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第四章
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「青様はお疲れではないですか?」
「じょぶ」
気遣いに親指で答える。私がやったことと言えば、石板にペンダントを接続? しているだけで、疲れらしい疲れは一切なかった。私の体感なので定かではないけれど、結界の補修に使った魔力はかなりの量だったのに石の中身、魔力の残量は全く減った感じはない。この調子で他の集落もちょちょいと片付けてしまおう、そう考えているとおっちゃんがタイミング良く口を開いた。
「ルポの規模は、他の集落に住まう者すべてが集まってきても暮らせるくらい広いんですよ」
入り口から一番遠い場所に腰掛けて、改めてルポの風景を眺めてみる。建物は崩れていない物もたくさんあるので、雨風は十分凌げるだろう。動物の姿をした彼らがどんな生活をしているのか、興味がないと言えば嘘になる。アルやおっちゃんが元は普通のウサギや狸だったことを思えば、野生に近い形で暮らしているのかな…………夢みがちなことを言わせてもらえば、どうぶつさんの森みたいな感じだとすごく楽しそうなんだけど、目の前の荒廃からは夢も希望も感じられない。
「ここは人間が整備していた場所ですんで、食べる物や水が豊富なんです。他の集落では食べ物が不足したり、瘴気が近かったりで安全には暮らせません」
おっちゃんの表情も明るくない。
「みんぁ、いしょ、すん」
この集落のキャパが十分ならみんなで暮らしてしまえばいいと、ちょっと短絡的かなと自分でも思うけど提案をしてみる。集落の住人同士が少々揉めようと、目先の安全は大事な気がした。結界を補修しながら思ったんだけど、石板一つ一つが大きな力の塊みたいなものなのに、定期的に補修を必要とするほど摩耗させる瘴気は間違いなく危ないと思った。
「わたしもそう声をかけてまわっているんですが……家族を失った者も多く、人間が作り上げた場所に住処を移すなんてとんでもないと、寄り付きたがらない者が一定数いるんです」
私の目にはただの廃墟にしか見えないけれど、動物たちの目から見ると人間が生活していた痕跡がたくさんあるのかもしれない。
おっちゃんがため息をつくのを何も言えず見守っていると、私たちの前に突然グラハムが現れた。腰掛けた岩から転げ落ちた私たちよりは分かりにくいけれど、グラハムも私たちを見て驚いたようだった。
「お待たせしてしまいましたか?」
のんびりと休憩していたのを誤魔化そうと思ったわけではないけれど、私は首を左右に振り待ってないよと伝える。
「じょぶ」
気遣いに親指で答える。私がやったことと言えば、石板にペンダントを接続? しているだけで、疲れらしい疲れは一切なかった。私の体感なので定かではないけれど、結界の補修に使った魔力はかなりの量だったのに石の中身、魔力の残量は全く減った感じはない。この調子で他の集落もちょちょいと片付けてしまおう、そう考えているとおっちゃんがタイミング良く口を開いた。
「ルポの規模は、他の集落に住まう者すべてが集まってきても暮らせるくらい広いんですよ」
入り口から一番遠い場所に腰掛けて、改めてルポの風景を眺めてみる。建物は崩れていない物もたくさんあるので、雨風は十分凌げるだろう。動物の姿をした彼らがどんな生活をしているのか、興味がないと言えば嘘になる。アルやおっちゃんが元は普通のウサギや狸だったことを思えば、野生に近い形で暮らしているのかな…………夢みがちなことを言わせてもらえば、どうぶつさんの森みたいな感じだとすごく楽しそうなんだけど、目の前の荒廃からは夢も希望も感じられない。
「ここは人間が整備していた場所ですんで、食べる物や水が豊富なんです。他の集落では食べ物が不足したり、瘴気が近かったりで安全には暮らせません」
おっちゃんの表情も明るくない。
「みんぁ、いしょ、すん」
この集落のキャパが十分ならみんなで暮らしてしまえばいいと、ちょっと短絡的かなと自分でも思うけど提案をしてみる。集落の住人同士が少々揉めようと、目先の安全は大事な気がした。結界を補修しながら思ったんだけど、石板一つ一つが大きな力の塊みたいなものなのに、定期的に補修を必要とするほど摩耗させる瘴気は間違いなく危ないと思った。
「わたしもそう声をかけてまわっているんですが……家族を失った者も多く、人間が作り上げた場所に住処を移すなんてとんでもないと、寄り付きたがらない者が一定数いるんです」
私の目にはただの廃墟にしか見えないけれど、動物たちの目から見ると人間が生活していた痕跡がたくさんあるのかもしれない。
おっちゃんがため息をつくのを何も言えず見守っていると、私たちの前に突然グラハムが現れた。腰掛けた岩から転げ落ちた私たちよりは分かりにくいけれど、グラハムも私たちを見て驚いたようだった。
「お待たせしてしまいましたか?」
のんびりと休憩していたのを誤魔化そうと思ったわけではないけれど、私は首を左右に振り待ってないよと伝える。
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