とても好きな話です。人の求める根底ってこんな感じだと思いました。うわべの綺麗事なんかよりよっぽどしっくりきます。綺麗事で成り立つお話もありますが、これはそういうのじゃないですね。
つくし×つくされな2人だった、というのが腑に落ちた瞬間でした。

カス父が何の反省も後悔もなくのうのうと生きてるのが胸糞、後継者育成すら娘任せかよ、終わってんな。
王子はコンプこじらせた相手が欠損した姿を見て胸が潰される様な思いをするどころか喜んじゃって、まぁ・・・
それでやっと向き合えて優しく出来てって、はぁ、へえ・・・
主人公は結局、DV被害者思考から脱せないままで、脚を失ったから幸せになったと感じてるのが実にホラー。
選択肢が無いって悲しいね。
いや、ハピエンとは書いてないしメリバなら有りか、メリバタグお願いします。

頑張って頑張って尽くしてきたエルリーゼが、更に右足を神様に差し出したことで、幸せになれたと思っているのが最高に病んでるなぁと感じました。
何も悪い事をしていないのに、そこまでしないと幸せになれないって罪人か？と普通なら思うところを、母親の生きざまを見てしまったばかりに、そうと刷り込まれてしまっていて。
願わくは、彼女の子供達がその価値観を受け継ぎませんように。

愛人に逃げて妻を間接的に殺し、罪悪感に浸って仕事もせず、成人もしてない娘任せにした父親が一番のガンで、彼こそ罰からの代償を払う側だろうに、普通に生きてる。
後継者育てたのも結局エルリーゼだし。

ひねくれた私は、王子は勝手に劣等感拗らせたうえ、エルリーゼが自分より（王子感覚で）劣ったことで頼られる側になったから愛せるようになったと捉えてしまいます。
男尊女卑の世界が舞台のようですし、前や隣を歩くパートナー（女性）は面白くないという器の小さな人間なんだなと。
いくらその後に溺愛してても、自分の庇護下だから可愛いという無意識が下地にありそうと勘繰ってしまう。

まぁでも、世の中は理不尽に溢れているし、本人達が幸せなら良かったね、というほの暗さを余韻に思わせてくれた話でした。
ありがとうございました。