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いざ総力戦へ
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「怯むなかかれ!!!!!!
攻撃の手を休めるな!!!!!!
活路を開け!!!!!!」
キースが聖剣を振りながら騎士に向かって怒鳴る。
騎士達は捨て身で一撃でも届かせようとアリオクへと飛びかかった。
空へと逃げようとしたアリオクに向かってさらにその上から飛び上がったシルフィーが斬り掛かる。
アリオクが指先を振るった瞬間盾を作るが全員を守る事は叶わず足元に事切れた騎士が転がった。
地面が仲間の血で真っ赤に染まる。
アリオクがもう一度振るおうとしたその腕をガウルが叩き切った。
その剣の速さに少しだけアリオクが目を開く。
騎士団の総当り戦で優勝した実力は伊達じゃなかったのだろう。
彼の動きは騎士団の誰よりも速かった。
その背後からレイモンドが炎で出来た剣で左肩を焼き切った。
その上からレイモンドが描いたその線をなぞる様にキースが聖剣を振り下ろすが、先に傷を修復され心臓を切る事は叶わない。
聖剣は魔族の身体を溶かす事は出来るが4眷属ではそれは出来ない。
そもそも斬るために作られた剣ではない為に斬れ味も悪い。
その為に誰かが先に心臓までの通路をこじ開けてから、そこに聖剣を捩じ込む必要があった。
だがそう簡単に上手くいくはずがない。
アリオクの身体の修復の速さが尋常ではないのだ。
コンマ数秒の差で同時に叩き切るしか方法がないが、アリオクが大人しく切られてくれるはずもない。
「……持久戦だな」
ガウルの言葉にシルフィーはチラリと視線を向ける。
ガウルは胸元から取り出した聖水を剣にかけながら口を動かす。
「あいつが元気なうちは絶対に修復されて上手くいく訳がねえ。
だがこれが3日後ならどうだ?
1週間後ならどうだ?
あいつが疲労で崩れるまで無理に狙わず攻撃し続けた方が勝機はある」
「……それ私達の方が先に終わりません?」
「だから持久戦だっつってんだろ。
耐えられなくなった方が負けだ。
死にたくなかったら戦い続けろ。
この前やったばっかだろうが」
「……うっす」
「ゴミみてぇな弱者でもずっと倒し続ければいつか疲れが見える。
それまでてめえは意地でも守備に回れ。
アリオクから騎士を守れ。
攻撃出来なくなるのが一番やべえからな。
弾を切らすな」
「騎士を弾扱いはどうかと…」
「俺達も全員弾だろうが。
国を守る為のな」
よし行くぞとガウルが立ち上がりアリオクに向かって行く。
シルフィーはアリオクの攻撃に備え掌に土の魔素を集めた。
シルフィーはあまり他人を守る事は得意では無かった。
守りたいと言う意思が弱いのかもしれないが。
だが。
そうしなければ倒せないと言うならば。
それが自分の役目だと言うならば。
守り続けて見せようじゃないか。
最後まで。
これ以上は誰も死なせずに。
飛びかかる騎士達に向かってアリオクの指先が動いた。
シルフィーは騎士達の目の前に飛び込み土の盾で真正面から魔術を受け止めた。
爆発の衝撃で腕がミシリと音を立てた。
盾が高い音を立てて砕け散る。
だがすぐにまたシルフィーは今度は水の魔素を掌に集めた。
何度でも受け止めてやる。
何度だって守ってやる。
だから。
だから戦い続けて。
だから共に歩んで。
騎士達にもその庇った背中から何かが通じたのか怯むことなくアリオクに飛びかかっていく。
それは長い地獄の幕開けであった。
攻撃の手を休めるな!!!!!!
活路を開け!!!!!!」
キースが聖剣を振りながら騎士に向かって怒鳴る。
騎士達は捨て身で一撃でも届かせようとアリオクへと飛びかかった。
空へと逃げようとしたアリオクに向かってさらにその上から飛び上がったシルフィーが斬り掛かる。
アリオクが指先を振るった瞬間盾を作るが全員を守る事は叶わず足元に事切れた騎士が転がった。
地面が仲間の血で真っ赤に染まる。
アリオクがもう一度振るおうとしたその腕をガウルが叩き切った。
その剣の速さに少しだけアリオクが目を開く。
騎士団の総当り戦で優勝した実力は伊達じゃなかったのだろう。
彼の動きは騎士団の誰よりも速かった。
その背後からレイモンドが炎で出来た剣で左肩を焼き切った。
その上からレイモンドが描いたその線をなぞる様にキースが聖剣を振り下ろすが、先に傷を修復され心臓を切る事は叶わない。
聖剣は魔族の身体を溶かす事は出来るが4眷属ではそれは出来ない。
そもそも斬るために作られた剣ではない為に斬れ味も悪い。
その為に誰かが先に心臓までの通路をこじ開けてから、そこに聖剣を捩じ込む必要があった。
だがそう簡単に上手くいくはずがない。
アリオクの身体の修復の速さが尋常ではないのだ。
コンマ数秒の差で同時に叩き切るしか方法がないが、アリオクが大人しく切られてくれるはずもない。
「……持久戦だな」
ガウルの言葉にシルフィーはチラリと視線を向ける。
ガウルは胸元から取り出した聖水を剣にかけながら口を動かす。
「あいつが元気なうちは絶対に修復されて上手くいく訳がねえ。
だがこれが3日後ならどうだ?
1週間後ならどうだ?
あいつが疲労で崩れるまで無理に狙わず攻撃し続けた方が勝機はある」
「……それ私達の方が先に終わりません?」
「だから持久戦だっつってんだろ。
耐えられなくなった方が負けだ。
死にたくなかったら戦い続けろ。
この前やったばっかだろうが」
「……うっす」
「ゴミみてぇな弱者でもずっと倒し続ければいつか疲れが見える。
それまでてめえは意地でも守備に回れ。
アリオクから騎士を守れ。
攻撃出来なくなるのが一番やべえからな。
弾を切らすな」
「騎士を弾扱いはどうかと…」
「俺達も全員弾だろうが。
国を守る為のな」
よし行くぞとガウルが立ち上がりアリオクに向かって行く。
シルフィーはアリオクの攻撃に備え掌に土の魔素を集めた。
シルフィーはあまり他人を守る事は得意では無かった。
守りたいと言う意思が弱いのかもしれないが。
だが。
そうしなければ倒せないと言うならば。
それが自分の役目だと言うならば。
守り続けて見せようじゃないか。
最後まで。
これ以上は誰も死なせずに。
飛びかかる騎士達に向かってアリオクの指先が動いた。
シルフィーは騎士達の目の前に飛び込み土の盾で真正面から魔術を受け止めた。
爆発の衝撃で腕がミシリと音を立てた。
盾が高い音を立てて砕け散る。
だがすぐにまたシルフィーは今度は水の魔素を掌に集めた。
何度でも受け止めてやる。
何度だって守ってやる。
だから。
だから戦い続けて。
だから共に歩んで。
騎士達にもその庇った背中から何かが通じたのか怯むことなくアリオクに飛びかかっていく。
それは長い地獄の幕開けであった。
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