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そよそよと風に吹かれて揺れる髪に顔をくすぐられるが、ひどく眠くて目がなかなか開かない。
『……ん? 窓、開けて寝たっけ?』
いくら田舎でも独り暮らしなので、いつもは戸締まりをしているはず……それに、
『なんか……草の匂い? それに……土……の匂い?
えっ、おかしくない?なんでこんなにすぐ近くに土の匂いがするの?それより手とかチクチクするのは何? 草の匂いがするけど……まさかね』
自分のいる場所に不安を感じながら、ゆっくりと目を開けていく………太陽が真上にある。
「なじぇ、しょと?」 んん?
「だえか いりゅにょ?」 !?
「あーあー、てしゅてしゅ…………。ましゃか……わたちにょ こえ?」
起き上がろうと身体を動かして気がついた
「てがちいしゃい?」
なんとか上体を起こし身体を見ると、
『なんてこと! ささやかながらもあった美胸(自称)はどこに?
それに、なんとまぁ小さく可愛いあんよでしょう』
あまりの事に声も出ず、知らずムンクの叫び。
「にょーーーーー!!」
そのまま数秒か数分固まった。
そよ風に吹かれた落ち葉が足に当たったことで我に返って周りを見ると、やはり外で間違いない。
「かりゃだ……」
『くっ……滑舌が!……身体が幼児化? してる……。夢? にしては肌に触れるものも、匂いもリアルすぎる』
バランスが悪く、すぐ転んでしまいそうな程小さくなった身体でなんとか立ち上がって改めて周りを見渡すと、今いる場所は林か森に見えるが人の家は視界が低いからかもしれないが一軒も確認できない。
『ここ何処なのよ~、訳分かんなさすぎて泣きそう…………民家の影も形も無いなんて…………』
『目覚める前って何してたっけ?
たしか………そうだ! もふもふ! もふもふまみれ、うへへへぇ…………じゃないっ! まだもふもふ鑑賞の予定があったのに……くっ! わたしの癒しだったのに!』
一人で百面相をしつつ、自分の小さくなった手を見つめ更に思い返す
『誰かが急にぶつかってきたと思ったら、身体が酷く痛かったのよね? あの時感じた "ぬるっ" とした感触……ひょっとして血? だったとか?』
真面目な顔になり身体中を触って確認するが、何処にも怪我はなさそうで安心する。
『もしかして、わたし、死んじゃった………のかな?
でも幼児化して天国ってのも変よね。それにここ天国って感じじゃないし、……じゃあ何? まさか今流行りの転生ってやつ?』
そこまで考えて表情が変わって、さっきまで自分が寝ていた場所を念入りに確認し始める。
『ない、無い、何処にも無い!! わたしのもふもふがない!』
しばらく探してみたがやはり無い。大事な物がたくさん保管してある大切な、大切なわたしの……。
「かむば---っく!! わたちにょ しゅまほ---!」
もふもふ鑑賞が出来なくなるは、訳の分からないところにいるは、身体はちっちゃくなってるは、スマホまで無くなるなんて、ここまで最悪な日もなかなか無いよ!
「うっ……ううっ………ちょころじぇ」
スマホの事は悲しいが悲しんでばかりもいられない。いつまでもこのままではいけないはず。
何かヒントや策があるはず、考えないと…………。
『そんなの分かるかーーー! ハァハァ………………少しスッキリした』
一気にたまったストレスの発散には大声が一番です!!
ここで新たな発見。動きやすくを心掛けたアクティブカジュアルだったのに、靴は茶色の編み上げブーツ、服は薄いグリーンのお洒落ワンピースに変わっている。
そしてもう一つ、今まで視界にはチラチラと入っていたが考えないようにしていた……髪。
『黒髪だったのに見える範囲だけ見ても間違いなくピンク? いや赤…かな? グラデーションになってるのか? 派手じゃない!? 大丈夫かコレ!?』
『……ん? 窓、開けて寝たっけ?』
いくら田舎でも独り暮らしなので、いつもは戸締まりをしているはず……それに、
『なんか……草の匂い? それに……土……の匂い?
えっ、おかしくない?なんでこんなにすぐ近くに土の匂いがするの?それより手とかチクチクするのは何? 草の匂いがするけど……まさかね』
自分のいる場所に不安を感じながら、ゆっくりと目を開けていく………太陽が真上にある。
「なじぇ、しょと?」 んん?
「だえか いりゅにょ?」 !?
「あーあー、てしゅてしゅ…………。ましゃか……わたちにょ こえ?」
起き上がろうと身体を動かして気がついた
「てがちいしゃい?」
なんとか上体を起こし身体を見ると、
『なんてこと! ささやかながらもあった美胸(自称)はどこに?
それに、なんとまぁ小さく可愛いあんよでしょう』
あまりの事に声も出ず、知らずムンクの叫び。
「にょーーーーー!!」
そのまま数秒か数分固まった。
そよ風に吹かれた落ち葉が足に当たったことで我に返って周りを見ると、やはり外で間違いない。
「かりゃだ……」
『くっ……滑舌が!……身体が幼児化? してる……。夢? にしては肌に触れるものも、匂いもリアルすぎる』
バランスが悪く、すぐ転んでしまいそうな程小さくなった身体でなんとか立ち上がって改めて周りを見渡すと、今いる場所は林か森に見えるが人の家は視界が低いからかもしれないが一軒も確認できない。
『ここ何処なのよ~、訳分かんなさすぎて泣きそう…………民家の影も形も無いなんて…………』
『目覚める前って何してたっけ?
たしか………そうだ! もふもふ! もふもふまみれ、うへへへぇ…………じゃないっ! まだもふもふ鑑賞の予定があったのに……くっ! わたしの癒しだったのに!』
一人で百面相をしつつ、自分の小さくなった手を見つめ更に思い返す
『誰かが急にぶつかってきたと思ったら、身体が酷く痛かったのよね? あの時感じた "ぬるっ" とした感触……ひょっとして血? だったとか?』
真面目な顔になり身体中を触って確認するが、何処にも怪我はなさそうで安心する。
『もしかして、わたし、死んじゃった………のかな?
でも幼児化して天国ってのも変よね。それにここ天国って感じじゃないし、……じゃあ何? まさか今流行りの転生ってやつ?』
そこまで考えて表情が変わって、さっきまで自分が寝ていた場所を念入りに確認し始める。
『ない、無い、何処にも無い!! わたしのもふもふがない!』
しばらく探してみたがやはり無い。大事な物がたくさん保管してある大切な、大切なわたしの……。
「かむば---っく!! わたちにょ しゅまほ---!」
もふもふ鑑賞が出来なくなるは、訳の分からないところにいるは、身体はちっちゃくなってるは、スマホまで無くなるなんて、ここまで最悪な日もなかなか無いよ!
「うっ……ううっ………ちょころじぇ」
スマホの事は悲しいが悲しんでばかりもいられない。いつまでもこのままではいけないはず。
何かヒントや策があるはず、考えないと…………。
『そんなの分かるかーーー! ハァハァ………………少しスッキリした』
一気にたまったストレスの発散には大声が一番です!!
ここで新たな発見。動きやすくを心掛けたアクティブカジュアルだったのに、靴は茶色の編み上げブーツ、服は薄いグリーンのお洒落ワンピースに変わっている。
そしてもう一つ、今まで視界にはチラチラと入っていたが考えないようにしていた……髪。
『黒髪だったのに見える範囲だけ見ても間違いなくピンク? いや赤…かな? グラデーションになってるのか? 派手じゃない!? 大丈夫かコレ!?』
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