醜い傷の女とおっしゃいますが、元はあなたの傷ですから、お返しします。

「おまえとの婚約は破棄する。傷物の女が王のそばに侍る気か! 分をわきまえよ!」
「殿下、それだけは……!」
 ルドヴィカは止めようとしたが、間に合わなかった。
 彼が知らずに破棄したそれは、婚約契約などではない。王子の傷をルドヴィカが受け持つという契約だ。
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