いい島、恋気分

ゆめゆき

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温泉欲情

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「あぁ…♡あん…♡あん…♡」

 脱衣場に入ると、早速熱っぽい喘ぎ声が俺を出迎える。

 脱衣場は広く、タオルも浴衣もガウンも使い放題だ。

 鏡の前の椅子に座り、背面座位で自分たちのセックスを目にしながら交わっているカップル。

 鏡の前もいいな…。白髪交じりの男性に背中をあずけ、体を揺すっている男の子は、後ろから乳首をつままれ、更に気持ちよさそうに声を高くした。

「あ……っっ♡あぁ…あぁん…♡」

 服を脱ぎ、脱衣かごに入れ、浴室に入る。

 目立つ場所に張り紙がしてある。

『湯船での性行為はご遠慮願います。』

 そりゃ、そうだよな。だが、洗い場では、ボディソープの泡にまみれながら、楽しむ二組がいた。鏡を見ながら出来るし、これもよさそうだ。

「あぁ…っ♡あぁ…っ♡あぁ…っ♡」

 筋肉質の若い男に背面座位でお尻を犯されながら、泡を使ってペニスを扱かれ、胸を愛撫されて、苦しそうなほどに感じている様子のかわいい男の子。

「あぅ…っ♡あん…っ♡あん…っ♡あん…っ…」

 対面座位で初老の痩せた男性と繋がり、一生懸命お尻を上下させている儚げな美少年。

 俺は、空いているカランの前に陣取ると、髪と体を洗い始めた。

 洗い終えようとした時、後ろから声がかかった。

「あの…お背中、お流ししますね…!」

「あ、ああ…」

 三助のスタッフがいるのか…。

「では…」

 ただ、洗うのではない。自分の体に泡をまとわせて、背中を擦ってくれる。

 お…勃起した乳首の感触…。

「ン…ン…ッ♡ン……」

 かわいい声を出しながら、素肌をこすりつけられると、いやでも官能が呼び起こされる。

 勃ってきた…。

「…前も…洗ってくれる…?」

「はい…♡」

 俺の前に回って来た青年は、チャラい金髪で耳にたくさんのピアスをつけていたが、あどけなさを残した美貌の持ち主だった。

 椅子に座っている俺の上に乗り、背中に手を回し、体をこすりつける。

 そんな格好をすれば、おのずとペニスとペニスが触れ合う。

「あ…っ♡気持ち…い…♡あぁ…♡」

「ああ…これ…!たまんない…!」

「ン…♡あ…♡あ…♡あん…♡挿入っちゃうぅ…♡」

「おお…っ…」

 うっかりなのか、わざとなのか、青年はそのアナルに俺のものを深く受け入れてしまった。

 そして、すぐに尻を上下させ始める。

 目の前の鏡は大きく、青年のアナルに俺のペニスが出入りするのがよく見える。すごく、いやらしい。青年の背中は快感のせいか、妖しく波打つ。

「あぁ…っ♡やぁん♡気持ち…よくて…っ♡止めらんな…いぃ…あぁん…♡気持ちいぃ…♡」

「ンン…」

 唇を重ね、レロレロと舌を絡ませ、俺は青年のものを扱いてやる。

「ンン…♡よすぎるぅ…♡あぁん…♡あぁん…♡もう、イッちゃうぅ…っ♡」

「いい…っ!俺もすごくいいよ…!ああ、イキそうだ…!!」

 もう、欲は解消されているはずなのに、この島、このホテルの淫靡な雰囲気に飲まれて、俺はすっかりセックス中毒モードだ。

「あぁん♡オレの中に…オレに種付けしてくださいぃ…っ♡あ…♡あ…♡イクイク…イッちゃうぅ~…っ♡」

「イクイクイクイク…イクイク…ッ…!ああーー……ああああっ…!」

 青年の中で射精する。

「あぁん♡感じる…っ♡おちんちん、射精してるぅ…♡気持ちいい~…っ♡」

 青年から唇を求められ、再び音を立てて深いキスをする。

「はあ…♡はあ…♡はあ……」

「はあ…よかった…」

 青年と体を離し、シャワーで泡を洗い流してもらって、俺は湯船に浸かり、温泉を楽しんだ。

 湯から上がり髪を乾かしていると、さっきの青年が脱衣所に来て、ドライヤーを俺から取り、浴衣姿で髪をブローしてくれる。

 極楽だ…。

 部屋に戻り、しばらくベッドで休む。信じられない…。この島に来てから、もう三人の子と…。

 それも、どの子もかわいく、淫乱で、最高に気持ちよかった…。

 心地よい疲労で、しばらくウトウトしてしまう。

 夕食の時間になり、ビュッフェ会場に向かう。

 席に通され、早速料理を取りに行く。

 寿司に天ぷら、ステーキ、煮魚、中華、エスニック、麺類、デザート…どれも味がよく、見映えもいい。

 更にアルコールも豊富でうれしい。

 目をひいたのが、マムシ酒やすっぽんの生き血の焼酎割りだ。

 強く勧められ、飲んでしまった。カーッと体が熱くなる。

 それにしても、一人は気楽だが、食事はちょっとさびしい。

 周りを見ると、さすがにここでセックスしている輩はいないが、スタッフにフェラチオさせながら酒を飲んでいるやつや、隣に座らせ、太腿を撫で回しながら食事しているやつもいる。

