という話

門松一里

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「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話

「沈黙」という話-2

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「沈黙」という話-2

あまりにダークなので、ブラックジョークになりません。今回は読み飛ばしても大丈夫です。

【武国日本】
江戸時代は、完全な武力国家でした。民を力でねじ伏せていた訳です。

一方で、当時の中国の明は儒学思想からの道徳や仁によって政治を行う徳治・礼治の「聖人の国」でした。徳のある君主(明であれば皇帝)が、人民を教化して、仁政を施す理想国家です。

「文明」的な国相手に戦争した日本はかなり「野蛮」な国とされました。で、引き籠もります。#blackjoke

江戸幕府はちゃっかり儒学の朱子学を導入して、見せかけの徳治・礼治の国家を形成します。幕藩体制の根幹である身分制度の確立です。

身分制度は、同じ武士であっても上下があり、下級武士は着る物からして上級武士と違います。持ち物はおろか言葉遣いや書き物も違うのです。

なお、幕末に「こんなバカなことがあるものか!」と怒ったのが福沢諭吉です。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」ですね。『学問のすゝめ』は単に「勉強しましょう」という本ではなくて、列強諸国による侵略から「いかに独立すべきか」という政治思想的な本です。原文では「『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』と言えり」となっていて、厳密には福沢諭吉の言葉ではありません。アメリカ独立宣言からの引用と言われています。

下級武士でさえそうですから末端の農民の差別ときたら……。想像するにあまりある……うるうるです。

現実が悲惨なら死んで来世とか考えますよね……。

【宗教的迫害】
1587年のバテレン追放令から布教は禁止されましたが、信仰は大丈夫でした。というのも、魅力的な南蛮貿易(♩)があったからです。

賢いイエズス会は布教を自粛していたのですが、後から来たフランシスコ会が「愚民に聖なる教えを説いてやるぜ」とやっちゃいます。

いつの世でも情勢を見ない人はいますが、そこに運悪くサン・フェリペ号事件です。

1596年、座礁したサン・フェリペ号の積み荷を豊臣秀吉が没収したので、怒った水先案内人が世界地図を見せながら「俺たちのスペインはこんなにも大きくて、お前らの国はこんなに小さいだぜ! スペイン国王はまず宣教師を派遣して布教活動で信者を増やして征服してきたんだ! ははは」と言ってしまいます。

南蛮貿易による利を知っていた豊臣秀吉ですが、その負の面もよく理解していました。ポルトガル商人は、奴隷として日本人を海外に売り飛ばしていた(!)のです。バテレン追放令によって日本人の人身売買が禁止された後もです。

繰り返しますが、文禄の役が1592年―1593年で、慶長の役が1597年―1598年です。

空気読め、です。

1597年に豊臣秀吉は理由不明のままで、カトリック教会信者26人を処刑しました。単純にいうと見せしめでしょうね。孤独な施政者がよく使う手です。聚楽第に落書されたときにも使いました。

亡くなった26人は、1862年に列聖され日本二十六聖人となります。なお、聖人になるにはとても時間が経かります。ジャンヌ・ダルクが亡くなったのは1431年ですが、列聖されたのは1920年(!)です。

【キリスト教徒による宗教的迫害】
やってやられてやられてやって――宗教による迫害は目に余るものがあります。

私など、楽しくやればいいんじゃあないの♩ と考えていますが、信仰に根をおろした憎悪ははかるべくもないのでしょう。

ローマ帝国の国教になったキリスト教は、今まで迫害していた他宗教を迫害しはじめます。

中世のローマ教皇のカトリック教会では、自らの末席であるキリスト教諸教派を異端として迫害します。

他を認めない唯一神教ですから……。

かなり気分がブルーでしょうから、『空飛ぶモンティ・パイソン』のスケッチをどうぞ。もちろんブラックジョークです。

『スペイン宗教裁判』
'Spanish Inquisition' Compilation - Monty Python's Flying Circus
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