこしてもらって満足していると、あーちゃと、ちゅぐうちゃがこっちに来た。
「直くん、保に抱っこしてもらってよかったな」
「うん。ちゅぐうちゃもー!」
手を伸ばすと、ちゅぐうちゃがぼくを抱っこしてくれる。
うん、みんなの抱っこが好きだけど、やっぱりちゅぐうちゃの抱っこが安心するかも。
「さぁさぁ、そろそろ行きましょう。敬介くんが待っているわ」
けいすけくん? 誰だろう?
おともだちになれるかな?
どんな子だろう。
ちょこっとドキドキしながら、ちゅぐうちゃに抱っこされておっきな建物の中に入る。
どこに行くんだろう。ちょっと怖くなってきて、ちゅぐうちゃの首にしがみついた。
「直くん、大丈夫だよ。みんなで楽しいところに行くんだ」
「たのちーところ?」
「そうだよ。すっごく楽しいからね」
あーちゃも隣に来てくれて教えてくれる。
そっか。たのしーところなんだ。
なんだか楽しみになってきたな。
<side昇>
じいちゃんと大おじちゃんとたもつおじちゃんが車から降りてきて、直くんに声をかける。
直くんはトコトコとかけていって、じいちゃんに抱きついた。
その時のじいちゃんの顔は見たことがないくらいにすっごく嬉しそうだった。
「絢斗さん。今のお義父さんの顔、見ました?」
「うん。すっごく嬉しそうだったね。お義父さんも可愛いところあるなぁ」
おかーさんとあやとさんが楽しそうに話してる。
でもおれはちょっとつまんない。
おれだって直くんを抱っこしたいのにさ。
じいちゃんたちみたいにおっきくないから座ってる時じゃないと危ないって言われるし。
あーあ、早く直くんを軽々と抱っこできるくらいにおっきくなりたいなー。
じいちゃんたちのところに駆け寄ろうとすると、おかーさんに止められた。
「ほら、おじいちゃんたちせっかく直くんを抱っこできて喜んでるんだから邪魔しないの。その代わり、直くんの可愛いドレスを選ぶのは昇の意見を聞いてあげるから」
「本当? 絶対だよ!!」
「はいはい。大丈夫よ」
直くんの可愛いドレスをおれが選ぶ。
直くんにはどんなのが似合うかなー。
あの絵本のお姫さまみたいなドレスがいいかなー?
色は何色が似合うかなー。
ふわふわしたのが可愛いかなー。
んー!! 楽しみになってきたな。
やっと直くんたちの挨拶も終わってみんなで移動する。
この中に直くんのドレスがあるんだ!!
「さぁ、ここよ」
ばあちゃんが教えてくれた部屋に入ると、
「いらっしゃい、待ってましたよ」
とあやとさんみたいなすごくきれいな人に出迎えられた。
誰? この人?
ぼくは抱っこされて、じいじの腕に乗っている。
「じいじー」
じいじの首に抱きつくと、じいじがほっぺたにすりすりしてくれる。
「直くん、この前会った時よりおっきくなったな」
「うん! なお、おっきくなっちゃのー! じいじもおっきくなっちゃねー」
「ははっ。そうか。それは嬉しいな」
優しいじいじが笑ってくれる。ぼくはみんなが笑顔なのが嬉しい。
「直くん、おじいちゃんのところにもおいで」
じいじの腕に乗っていると、じーちゃが隣に来て手を伸ばしてくれる。
「じいじ、いいー?」
「ああ、行っておいで」
じいじが笑顔を向けてくれるから僕はじーちゃに手を伸ばした。
軽々と持ち上げられて、あっという間にじーちゃの腕に乗った。
じいじもじーちゃもおっきいから、今のぼくはたもちゅおいちゃよりも背が高い。
「じーちゃ。なおにあえてうれちぃ?」
「ああ、もちろんだよ」
「なおも、じーちゃにあえてうれちー!」
「そうか、そうか」
じいじもじーちゃもみんな優しい。だから嬉しくてたまらない。
「直くん、保おじちゃんのところにも行くか?」
「うん!」
じーちゃがぼくをたもちゅおいちゃに渡すと優しく抱っこしてくれる。
じいじやじーちゃよりもなんだか柔らかくて、あーちゃに抱っこされているみたいな気持ちになる。
「たもちゅおいちゃのだっこ、ちゅきー。あーちゃみたい」
「絢斗さんみたいか。そうか、よかった」
みんなに抱っこしてもらって満足していると、あーちゃと、ちゅぐうちゃがこっちに来た。
「直くん、保に抱っこしてもらってよかったな」
「うん。ちゅぐうちゃもー!」
手を伸ばすと、ちゅぐうちゃがぼくを抱っこしてくれる。
うん、みんなの抱っこが好きだけど、やっぱりちゅぐうちゃの抱っこが安心するかも。
「さぁさぁ、そろそろ行きましょう。敬介くんが待っているわ」
けいすけくん? 誰だろう?
