あの頃伝えたかった、僕らのこと

 幽霊は決して行き倒れになんかなったりしない。
 少なくとも、自分から「お腹空いた‥‥‥」なんて言って、食事を要求したりしてこないものだ。
 江本蒼は祖父の経営する古物屋兼喫茶店で、その常識を覆されてしまう。
 おまけに彼女はただの幽霊ではない。
 生きていて他人から見えなくなってしまったそんな存在なのだ。
 便宜上幽霊なんて呼んでいるけど‥‥‥。
 しかも彼女は、行方不明になったはずの地元のアイドルで蒼の同級生でもある。
 数ヶ月前から消息不明になった彼女は、いろんな場所をさまよい歩きようやくここに辿り着いたらしい。
「あなたにはどうして私が見えるの」
 そして、投げかけられる質問。
 蒼にはかつてとある事故があり、それ以降、祖父の店にある古物の過去が視える、という現象を目の当たりにして来た。
 この二つの不思議は何か関係があるのか?
 事態を調べるために蒼は彼女、朱鷺彩海と調査を開始する。
 しかし、なぜか彩海は、蒼が住みこんでいるマンションに同居することになり――。
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