【完結】俺の闇ごと愛して欲しい

pino

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4章 如月泉

55.白黒くん

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 晃くんと買い物をした後、家に帰ってすぐに抱き付くと、買って来た物をしまうんだと軽く怒られた。それでも離れずに抱き付いたまま晃くんの後を追う。
 晃くんと仲直りしてからずっとこうしたかった。やっと晃くんに触れられるんだ♪今日はもうずっとくっ付いていよう♪


「なぁ動きにくいんだけど。挽肉ダメになるから冷蔵庫に入れさせて」

「だってやっと晃くんを抱き締められたんだもん♡」

「後で好きなだけ抱き締めさせてやるから片付けさせろって」

「じゃあちゅーして♡」

「もー、しょうがないな」


 やれやれと言ったように眉毛を下げて俺にチュッと軽くキスをしてくれる晃くん♡
 もっとイチャイチャしたーい♡
 俺は離れようとする晃くんの顔を両手で包んで今度は俺からキスをする。
 触れるだけじゃなくて深いやつ♡


「んっ……如月っ」

「……好き♡」

「俺も、好き♡」


 俺からのキスに頬を赤らめてニコッと笑う晃くん。ああ可愛い過ぎてダメ!このまま食べちゃっていいですか!?
 晃くんの代わりに俺が猛スピードで買って来た物の片付けをして、再び晃くんに向き直って聞いてみる。


「晃くん!片付け終わったよ!少しイチャイチャしませんか!?」

「早……ってかお前今卵投げ入れなかった!?なんかグシャって音したぞ!」

「ちゃんと入れたよ♡ほら早く行こう♡」


 冷蔵庫を開けて中を確かめようとする晃くんの腕を掴んで寝室まで連れて行く。早く晃くんと裸で抱き合いたい。
 寝室に入りベッドに押し倒すと、晃くんは抵抗しながら俺を睨んで来た。そんな晃くんも可愛いく思えて顔に何度もキスをした。


「晃くん♡」

「おい、その前に話するぞ」

「えー、イチャイチャしてからじゃダメ?」

「ダメ。気になって集中出来ないからな」


 出たよ。晃くんの白黒ハッキリさせたい病、名付けて白黒くん!せっかく良い雰囲気だったのに、俺は残念な気持ちのまま晃くんから離れてベッドの横に座る。
 晃くんは起き上がり、ベッドの上に置いた俺の手を握って来た。


「如月、俺は意地悪で言ってるんじゃなくて、お前と真剣に付き合いたいから言ってるんだからな」

「分かってるよ。ごめんなさい」

「ったく」


 晃くんは握った俺の腕を引いてベッドに乗るように誘導して来た。俺はそのまま晃くんと向かい合う形でベッドに座る。
 謝る俺に晃くんは苦笑いを浮かべながら頭を撫でて来た。


「謝らなくてもいいよ。言いにくい事かもしれないけど、お兄さんとの事どうするつもりだ?」

「…………」


 兄さんの名前が出てハッとする。
 嫌な事を思い出して何も言えなかったけど、何か言わなきゃ。晃くんに嫌われちゃう。


「このままじゃダメだって如月も思ってるんだろ?」

「思ってる。兄さんとはちゃんと話し合うよ」

「ちゃんと話し合えるのか?流されたりしないか?」

「流されないっ!晃くんは俺を信じられない?」

「そうじゃなくて、お前自身を心配してるんだよ。体調悪くなるような相手なのに二人きりにさせて平気かなって。本当なら俺も側にいてずっと手を握っていてやりたいぐらいだ」


 俺の手を強く握ってそれを愛おしそうに見つめる晃くん。その顔はとても優しくて、本当に心配してるのが分かった。


「ありがとう。でも大丈夫、もう逃げないから。兄さんの事は怖いままだけど、ちゃんと向き合うから」

「そっか、無理するな?どんなに時間を掛けてでもいいから、ゆっくり焦らずにな。お前の言うように優しいお兄さんがまだ残ってるならちゃんと分かってくれる筈だから」

「うん、兄さんとは元通りにはなれないかも知れないけど、もう言いなりにはならないって言うから。だから晃くん、今日はいっぱい甘えさせて?」

「いいよ。好きだよ如月」

「俺も♡」


 その後晃くんとベッドの上でいっぱい愛し合った。俺とのエッチにはまだ慣れない晃くんだったから優しくして目一杯愛して抱いた。

 終わった後、晃くんは夕飯を作る為に俺を残して寝室から出て行った。

 俺は一人寝室に残り、兄さんの事を考えていた。
 兄さんは俺を抱く時どんな気持ちなんだろう。
 俺が晃くんを抱くのと同じ気持ちなのか、それとは違うものなのか。俺には分からない事だった。
 ただ分かるのは兄さんは優しくしてくれるって事だ。とても丁寧に大切なものを扱うように俺に触れる。
 だけど俺はそれが怖くてひたすら早く終われと願っていた。
 もし晃くんに俺がそう思われていたら……
 兄さん、俺達はいろいろ間違い過ぎていたのかも知れないね。もっと別の出会い方をしていたら良かったのに。
 
 俺はムクリと起き上がり、服を着て晃くんがいるキッチンへ向かう為に寝室から出た。

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