おともだちになれるかな?
どんな子だろう。
ちょこっとドキドキしながら、ちゅぐうちゃに抱っこされておっきな建物の中に入る。
どこに行くんだろう。ちょっと怖くなってきて、ちゅぐうちゃの首にしがみついた。
「直くん、大丈夫だよ。みんなで楽しいところに行くんだ」
「たのちーところ?」
「そうだよ。すっごく楽しいからね」
あーちゃも隣に来てくれて教えてくれる。
そっか。たのしーところなんだ。
なんだか楽しみになってきたな。
<side昇>
じいちゃんと大おじちゃんとたもつおじちゃんが車から降りてきて、直くんに声をかける。
直くんはトコトコとかけていって、じいちゃんに抱きついた。
その時のじいちゃんの顔は見たことがないくらいにすっごく嬉しそうだった。
「絢斗さん。今のお義父さんの顔、見ました?」
「うん。すっごく嬉しそうだったね。お義父さんも可愛いところあるなぁ」
おかーさんとあやとさんが楽しそうに話してる。
でもおれはちょっとつまんない。
おれだって直くんを抱っこしたいのにさ。
じいちゃんたちみたいにおっきくないから座ってる時じゃないと危ないって言われるし。
あーあ、早く直くんを軽々と抱っこできるくらいにおっきくなりたいなー。
じいちゃんたちのところに駆け寄ろうとすると、おかーさんに止められた。
「ほら、おじいちゃんたちせっかく直くんを抱っこできて喜んでるんだから邪魔しないの。その代わり、直くんの可愛いドレスを選ぶのは昇の意見を聞いてあげるから」
「本当? 絶対だよ!!」
「はいはい。大丈夫よ」
直くんの可愛いドレスをおれが選ぶ。
直くんにはどんなのが似合うかなー。
あの絵本のお姫さまみたいなドレスがいいかなー?
色は何色が似合うかなー。
ふわふわしたのが可愛いかなー。
んー!! 楽しみになってきたな。
やっと直くんたちの挨拶も終わってみんなで移動する。
この中に直くんのドレスがあるんだ!!
「さぁ、ここよ」
ばあちゃんが教えてくれた部屋に入ると、
「いらっしゃい、待ってましたよ」
とあやとさんみたいなすごくきれいな人に出迎えられた。
誰? この人?
1,027
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。
下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。
大国の第一王子・αのジスランは、小国の第二王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。
ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄するから受け入れてほしいと言われる。
理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、
「必ず僕の国を滅ぼして」
それだけ言い、去っていった。
社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。
【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
お前を愛することはないと言われたので、姑をハニトラに引っ掛けて婚家を内側から崩壊させます
碧井 汐桜香
ファンタジー
「お前を愛することはない」
そんな夫と
「そうよ! あなたなんか息子にふさわしくない!」
そんな義母のいる伯爵家に嫁いだケリナ。
嫁を大切にしない?ならば、内部から崩壊させて見せましょう
一日だけの魔法
うりぼう
BL
一日だけの魔法をかけた。
彼が自分を好きになってくれる魔法。
禁忌とされている、たった一日しか持たない魔法。
彼は魔法にかかり、自分に夢中になってくれた。
俺の名を呼び、俺に微笑みかけ、俺だけを好きだと言ってくれる。
嬉しいはずなのに、これを望んでいたはずなのに……
※いきなり始まりいきなり終わる
※エセファンタジー
※エセ魔法
※二重人格もどき
※細かいツッコミはなしで
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる