4 / 15
第三話「強欲な貴族と復讐の炎」
しおりを挟む
フェンとリゼが仲間になってからというもの、アルト村の周辺は驚くほど平穏になった。姉妹の戦闘能力は本物で、クリムゾンボアのようなモンスターは言うに及ばず、たちの悪い盗賊さえも彼女たちの姿を見ただけで逃げ出すほどだった。
確固たる安全を手に入れたアースは、農業にさらに没頭した。前世の知識を活かし、小麦の栽培に着手したのだ。この世界にも小麦は存在するが、品種改良の概念はなく、収穫量も品質もそれほど高くはなかった。
アースは【豊穣神の祝福】を使い、収穫までの期間を極端に短縮し、世代交代を繰り返すことで、病気に強く、収穫量も多い、理想的な品種をあっという間に作り上げてしまった。
収穫の時期、アルト村の一角は、見渡す限りの黄金色の海と化した。陽光を浴びてキラキラと輝く小麦畑は、まるで一枚の絵画のように美しく、村人たちはその光景に感嘆の声を上げた。
「すごい……こんなに綺麗な小麦、見たことがない」
リリアがうっとりと呟く。
「これだけあれば、パンだけじゃなく、色々作れるな。パスタとか、うどんとか……」
アースが前世の料理に思いを馳せていると、フェンがくんくんと鼻を鳴らした。
「なんか香ばしくていい匂いがするな! これも食えるのか?」
「ああ、もちろんだ。粉にすれば、もっと美味しいものが作れるぞ」
その日の食卓には、焼きたてのパンが並んだ。外はカリッと、中は驚くほどフワフワで、噛むほどに小麦の豊かな甘みが口の中に広がる。村人たちは涙を流してその味を噛み締めた。パンという食べ物が、これほどまでに美味しいものだとは誰も知らなかったのだ。
アルト村の奇跡的な復興。その噂は、風に乗って瞬く間に広まっていった。そして、ついにその噂は、この土地を支配する領主の耳にも届くことになる。
辺境伯爵、バルバロッサ。強欲で冷酷なことで知られ、領民からは蛇蝎の如く嫌われている男だった。
ある日、ものものしい一団がアルト村にやってきた。先頭に立つ馬上でふんぞり返っている、肥え太った男がバルバロッサだった。彼は村の変わりように一瞬驚いた顔をしたが、アースの黄金色の小麦畑を見るやいなや、その目にギラギラとした欲望の光を宿した。
「ほう……これが噂の畑か。見事なものだな」
バルバロッサは馬から降りると、尊大な態度でアースに近づいた。
「貴様がアースか。この奇跡の小麦、どうやって育てた?」
「……神の恵みと、日々の努力の賜物です」
アースは平静を装って答えた。しかし、バルバロッサの纏う濁った空気に、嫌な予感を覚えていた。
案の定、バルバロッサは鼻で笑った。
「神の恵み、だと? このバルバロッサ領で起きた奇跡は、全てこの私のものだ。農民風情が、自分の手柄のように言うでないわ」
そして、彼は信じられない言葉を口にした。
「その畑、全て余が没収する。そして、今年の収穫の九割を税として納めるのだ。領主である私への感謝を、形で示せ」
法外、という言葉すら生ぬるいほどの要求だった。それは実質、村人たちに死ねと言っているのと同じだった。
「お待ちください、伯爵様! それでは我々は生きていけません!」
村長が震えながら抗議するが、バルバロッサは聞く耳を持たない。
アースも、怒りで腸が煮えくり返るのを必死でこらえ、冷静に反論した。
「その要求は、到底受け入れられません。この畑は、俺たちが汗水流して作り上げたものです」
「口答えをするか、賤民が!」
アースの言葉に、バルバロッサの顔が怒りで赤く染まる。
「こやつを捕らえよ! 領主への反逆罪だ!」
バルバロッサの号令で、屈強な兵士たちがアースに襲い掛かった。
「アースに指図するな!」
「触れたら……殺す」
即座にフェンとリゼが前に出て、兵士たちを睨みつける。その凄まじい殺気に、兵士たちは一瞬たじろいだ。
しかし、多勢に無勢。姉妹は奮戦したが、次々と繰り出される兵士たちの数の暴力の前に、次第に追い詰められていく。リリアがアースを庇おうとして、兵士に突き飛ばされ、地面に倒れた。
「リリア!」
