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4章 如月泉
62.愛おしい人の涙
しおりを挟むもう恐れるものがない状態で晃くんとこうする事がこんなにも幸せな事だなんて。晃くんに触れられるだけでも十分だと思っていたのに、今はもっと触れたいし、晃くんの全てが欲しいとワガママになってしまう。
これからは晃くんの事だけを考えて、晃くんの事だけを見て、晃くんの事だけを感じる事が出来るんだ。
そう思ったら俺は今までにないぐらい積極的になれた。
片足を上げた状態の晃くんは立ってるのがやっとって感じだったけど、俺はもう立てなくしてやりたいと晃くんの腰を出来る限り前に引いて、自分のモノを押し当てる。
それによって更に体勢がキツくなった晃くんは慌てて俺にしがみ付く腕にギュッと力を込めた。
「おまっ俺落ちるっ!」
「ちゃんと支えてるから大丈夫だよ♡」
「無理っ!こんな体勢じゃ……あっ♡」
晃くんの言葉を聞き終わる前に入れると、可愛い声を漏らして困りながらも表情を蕩けさせた。
そんな晃くんに何度もキスをして、ほぼ力を失くした晃くんの体を両腕で支えながら激しく突いた。
晃くんとするのは初めてじゃないのに、まるで初めてするみたいに興奮していた。いや、今まで何人もの人と体を重ねて来たけど、どれとも比べ物にならないぐらいに気持ちが昂り、今日が初めての経験のように感じた。
凄い。本当に好きな人と心置きなくするのってこんなに気持ち良いんだ……
俺は晃くんへの愛おしさを感じながら涙ぐむのが分かった。
今までの俺がどんなけ無意味で愚かな事を繰り返していたのか、今それを実感させられていた。
「あんっあっ……きさらぎぃっも、ダメぇ♡」
「晃くん♡イッていいよ♡」
「は?……んっ……おまえはぁ?」
「俺の事は気にしないで♡」
限界の近い晃くんに追い討ちをかけるように腰の動きを早めて刺激を与えると、晃くんはとびきり可愛い声を出しながらビクンビクンってしながらイッた。
そんなエロい晃くんの姿に俺の興奮は最高潮に達しようとしていた。
「はぁはぁ……如月……?おい?おいおいおい!?」
「晃くんちょっとごめんね?」
俺はイッた後、トロンとした顔してる晃くんをギュッと抱き締めた後、自分のを入れたまま晃くんの体をクルンと180°回転させ、壁に手を当てさせて床に膝を付かせる。
もう晃くんは立っていられないからね♡でも俺はまだ晃くんを感じていたいんだ♡もう少し付き合ってね♡
そんな俺に驚いた晃くんは、ちょっと待てと言う顔をするけど、待ってあげない。
「無理っ!俺イッたばっかっあっ♡」
「無理って言う割にはまた反応してるけどー?本当に可愛いなぁ♡」
「ぐっ……如月てめぇ……覚えてろよ……んんっ」
睨みながらまた可愛い声を出し始める俺の可愛い晃くん♡ずっとこうしていたいけど、晃くんが風邪引いちゃうからそろそろ終わりにしなきゃ……
イッたばかりなのにまた反応し始めてる晃くんのモノを刺激しながら俺も腰の動きを早めて準備をする。
あ、どうしよ。ゴムしてないや♡
よし、終わったらちゃんと洗ってあげよう♡
無事問題も解決した所で俺は晃くんを後ろから大切に抱き締めながら激しい動きと共にイッた。
ちなみに晃くんもさっきイッたばかりなのに普通にイッた♡
「好き♡好き♡晃くん大好き♡」
「…………」
「あれ?おーい?晃くーん?」
「……無理だって言ったのにっ」
気持ち良すぎて終わった後ベタベタ甘えてたら、ぐったりしたまま動かない晃くん。
そんな愛おしい人に声を掛けると、横顔を見せて思い切り睨みながら言った。その目には涙が浮かんでいてポロッと大粒の涙が溢れた。流石にこれには焦る。
嘘!?晃くんが泣いちゃった!どうしようっ!俺が泣かしちゃったぁ!
あ、晃くんに嫌われちゃうっ!
「晃くんっごめんね!俺、今までにないぐらい興奮してつい!あの、俺の事嫌いに……」
「うるせぇよ!」
「っ!」
俺が慌てて謝ってると、怒ったままの晃くんは最後まで聞かずに俺にキスをした。
その行為がとても嬉しくて、愛おしくて俺まで泣いてしまった。
無理させてごめんね晃くん。
嫌いになんてならないよね。
だってこんなにも愛し合ってるんだもん。
気付かせてくれてありがとう晃くん。
「愛してる♡だから晃くんも俺を愛して欲しい♡」
「言われなくてもっ」
終始辛そうだったけど、一生懸命俺に返事をしようとする晃くん。そんな彼がとても愛らしくてその後何度もキスをした。
今日俺は晃くんと改めてちゃんと付き合えた気がした。
まだまだ解決させなくちゃいけない問題はあるけど、晃くんと一緒なら何でも乗り越えて行ける気がするよ。
嫌な事から逃げてばかりの弱い俺に勇気をくれてありがとう。
きっと今、俺の心の闇も小さいながらも嬉しくて震えてるよ。
俺は晃くんにしつこいぐらいにキスをする、いつか闇が震えずに喜べる日が来る事を祈って。
✳︎✳︎✳︎完✳︎✳︎✳︎
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