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第5章 そのお祭り、またまた開催ですか?
第54話 その第二王子、まさか双子だったんですか!?①
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「ウソでしょ!?」
貴賓席から観戦していたウェルシェは椅子から身を乗り出した。
今しがた行われていた闘技場での試合に自分の目を疑ったのだ。
「あれ、ホントにエーリック殿下なんですか?」
カミラも珍しく目を大きく見開いて驚いている。
なぜカミラが場にいるかと言うと、今年の剣武魔闘祭でウェルシェは護衛兼侍女を学園内に同伴することを特例として認められたからだ。これは昨年の不祥事を受けてのことである。
何分にもウェルシェは絶世の美少女。未だに彼女に懸想する令息が少なからずいる。ケヴィンのようにウェルシェの美貌を前にストーカーへと変貌されないとも限らない。また昨年のケヴィンみたいな事件を起こされては学園としては堪らないのだ。
「今のってエーリック様の圧勝よね?」
「ええ、私の見たところ百戦しても百勝すると思います」
エーリックvs.クラインの予選決勝。
オーウェン達にテコ入れしたウェルシェとしてはクラインにも頑張ってもらわねばならなかった。ところが、その強化したクラインがエーリックと対戦すると聞いてウェルシェは慌てて観戦にやってきたのだ。
「レーキ様達がかなり頑張ってたみたいだったから、エーリック様のピンチだと思ったのに」
「まさか一蹴されてしまわれるとは……」
「もしかしてクライン様ってぜんぜん成長していないの!?」
オーウェン達の成長が予想より下回っている可能性が出てきた。これではウェルシェがせっかく裏から手を回して優先的に特訓できるように便宜を図ったのに、全てが無意味となってしまう。
「オーウェン殿下や他の方々は大丈夫かしら?」
「他の面々はちゃんと予選通過したみたいですよ」
カミラの報告にウェルシェはホッと胸をなでおろした。しかし、そうなるとエーリックとクラインの試合が不可解である。
「あれエーリック様よね?」
「ええ、そのようでございましたが」
隣に立つ茶髪の専属侍女は眼鏡の智を中指と人差し指でクイッと持ち上げた。いつもの無表情で動揺した様子もない。
「どうしてエーリック様が圧勝してるの!?」
「それだけ努力なさったのでしょう?」
「でもでも、あんなにカッコ良いなんてエーリック様じゃないわ!」
自分の婚約者になんとも酷い言いようである。
「それだけご自分を磨かれたのでしょう?」
「でもでも、あの変わりようは幾らなんでも変よ!」
凛々しいエーリックの勇姿にウェルシェは戸惑うばかりだった。
貴賓席から観戦していたウェルシェは椅子から身を乗り出した。
今しがた行われていた闘技場での試合に自分の目を疑ったのだ。
「あれ、ホントにエーリック殿下なんですか?」
カミラも珍しく目を大きく見開いて驚いている。
なぜカミラが場にいるかと言うと、今年の剣武魔闘祭でウェルシェは護衛兼侍女を学園内に同伴することを特例として認められたからだ。これは昨年の不祥事を受けてのことである。
何分にもウェルシェは絶世の美少女。未だに彼女に懸想する令息が少なからずいる。ケヴィンのようにウェルシェの美貌を前にストーカーへと変貌されないとも限らない。また昨年のケヴィンみたいな事件を起こされては学園としては堪らないのだ。
「今のってエーリック様の圧勝よね?」
「ええ、私の見たところ百戦しても百勝すると思います」
エーリックvs.クラインの予選決勝。
オーウェン達にテコ入れしたウェルシェとしてはクラインにも頑張ってもらわねばならなかった。ところが、その強化したクラインがエーリックと対戦すると聞いてウェルシェは慌てて観戦にやってきたのだ。
「レーキ様達がかなり頑張ってたみたいだったから、エーリック様のピンチだと思ったのに」
「まさか一蹴されてしまわれるとは……」
「もしかしてクライン様ってぜんぜん成長していないの!?」
オーウェン達の成長が予想より下回っている可能性が出てきた。これではウェルシェがせっかく裏から手を回して優先的に特訓できるように便宜を図ったのに、全てが無意味となってしまう。
「オーウェン殿下や他の方々は大丈夫かしら?」
「他の面々はちゃんと予選通過したみたいですよ」
カミラの報告にウェルシェはホッと胸をなでおろした。しかし、そうなるとエーリックとクラインの試合が不可解である。
「あれエーリック様よね?」
「ええ、そのようでございましたが」
隣に立つ茶髪の専属侍女は眼鏡の智を中指と人差し指でクイッと持ち上げた。いつもの無表情で動揺した様子もない。
「どうしてエーリック様が圧勝してるの!?」
「それだけ努力なさったのでしょう?」
「でもでも、あんなにカッコ良いなんてエーリック様じゃないわ!」
自分の婚約者になんとも酷い言いようである。
「それだけご自分を磨かれたのでしょう?」
「でもでも、あの変わりようは幾らなんでも変よ!」
凛々しいエーリックの勇姿にウェルシェは戸惑うばかりだった。
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