その光景にアースの意識が逸れた一瞬の隙を突かれ、彼は兵士たちに取り押さえられてしまった。フェンとリゼも、激しい抵抗の末、ついに力尽きて捕らえられてしまう。
「ふん、獣人風情が逆らうからだ。全員、牢にぶち込んでおけ」
バルバロッサは、冷酷に言い放った。そして、彼はさらに残虐な命令を下す。
「その忌々しい畑、我が軍馬の蹄で踏み荒らしてしまえ! こいつらに、私に逆らうとどうなるか、その目に焼き付けさせてやれ!」
「やめろぉぉぉっ!!」
アースの絶叫が響き渡る。だが、その声は無情にもかき消された。
兵士たちが乗る軍馬が、黄金色の小麦畑に乱入し、その全てを踏み潰していく。丹精込めて育てた小麦が、村人たちの希望が、無残にも土に塗れていく。それは、アースの心を直接踏みにじるような、耐えがたい光景だった。
アースは、村の粗末な牢屋に投げ込まれた。リリアは腕に怪我を負い、フェンとリゼは満身創痍で壁にもたれかかっている。村人たちのすすり泣く声が、牢の外から聞こえてきた。
絶望が、アースの心を支配しかけていた。自分の力の無さ、貴族という理不尽な権力の前での無力さ。
(俺は……何のために、この世界に来たんだ……)
唇を噛み締め、膝を抱えるアースの肩を、そっと叩く者がいた。村長だった。彼は、密かに持ち込んだ道具で、牢の貧弱な鍵をいとも簡単に開けてしまった。
「アースさん。どうか、逃げてください。あなたまで捕まっていては、我々は本当に希望を失ってしまう」
他の村人たちも、頷いていた。彼らは自分たちのことよりも、アースの身を案じてくれていたのだ。
「でも、みんなを置いてはいけない……!」
「私たちは大丈夫です」
そう言ったのは、リリアだった。彼女は痛む腕を押さえながらも、気丈に微笑んだ。
「アースさんがいれば、きっとまた、あの畑を取り戻せます。だから、今は逃げて。力を蓄えてください」
フェンとリゼも、頷いた。
「借りは、必ず返す」
「……倍にして」
仲間たちの言葉に、アースは迷いを振り払った。
村人たちの手引きで、アースたちは夜の闇に紛れて村を脱出した。振り返ると、そこには変わり果てた故郷の姿があった。
踏み荒らされ、見る影もなくなった黄金色の畑。絶望に打ちひしがれる村人たち。仲間たちの流す涙。
その光景を、アースは瞬きもせず、目に焼き付けた。
彼の心の中で、何かが音を立てて燃え上がった。それは、穏やかな農民だった彼の中にはなかった、黒く、熱い感情。
復讐の炎だった。
「バルバロッサ……」
アースは、地の底から響くような声で、その名を呟いた。
「俺は、お前を絶対に許さない。奪われたものは、何倍にもして取り返してやる。お前たちが……二度と俺たちの前から笑えないように、必ず、してやる」
その瞳には、かつての穏やかな光はなかった。あるのは、全てを焼き尽くさんばかりの、静かで、しかし深い憎悪の光だけだった。
アース、リリア、フェン、リゼ。
傷つき、全てを失った彼らは、復讐を誓い、新たな安住の地を求めて、闇の中へと歩き出した。それは、過酷な逃亡の始まりであると同時に、後に王国を揺るがすことになる壮大な復讐譚の、静かな幕開けだった。
確固たる安全を手に入れたアースは、農業にさらに没頭した。前世の知識を活かし、小麦の栽培に着手したのだ。この世界にも小麦は存在するが、品種改良の概念はなく、収穫量も品質もそれほど高くはなかった。
アースは【豊穣神の祝福】を使い、収穫までの期間を極端に短縮し、世代交代を繰り返すことで、病気に強く、収穫量も多い、理想的な品種をあっという間に作り上げてしまった。
収穫の時期、アルト村の一角は、見渡す限りの黄金色の海と化した。陽光を浴びてキラキラと輝く小麦畑は、まるで一枚の絵画のように美しく、村人たちはその光景に感嘆の声を上げた。
「すごい……こんなに綺麗な小麦、見たことがない」
リリアがうっとりと呟く。
「これだけあれば、パンだけじゃなく、色々作れるな。パスタとか、うどんとか……」
アースが前世の料理に思いを馳せていると、フェンがくんくんと鼻を鳴らした。
