おせっかい転生幼女の異世界すろーらいふ!

はなッぱち

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第四章

12

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「この子は我々と違って、元からこの姿なんですよ」

 おっちゃんが自分の子供を見るような優しい目をヒュイに向けながら言う。

「てぇん」

 転身という変身ではないってことなのかなと聞くと、おっちゃんは頷く。

「人間に近い、いえ神に近い姿のものほど力が強いと言われています。この子は瘴気流の近くで倒れているのを見つけて保護したのですが、古い竜が一柱堕ち流された後だったので、もしかしたら名のある御仁の転生体かもしれません」

 おっちゃんの説明に思わず首を傾げてしまう。よく分からない単語が乱舞していて、聞き流すのも難しい。どこから聞き返せばいいのか私が悩んでいると「うわっ」とヒュイが声を上げた。

「こいつ父ちゃんを治してくれた奴じゃないか。でっかいなぁ」

 私の真似をしているのか、ヒュイの頭の上で跳ねまくるぽちゃ。なんか見ようによっては攻撃的なので、やめなさいと宥めていると頭を混乱させていた単語は分からないというカテゴリーにまとめて放り込まれてしまった。

「このままヒュイも手伝ってくれるか?」

 八つ目の石板を給油し終え、おっちゃんは頼もしい助っ人に続投を願って声をかけてくれる。ぽちゃが気に入ったらしいヒュイは、遊んでいると言うには難しい気もする非常に攻撃的な反応を返す光の玉相手でもお構いなしに絡んでいた。

「うん。見回りの時間までは一緒に片付けするよ」

 おっちゃんに呼ばれ嬉しそうについてくる姿は、なかなかに微笑ましい。

「まぁり?」

 見回りとはなんぞやと尋ねてみると、ヒュイは少しだけ表情を曇らせて「悪い奴がいるんだ」と呟いた。

「畑を荒らしてる奴を一度見たんだ……その時は逃げられたけど、ちょっとびっくりして、ちょっと目を離した隙に逃げられたんだ。あれは人間だった」

 人間と口にする表情は、隠す気のない敵意が滲んでいる。こんな小さい子がする顔じゃないと思い、一度は宥めたぽちゃをけしかけると、ヒュイはボールの例えが難しくなりつつある大きな光の玉に一瞬で夢中になった。

「人間は我々を狩ります。身を守る術のない者も多い集落です。一人で任せることが多いんで心配ですがヒュイに見回りをしてもらっておるのです」
「心配なんて必要ない。父ちゃんはオレが人間ごときにやられると思ってんのか!」

 おっちゃんの言葉に怒ったヒュイが叫ぶと突如、それこそ恐竜にしか見えない手が現れた。そこらにある建物を一撃で破壊しそうな迫力に、思わずぽちゃを抱きしめる。
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