私を追放した人々は、私を追い出した後になってようやく自分たちのあやまちを痛感するのでした
クーベル伯爵家においては、かねてから第一当主アレットの婚約相手探しに躍起になっていた。というのもこの男にはメリーナという妹がいるのだが、彼は彼女ばかりに気をかけ婚約相手など気にもかけないばかりか、かえって迫害する一方であったためだ。
アレットの周囲の人々もまたその異常な事態には感づいていながらも、自らの保身のために誰も真実を口にすることはしなかった。そう言ったことが繰り返されてきた今になって、ようやくこの理不尽な事態に終止符が打たれようとしている。
――エルーテル視点――
「エルーテル様、あなたにはここを去っていただきます。これはアレット様の決定であり、他の者たちもみな賛同しています。ゆえにあなたにこの決定を拒否する事はできません」
婚約者候補として連れてこられたかと思えば、一方的な追放…言いたいことはたくさんあるけれど、私に反論は許されていなかった。
「聞けばあなたは、アレット様の妹君であるメリーナ様を水面下でいじめていたそうではありませんか。彼女からも痛々しい報告を受けています。もうこれ以上我々の事をかき乱すことはやめてもらいましょうか」
嘘だ。この人たちはみんな真実を知っている。現実に嫌がらせを受けているのは私の方だった。メリーナとアレットは自分たちの権力を盾に、こうして力なきものを攻撃してやまないのだ。
そして私への非難がある程度落ち着いたころ、アレット本人が私の目の前に現れた。
アレットの周囲の人々もまたその異常な事態には感づいていながらも、自らの保身のために誰も真実を口にすることはしなかった。そう言ったことが繰り返されてきた今になって、ようやくこの理不尽な事態に終止符が打たれようとしている。
――エルーテル視点――
「エルーテル様、あなたにはここを去っていただきます。これはアレット様の決定であり、他の者たちもみな賛同しています。ゆえにあなたにこの決定を拒否する事はできません」
婚約者候補として連れてこられたかと思えば、一方的な追放…言いたいことはたくさんあるけれど、私に反論は許されていなかった。
「聞けばあなたは、アレット様の妹君であるメリーナ様を水面下でいじめていたそうではありませんか。彼女からも痛々しい報告を受けています。もうこれ以上我々の事をかき乱すことはやめてもらいましょうか」
嘘だ。この人たちはみんな真実を知っている。現実に嫌がらせを受けているのは私の方だった。メリーナとアレットは自分たちの権力を盾に、こうして力なきものを攻撃してやまないのだ。
そして私への非難がある程度落ち着いたころ、アレット本人が私の目の前に現れた。