「なんか香ばしくていい匂いがするな! これも食えるのか?」
「ああ、もちろんだ。粉にすれば、もっと美味しいものが作れるぞ」
その日の食卓には、焼きたてのパンが並んだ。外はカリッと、中は驚くほどフワフワで、噛むほどに小麦の豊かな甘みが口の中に広がる。村人たちは涙を流してその味を噛み締めた。パンという食べ物が、これほどまでに美味しいものだとは誰も知らなかったのだ。
アルト村の奇跡的な復興。その噂は、風に乗って瞬く間に広まっていった。そして、ついにその噂は、この土地を支配する領主の耳にも届くことになる。
辺境伯爵、バルバロッサ。強欲で冷酷なことで知られ、領民からは蛇蝎の如く嫌われている男だった。
ある日、ものものしい一団がアルト村にやってきた。先頭に立つ馬上でふんぞり返っている、肥え太った男がバルバロッサだった。彼は村の変わりように一瞬驚いた顔をしたが、アースの黄金色の小麦畑を見るやいなや、その目にギラギラとした欲望の光を宿した。
「ほう……これが噂の畑か。見事なものだな」
バルバロッサは馬から降りると、尊大な態度でアースに近づいた。
「貴様がアースか。この奇跡の小麦、どうやって育てた?」
「……神の恵みと、日々の努力の賜物です」
アースは平静を装って答えた。しかし、バルバロッサの纏う濁った空気に、嫌な予感を覚えていた。
案の定、バルバロッサは鼻で笑った。
「神の恵み、だと? このバルバロッサ領で起きた奇跡は、全てこの私のものだ。農民風情が、自分の手柄のように言うでないわ」
そして、彼は信じられない言葉を口にした。
「その畑、全て余が没収する。そして、今年の収穫の九割を税として納めるのだ。領主である私への感謝を、形で示せ」
法外、という言葉すら生ぬるいほどの要求だった。それは実質、村人たちに死ねと言っているのと同じだった。
「お待ちください、伯爵様! それでは我々は生きていけません!」
村長が震えながら抗議するが、バルバロッサは聞く耳を持たない。
アースも、怒りで腸が煮えくり返るのを必死でこらえ、冷静に反論した。
「その要求は、到底受け入れられません。この畑は、俺たちが汗水流して作り上げたものです」
「口答えをするか、賤民が!」
アースの言葉に、バルバロッサの顔が怒りで赤く染まる。
「こやつを捕らえよ! 領主への反逆罪だ!」
バルバロッサの号令で、屈強な兵士たちがアースに襲い掛かった。
「アースに指図するな!」
「触れたら……殺す」
即座にフェンとリゼが前に出て、兵士たちを睨みつける。その凄まじい殺気に、兵士たちは一瞬たじろいだ。
しかし、多勢に無勢。姉妹は奮戦したが、次々と繰り出される兵士たちの数の暴力の前に、次第に追い詰められていく。リリアがアースを庇おうとして、兵士に突き飛ばされ、地面に倒れた。
「リリア!」
その光景にアースの意識が逸れた一瞬の隙を突かれ、彼は兵士たちに取り押さえられてしまった。フェンとリゼも、激しい抵抗の末、ついに力尽きて捕らえられてしまう。
「ふん、獣人風情が逆らうからだ。全員、牢にぶち込んでおけ」
バルバロッサは、冷酷に言い放った。そして、彼はさらに残虐な命令を下す。
「その忌々しい畑、我が軍馬の蹄で踏み荒らしてしまえ! こいつらに、私に逆らうとどうなるか、その目に焼き付けさせてやれ!」
「やめろぉぉぉっ!!」
アースの絶叫が響き渡る。だが、その声は無情にもかき消された。
兵士たちが乗る軍馬が、黄金色の小麦畑に乱入し、その全てを踏み潰していく。丹精込めて育てた小麦が、村人たちの希望が、無残にも土に塗れていく。それは、アースの心を直接踏みにじるような、耐えがたい光景だった。
アースは、村の粗末な牢屋に投げ込まれた。リリアは腕に怪我を負い、フェンとリゼは満身創痍で壁にもたれかかっている。村人たちのすすり泣く声が、牢の外から聞こえてきた。
絶望が、アースの心を支配しかけていた。自分の力の無さ、貴族という理不尽な権力の前での無力さ。
(俺は……何のために、この世界に来たんだ……)