 食事の時まではなあ…。

 そう思っていると、一人のスタッフが俺のテーブルを訪れた。

「何がご用はございませんか?」

 ソフトで、落ち着いた声、上品な物腰。

 フロントにいた、香月という青年だった。俺は、食いついた。

「ある!あります!!ご用、ありますよ!」

「承ります。なんでしょう」

 香月が微笑みながら言った。

「え…?えーと…えーと…あのう…一緒にごはん食べてくれたりしますか…?そういうサービスは…」

 意外な答えだったのか、香月は目を丸くした。

「あ、ええ…そういうことでしたら…承ります。勤務中ですので、アルコールはおつきあいできませんが」

 香月は俺の向かいの椅子に座った。

「お腹いっぱいでなかったら、何か…食べない…?」

「あ、はい…!」

 香月は立ち上がって、ビュッフェコーナーへ歩いていき、戻った時には、いくつかの寿司と、サラダ、ステーキの乗った盆を持っていた。

「ここの食事はちゃんと美味しいですよ。その…そういうことばかりのリゾートではなく…というか」

 香月は微笑む。花がほころぶようだ。いいなあ…。

「はい、美味しいです。その…こうづき…さん…」

「ん?」

「あっ、フロントで…名札を見て…風流な名字だなと…」

「あっ、下の名前なんですよ。かづきと読みます」

「かづき…」

 いい名前だな…。

「苗字は佐藤です。佐藤が六人いるんですよ」

「香月さんは、どうしてここで働こうと思ったんですか?」

 しまった。不躾なことを…。

 だが、香月はステーキを頬張りながら、こともなく、言った。

「それは、月給がかなりいいので…ダメ元で面接を受けたら受かったんです。ここでお金を貯めたら、何か店でも開こうかと思ってます」

 そして、唇についたソースを舌でペロッと舐め取ると、妖しげな目つきをこっちに向けた。

「男の人も…大好きなんです…」

「そ……そうなんだ…」

 ヤバい…ヤれるのかな…香月と…!そうだよな…スタッフなら誰でも…って…。

 今はすました顔をしているけど、ベッドの上でどんな風に乱れるのだろうか。どんな裸なのかな…。どんな声で喘ぐんだろう…。

「あ、あのさ…この後って、俺の相手…してくれないかな…」

「ああ…申し訳ありません…今夜は人手不足で…今すぐなら対応可能ですが…」

「あっ、ああ…そうか…」

 香月の目が笑っている気がする。もしかして、俺、弄ばれてない?!

 今は一緒に食事と会話を楽しみたいし…。

 それから、話を続けて、香月が俺より六つ下の二十二歳だということ、高校までバスケ部にいたということ、実家で犬を飼っていたこと、職業ものドラマが好きで、よく見ていることなどを知った。
 
「特に医療ドラマが…」

「俺もたまに観るよ。ERとか?」

「はい。海外ものも観ますね。白衣ってかっこいいし、手術シーンでテキパキしてるのが面白いんです」

 にこにこ笑うのは営業スマイルなのだろうか。

 香月のおかげで楽しく夕食の時間を過ごすことが出来た。

 彼に別れを告げ、夕食会場を出ると、バーに向かってみる。

 すでにアルコールは入っているが、寝る前に雰囲気を楽しみたい。

「いらっしゃいませ。何になさいますか」

 カウンターに座る。物静かなバーテンも美男子だ。

「ギムレットを」

  ゆったりとしたジャズが流れ、薄暗く、おしゃれな間接照明に照らされた店内は高級感があるが、モニターでは無音で美少年二人がセックスしている映像が流れている。

 テーブル席では、浴衣姿の中年男性が、膝の上に美青年をまたがらせ、体を揺さぶっている。

「あ…♡ン…♡あ…♡あぁ…♡ン…♡」

 俺の体も熱を帯びてくる。ああ…散々楽しんだのに…そういえばさっき、マムシ酒や、すっぽんの生き血を飲んだ…。

「お客様…お体がほてるようでしたら、お相手をお呼びしましょうか。でなければ、この階の第一宴会場で乱交パーティーの催しもございます」
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