召喚聖女♂の異世界攻略ノート～クーデレ護衛騎士と人狼わんこの手懐け方～

第三章：Side Shizuku ＜友を助けるための決心＞

前回までのあらすじ

　ウェブデザイン会社で働く雫は、既婚の上司（男）から体の関係を迫られ、快楽主義だった雫は仕方なく関係を持つ事にした。しかし、上司の奥さんに関係がバレてしまい、それを境に、上司の八つ当たりが始まる。雫はその執拗な八つ当たりをしてくる上司に不満を感じていた。


　雫は我慢しながら、そのストレスを趣味であるオンラインゲームで発散していた。そんな時に、トラブルに巻き込まれている新人プレイヤーの希空と出会う。雫は希空を助け、希空に色々な事を教えた。希空の新鮮な反応に癒される日々だった。
　そんなある日、希空からリアルで会わないかと誘われる。色々と考えた末、希空と会う事にする。実際に会ってみると、希空は可愛く、人懐っこかった。今まで年上が好きだった雫にとって、希空は新鮮であり、不純な気持ちが芽生える。
　しかし、色々と話を聞いてみると、雫が思っていた以上に、希空の心はぽっかりと穴が開いていた。雫は希空の為に何か出来ないか考えるが、答えが見つからなかった。


　数日後、希空からメッセージが届き、母親の男に襲われた事、母親から「お前なんか産まなきゃ良かった」と言われた事を知る。希空に連絡を取ると、前会った時に教えてくれた『願いを叶えてくれる魔法陣』を試そうと決意した事と別れを一方的に告げられる。雫は何も出来なかった自分に腹が立った。そして、心の中で希空に謝った。