あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~

古芭白あきら

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第4章 その世界、本当に乙女ゲームですか?

第43話 その公爵令嬢、本当に軽くないですか?②

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「まさか若草色の水着の方を持っていかれたのですか!」

 破廉恥な水着を持っていったと知りカミラはご立腹だ。だが、ウェルシェの方にも言い分はある。

「だって、カミラの勧めたのって首から足首まで覆う完全ボディスーツじゃない!」

 あんなの水着じゃないし可愛くないわよとウェルシェが頬を膨らませた。

「か、可愛いって、あんな露出の激しい水着がですか!」
「あれくらい今じゃフツーよ!」
「あれではほとんど裸ではありませんか!!」
「ちゃんと大事なところは隠れてるわよ!!」
「ふーん、すっごいセクシーな水着でエーリックに迫ったんだ」

 そんな可愛らしいウェルシェと過保護なカミラのやり取りに、悪戯心が沸いたらしいイーリヤの揶揄い茶々が横から入る。

「ちょ、ちょっと水着姿で抱き合っただけよ!」
「十分破廉恥です!」
初心うぶなウェルシェに先を越されるとは思わなかったわ。まさかウェルシェが一夏の想い出作りアバンチュールをねぇ」
「未遂よ未遂、けっきょくキスする前に……」

 ハッと口が滑ったとウェルシェは慌てて口を押さえた。が、既に遅し。

「へぇ、だいた~ん、ウェルシェからねだったんだぁ」
「お嬢様!」

 イーリヤはニマニマとにやつき、カミラは目を三角にして憤慨する。

「別に良いでしょ! 頑張ってるエーリック様にちょっとしたご褒美よ」
「何度も申し上げておりますが、お嬢様の巨乳それは凶悪なんです」

 胸をカミラに指でチョンチョン突かれ、ウェルシェは庇うように両腕で胸を隠した。

「もう、主人の胸を突かないの」
「ぐへへ」

 指に伝わる柔らかい胸の余韻と腕の押し潰されぐにゃりと形を変える巨乳の視覚的効果がカミラの脳を直撃。いつも無表情のカミラが嵐を呼ぶ園児のごとく不気味な笑いを浮かべた。

「ちょっとカミラ、あなた顔がエーリック様になってるわよ」
「んっんっ、ごほんごほん」

 胡乱げな目で見られてカミラは咳払いして表情を取り繕う。

「しかも、あんな裸同然の破廉恥な水着では完全凶器です」
「そう言えばウェルシェが何人も男子を悩殺して病院送りにしたって聞いたわね」
「いったい何をしたんですかお嬢様!」

 新事実にカミラはウェルシェに詰め寄る。

「まさか、他の令息にまでいかがわしいマネを!?」
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