唇を噛み締め、膝を抱えるアースの肩を、そっと叩く者がいた。村長だった。彼は、密かに持ち込んだ道具で、牢の貧弱な鍵をいとも簡単に開けてしまった。
「アースさん。どうか、逃げてください。あなたまで捕まっていては、我々は本当に希望を失ってしまう」
他の村人たちも、頷いていた。彼らは自分たちのことよりも、アースの身を案じてくれていたのだ。
「でも、みんなを置いてはいけない……!」
「私たちは大丈夫です」
そう言ったのは、リリアだった。彼女は痛む腕を押さえながらも、気丈に微笑んだ。
「アースさんがいれば、きっとまた、あの畑を取り戻せます。だから、今は逃げて。力を蓄えてください」
フェンとリゼも、頷いた。
「借りは、必ず返す」
「……倍にして」
仲間たちの言葉に、アースは迷いを振り払った。
村人たちの手引きで、アースたちは夜の闇に紛れて村を脱出した。振り返ると、そこには変わり果てた故郷の姿があった。
踏み荒らされ、見る影もなくなった黄金色の畑。絶望に打ちひしがれる村人たち。仲間たちの流す涙。
その光景を、アースは瞬きもせず、目に焼き付けた。
彼の心の中で、何かが音を立てて燃え上がった。それは、穏やかな農民だった彼の中にはなかった、黒く、熱い感情。
復讐の炎だった。
「バルバロッサ……」
アースは、地の底から響くような声で、その名を呟いた。
「俺は、お前を絶対に許さない。奪われたものは、何倍にもして取り返してやる。お前たちが……二度と俺たちの前から笑えないように、必ず、してやる」
その瞳には、かつての穏やかな光はなかった。あるのは、全てを焼き尽くさんばかりの、静かで、しかし深い憎悪の光だけだった。
アース、リリア、フェン、リゼ。
傷つき、全てを失った彼らは、復讐を誓い、新たな安住の地を求めて、闇の中へと歩き出した。それは、過酷な逃亡の始まりであると同時に、後に王国を揺るがすことになる壮大な復讐譚の、静かな幕開けだった。
6
あなたにおすすめの小説
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
追放勇者の土壌改良は万物進化の神スキル!女神に溺愛され悪役令嬢と最強国家を築く
黒崎隼人
ファンタジー
勇者として召喚されたリオンに与えられたのは、外れスキル【土壌改良】。役立たずの烙印を押され、王国から追放されてしまう。時を同じくして、根も葉もない罪で断罪された「悪役令嬢」イザベラもまた、全てを失った。
しかし、辺境の地で死にかけたリオンは知る。自身のスキルが、実は物質の構造を根源から組み替え、万物を進化させる神の御業【万物改良】であったことを!
石ころを最高純度の魔石に、ただのクワを伝説級の戦斧に、荒れ地を豊かな楽園に――。
これは、理不尽に全てを奪われた男が、同じ傷を持つ気高き元悪役令嬢と出会い、過保護な女神様に見守られながら、無自覚に世界を改良し、自分たちだけの理想郷を創り上げ、やがて世界を救うに至る、壮大な逆転成り上がりファンタジー!
無能と追放された鑑定士の俺、実は未来まで見通す超チートスキル持ちでした。のんびりスローライフのはずが、気づけば伝説の英雄に!?
黒崎隼人
ファンタジー
Sランクパーティの鑑定士アルノは、地味なスキルを理由にリーダーの勇者から追放宣告を受ける。
古代迷宮の深層に置き去りにされ、絶望的な状況――しかし、それは彼にとって新たな人生の始まりだった。
これまでパーティのために抑制していたスキル【万物鑑定】。
その真の力は、あらゆるものの真価、未来、最適解までも見抜く神の眼だった。
隠された脱出路、道端の石に眠る価値、呪われたエルフの少女を救う方法。
彼は、追放をきっかけに手に入れた自由と力で、心優しい仲間たちと共に、誰もが笑って暮らせる理想郷『アルカディア』を創り上げていく。
一方、アルノを失った勇者パーティは、坂道を転がるように凋落していき……。
痛快な逆転成り上がりファンタジーが、ここに開幕する。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる