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大人な貴方とはじめてを⑭
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「……ん……ぁ」
濡れた昂ぶりを握られ、身体が跳ねたと同時に唇がキスで塞がれた。甘いキスに溶かされながら扱かれ、腰から下が砕けそうなほどの快感が押し寄せてくる。手の動きに合わせて響く濡れた音が松田の零したしずくのせいだと思うと、恥ずかしすぎる。
「し、志眞さん……だめ、いきそ……っ」
腰の奥からせりあがる熱に、身体が強張る。息が乱れて心臓が弾む。大きな波がやってきて、すぐに呑まれた。
「あ、はあっ……あう……」
呆気なく達した松田に、崎森は微笑む。ぼうっとしながらたおやかな笑みに見入る。ティッシュで手を拭った崎森は、奥まった部分にその手を滑らせた。さすがに緊張で身体が強張る。あやすようなキスが落ちてきて、素直に受け取った。
崎森の目を見ると、視線が絡まった。メイプルシロップの色をした瞳が欲情に燃えている。でもその奥に緊張が見て取れて、手を伸ばして髪を撫でてあげた。落ちつかせるようにゆっくりと指で髪を梳くように撫でると、気持ちよさそうに頬を緩めた崎森が微笑んだ。
「大丈夫ですから」
頷くと指先が中に潜り込んだ。違和感に眉を寄せながら、ぎゅっとシーツを掴む。
「幸成くん。僕の名前を呼んでくれる?」
「……? 志眞さん……」
「うん。ありがとう」
口もとを綻ばせた崎森がキスをくれて、力が抜けているうちに指は奥へと進んだ。なにも考える余裕はなくて、ただ中にある指の形と動きを感じる。じっくりとほぐされているうちに、少し呼吸を整えることができた。変わらず余裕はないけれど、ほんのわずかだけ感覚に慣れてきたのもある。
「大丈夫?」
「はい……あの、俺も志眞さんの触っていいですか?」
「え?」
驚きを見せた崎森が首を横に振る。
「ごめんね。気持ちは嬉しいんだけど、余裕がないからまた今度」
「は、はい」
そうか、とどきどきする。今回だけではなく「また今度」があるのだと思ったら、気持ちが楽になった。失敗しても挽回すればいいという前向きな気持ちになれた。
「じゃ、じゃあ……あの、そろそろ」
「う、うん」
珍しく声にも表情にも強張りが感じられる崎森が、ベッドサイドの棚から箱を取り出した。なんだろうと思ったら未開封のコンドームだった。
「用意してくれたんですね」
「それはそうだよ。幸成くんと仲良くするんだから。今日も、これからも」
嬉しくて恥ずかしくて、コンドームを開けるところをじっと見てしまう。崎森はやはり戸惑うこともなくコンドームのパッケージを破っている。
「あ」
「え?」
「……裏だった」
崎森は顔に出ないだけで、けっこう緊張しているのかもとそのときに思った。コンドームをつけた崎森はひとつ息を吐き出した。
「幸成くんには情けないところばかり見せているな」
そう言いながらも表情は骨まで溶けそうな甘さで、こんな顔を見られるのは自分だけ、と噛み締めたら胸の奥が甘酸っぱく疼いた。恰好いいのに可愛くて、愛しい。こんなふうに感じる人は他にいない。
手を握り合い、指を互い違いに組んだ。腰を進めた崎森は眉を寄せる。
「つらくない?」
「は、はい……っ」
慣れないことなので崎森こそつらそうで、深呼吸をしてなんとか力を抜く。すう、はあ、と息を吸って吐くと、塊がぐっと襞を開いた。身体が拓かれていく感覚は苦しくて、でも幸せで満たされる。
「志眞さん……キスしたいです」
「うん」
いたずらのように触れ合うキスを繰り返し、身体も心もつながっていく。腹の奥まで崎森の熱でいっぱいになったら恥ずかしくなった。
