蒼き英雄(旧)

雨宮結城

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第三章

Part3

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ミレイユ姫を探す為、ソウルワールドの第二十階層にある城へ向かったカイン。

その頃、現実世界、リアルワールドでは、警備していた一人の警備員が見つかり、特別チームへと連絡がいき、特別チームのリーダー青山は、ソウルワールドになにかあったのではと感じ、児童養護施設の皆と旅行に行っていたアスタに連絡をとった。

「?はい、もしもし」

「もしもし、アスタ君」

「青山さん?どうしたんですか?」

「君達が旅行中の中、申し訳ないのだが、あの施設を警備していた、一人の警備員が倒れていてね」

「はい」

「ここからは、僕の推測なんだが、またあの世界になにかあったんじゃないかと思ってね」

「そう思うって事は、なにか根拠があるんですね」

「あぁ、実は監視カメラを確認した所、見知らぬ二人組が、司令室に侵入していた事が分かった」

「!?」

「その内の一人は、少し見ていたら消えてしまったが、もう一人の方は何やら司令室で調べていたように見えた」

「調べていた?何をですか」

「すまない、そこまでは分からなかった。ただ」

「ただ?」

「ただ、監視カメラを見ていたようだ」

「そうですか…」

「アスタ君」

「はい、分かってます。こうして電話をかけてきたって事は、つまりはそういう事でしょう」

「君達がこんな時に、申し訳ないと思っている。だが我々としても、この件は君達に協力してもらう他ないんだ。今の所、君達にしてほしい事は、向こうの世界に異常がないか、見てきてほしいと言う事だ」

「はい、もちろん協力しますよ。ユキ達にも話してみます」

「その言葉を聞けて良かったよ。君達はいつ旅行から帰ってくるんだい?」

「明日ですね」

「分かった。では児童養護施設に帰り次第、こちらに連絡をしてくれ、迎えの者を向かわせる」

「分かりました」

「施設長の峰岸さんには、私から連絡を入れておく。ではまた」

そう言うと、青山は電話を切った。

「…」

「アスタ」

「?ユキ」

「誰かと電話してたみたいだけど、大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だよ」

「そう、なら良かった」

「…ユキ」

「ん?どうしたの?」

「実は…」

「あ、いたー」

「?」

「お姉ちゃんにアスタさん」

「どこに行ったと思ったら、ここにいたのね」

「あぁ、悪い」

「謝らなくて大丈夫ですよ、さあ、戻りましょ」

「あ、待ってくれ」

「?どうかしたんですか?アスタ」

「あぁ、実は青山さんから電話があってな」

「え、青山さんって、特別チームのリーダーの?」

「あぁ、それで、皆に聞いてもらいたい事があるんだ」

「なんですか、その聞いてほしいと言うのは」

「実は…」

アスタは、恋人であるユキ。それに仲間のミユキにサオリ、四人が揃った事で、特別チームのリーダーである青山から聞いた内容を、皆に説明した。

「という訳なんだ」

「そんな事が」

「…謎の二人組、それは気になりますね」

「あぁ、俺も気になってる。それで、皆にも協力してほしいんだ。良いかな」

「…もちろんだよ、アスタ」

「ユキ」

「私も協力しますよ、アスタさん」

「私も協力します」

「ミユキにサオリも、ありがとう」

「何言ってるんですか、私達は仲間なんですから」

「…そうだな」

「頑張りましょう、私達四人で」

「あぁ!」

アスタ達は話を終え、皆と一緒に児童養護施設へと帰ってきた後、アスタは青山に連絡をし、アスタ達四人は、迎えにきた車に乗り、施設へと向かった。

「…」

そして施設に着き、司令室へと入るアスタ。

「…来てくれたか、アスタ君、それにユキ君達も」

「向こうの世界に、異常がないか見てくるだけで良いんだったよな」

「あぁ、君達には、あの世界で異常がないか見てきてほしい、何もなければ、それに越したことはないが」

「そうですね」

「…ん?なんだ。はいもしもし、こちら青山、どうした」

「?」

「なに!?それはホントか、あぁ、分かった」

「青山さん、どうしたんですか」

「何かあったんですか?」

アスタとユキが気になり、青山に問う。

「大変な事が分かった」

「大変な事?」

「あぁ、こんな事は想定外だ」

「想定外」

「菊池が、刑務所から何者かと共に脱獄したと、連絡が入った」
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