「すごい、中が熱いね」
「ぅん……っ、あっ」
腰を揺らした崎森が熱っぽい視線を向けてくる。動かれると中がこすれて変な声が飛び出して止まらない。
ゆっくりと奥までいっぱいになり、抜けていく。そのすべての動きに翻弄される。崎森の動きひとつでおかしくなりそうな自分がわかる。
「あっ……そ、そこ……だめです……っ、や、あ……っ」
ひとところをこすられると背筋に得体の知れない感覚が滑る。身体の奥から湧きあがる、追い立てられるような感覚に背が仰け反った。
「あ、あっ……まって、おかしい……っ」
同じところを繰り返しこすられ、びりびりと痺れるように快感が突き抜ける。身体が言うことを聞かなくて、絡めた指をぎゅっと握り込む。
「幸成くん、可愛い」
「ひ、あ……あぅ……あ、ん」
ぐっと奥まで貫かれたら目の前が白くまたたき、息が詰まった。呼吸の仕方もわからなくて、必死で息を吸って吐く。ままならない呼吸さえ呑み込むようなキスが唇を塞ぎ、夢中で崎森を求めた。
「ん、志眞さ……すごい……っ」
「幸成くんのほうが、すごいよ」
暖房が暑いくらいに身体が火照る。崎森の頬から顎に汗が伝い、それが松田の頬に落ちた。汗がつうと伝う感覚にさえ身が震えた。
ベッドが軋み、組み合った手にぎゅっと力を込める。見あげると崎森の余裕がなくなっていて、上気した頬と荒い呼吸から彼の興奮を感じ取る。
ひと際深くを抉られ、腰が大きく震えた。息を吸って吐くのも精いっぱいの松田を追い詰める動きに乱される。
「志眞さん……キス、キスしたい……」
「うん……っ」
噛みつくようにキスを交わし、奥深くを貫かれた。ふわりとした浮遊感のあと、くたりと力が抜ける。腹に熱いものが散っていて、達したのだとぼんやりと自覚する。
「……っ」
最奥をさぐった崎森が小さく身体を震わせ、追いかけるように白濁を吐き出す。中で脈打つ昂ぶりを感じながら、好きなんて言葉では表しきれない愛しさが胸の奥から溢れた。
濡れた昂ぶりを握られ、身体が跳ねたと同時に唇がキスで塞がれた。甘いキスに溶かされながら扱かれ、腰から下が砕けそうなほどの快感が押し寄せてくる。手の動きに合わせて響く濡れた音が松田の零したしずくのせいだと思うと、恥ずかしすぎる。
「し、志眞さん……だめ、いきそ……っ」
腰の奥からせりあがる熱に、身体が強張る。息が乱れて心臓が弾む。大きな波がやってきて、すぐに呑まれた。
「あ、はあっ……あう……」
呆気なく達した松田に、崎森は微笑む。ぼうっとしながらたおやかな笑みに見入る。ティッシュで手を拭った崎森は、奥まった部分にその手を滑らせた。さすがに緊張で身体が強張る。あやすようなキスが落ちてきて、素直に受け取った。
崎森の目を見ると、視線が絡まった。メイプルシロップの色をした瞳が欲情に燃えている。でもその奥に緊張が見て取れて、手を伸ばして髪を撫でてあげた。落ちつかせるようにゆっくりと指で髪を梳くように撫でると、気持ちよさそうに頬を緩めた崎森が微笑んだ。
「大丈夫ですから」
頷くと指先が中に潜り込んだ。違和感に眉を寄せながら、ぎゅっとシーツを掴む。
「幸成くん。僕の名前を呼んでくれる?」
「……? 志眞さん……」
「うん。ありがとう」
口もとを綻ばせた崎森がキスをくれて、力が抜けているうちに指は奥へと進んだ。なにも考える余裕はなくて、ただ中にある指の形と動きを感じる。じっくりとほぐされているうちに、少し呼吸を整えることができた。変わらず余裕はないけれど、ほんのわずかだけ感覚に慣れてきたのもある。
「大丈夫?」
「はい……あの、俺も志眞さんの触っていいですか?」
「え?」
驚きを見せた崎森が首を横に振る。
「ごめんね。気持ちは嬉しいんだけど、余裕がないからまた今度」
「は、はい」
そうか、とどきどきする。今回だけではなく「また今度」があるのだと思ったら、気持ちが楽になった。失敗しても挽回すればいいという前向きな気持ちになれた。
「じゃ、じゃあ……あの、そろそろ」
「う、うん」
珍しく声にも表情にも強張りが感じられる崎森が、ベッドサイドの棚から箱を取り出した。なんだろうと思ったら未開封のコンドームだった。
「用意してくれたんですね」
「それはそうだよ。幸成くんと仲良くするんだから。今日も、これからも」
嬉しくて恥ずかしくて、コンドームを開けるところをじっと見てしまう。崎森はやはり戸惑うこともなくコンドームのパッケージを破っている。
「あ」
「え?」
「……裏だった」
崎森は顔に出ないだけで、けっこう緊張しているのかもとそのときに思った。コンドームをつけた崎森はひとつ息を吐き出した。
「幸成くんには情けないところばかり見せているな」
そう言いながらも表情は骨まで溶けそうな甘さで、こんな顔を見られるのは自分だけ、と噛み締めたら胸の奥が甘酸っぱく疼いた。恰好いいのに可愛くて、愛しい。こんなふうに感じる人は他にいない。
手を握り合い、指を互い違いに組んだ。腰を進めた崎森は眉を寄せる。
「つらくない?」
「は、はい……っ」
慣れないことなので崎森こそつらそうで、深呼吸をしてなんとか力を抜く。すう、はあ、と息を吸って吐くと、塊がぐっと襞を開いた。身体が拓かれていく感覚は苦しくて、でも幸せで満たされる。
「志眞さん……キスしたいです」
「うん」
いたずらのように触れ合うキスを繰り返し、身体も心もつながっていく。腹の奥まで崎森の熱でいっぱいになったら恥ずかしくなった。
「すごい、中が熱いね」
「ぅん……っ、あっ」
腰を揺らした崎森が熱っぽい視線を向けてくる。動かれると中がこすれて変な声が飛び出して止まらない。
ゆっくりと奥までいっぱいになり、抜けていく。そのすべての動きに翻弄される。崎森の動きひとつでおかしくなりそうな自分がわかる。
「あっ……そ、そこ……だめです……っ、や、あ……っ」
ひとところをこすられると背筋に得体の知れない感覚が滑る。身体の奥から湧きあがる、追い立てられるような感覚に背が仰け反った。
「あ、あっ……まって、おかしい……っ」
同じところを繰り返しこすられ、びりびりと痺れるように快感が突き抜ける。身体が言うことを聞かなくて、絡めた指をぎゅっと握り込む。
「幸成くん、可愛い」
「ひ、あ……あぅ……あ、ん」
ぐっと奥まで貫かれたら目の前が白くまたたき、息が詰まった。呼吸の仕方もわからなくて、必死で息を吸って吐く。ままならない呼吸さえ呑み込むようなキスが唇を塞ぎ、夢中で崎森を求めた。
「ん、志眞さ……すごい……っ」
「幸成くんのほうが、すごいよ」
暖房が暑いくらいに身体が火照る。崎森の頬から顎に汗が伝い、それが松田の頬に落ちた。汗がつうと伝う感覚にさえ身が震えた。
ベッドが軋み、組み合った手にぎゅっと力を込める。見あげると崎森の余裕がなくなっていて、上気した頬と荒い呼吸から彼の興奮を感じ取る。
ひと際深くを抉られ、腰が大きく震えた。息を吸って吐くのも精いっぱいの松田を追い詰める動きに乱される。
「志眞さん……キス、キスしたい……」
「うん……っ」
噛みつくようにキスを交わし、奥深くを貫かれた。ふわりとした浮遊感のあと、くたりと力が抜ける。腹に熱いものが散っていて、達したのだとぼんやりと自覚する。
「……っ」
最奥をさぐった崎森が小さく身体を震わせ、追いかけるように白濁を吐き出す。中で脈打つ昂ぶりを感じながら、好きなんて言葉では表しきれない愛しさが胸の奥から溢れた。
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