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第8章 その大会、本当にクライマックスですか?
第101話 そのヒロイン、ベーコンレタスが大好物だったんですか?③
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「おかしいと思ったのよ」
トレヴィルは知らないが、アイリスは前世持ち。それもこの世界を舞台にした乙女ゲームの重度のプレイヤーのだ。
「ゲームではマルトニアの弱体化を狙ってイーリヤに近づいていたはずなのに、何故か今年になってウェルシェに急接近だもん」
だから、彼女には全てが筒抜けであった。
「な、何を言って……」
「オーウェンが廃嫡されそうになってるって知って分かったわ。母親の命令に沿った行動ならそうなるわよねぇ」
なんて事はない。オーウェンが失脚しそうになったからエーリックの婚約者に狙いを定めただけなのだ。
(なんだこの女は?)
背筋に冷たいものが流れ、トレヴィルはゾッとした。トレヴィルの来国の目的も、彼の抱えている闇も、その何もかもをアイリスはゲーム知識で得ている。
「安心して、私はあなたの味方……私があなたの全てを受け入れてあげる。あなたの心を救えるのは私だけだもの」
「べ、別に俺はお前の助けなんて……」
「母親に逆らえず、その鬱憤晴らすのに女性を口説いて貶める……だけど、けっきょく自分を傷つけてしまっている優しい人」
つまりトレヴィルはマザコンで、その事実を受け入れられずスケコマシとなって愛や女性を馬鹿にして精神の均衡を図っているだけの男だった。
それだけの男だったらアイリスも攻略しようとは思わなかっただろう。
マザコン男なんてノーサンキューなのだ。
「でも、私なら母親の呪縛からあなたを解放してあげられる」
しかし、アイリスは知っている。
「ふふふ、マザコン腹黒スケコマシが母親の枷から解き放たれた時、めっちゃワイルドなイケメン王子に変貌するのよ」
攻略が成功すれば、イケすかないだけの男が本物の野生味溢れる頼れる王子へと一気に成長する。その変貌ぶりに何人もの腐女子がトレ×エルだのオー×トレだののカップリング論争で血を血で洗った。
「そして、私の最推しはトレ×エルよ!」
「何を言っているんだ君は!?」
両拳を胸の前で握って力強く意味不明な宣言をするアイリスに、ただただトレヴィルはドン引きするのだった。
トレヴィルは知らないが、アイリスは前世持ち。それもこの世界を舞台にした乙女ゲームの重度のプレイヤーのだ。
「ゲームではマルトニアの弱体化を狙ってイーリヤに近づいていたはずなのに、何故か今年になってウェルシェに急接近だもん」
だから、彼女には全てが筒抜けであった。
「な、何を言って……」
「オーウェンが廃嫡されそうになってるって知って分かったわ。母親の命令に沿った行動ならそうなるわよねぇ」
なんて事はない。オーウェンが失脚しそうになったからエーリックの婚約者に狙いを定めただけなのだ。
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背筋に冷たいものが流れ、トレヴィルはゾッとした。トレヴィルの来国の目的も、彼の抱えている闇も、その何もかもをアイリスはゲーム知識で得ている。
「安心して、私はあなたの味方……私があなたの全てを受け入れてあげる。あなたの心を救えるのは私だけだもの」
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つまりトレヴィルはマザコンで、その事実を受け入れられずスケコマシとなって愛や女性を馬鹿にして精神の均衡を図っているだけの男だった。
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しかし、アイリスは知っている。
「ふふふ、マザコン腹黒スケコマシが母親の枷から解き放たれた時、めっちゃワイルドなイケメン王子に変貌するのよ」
攻略が成功すれば、イケすかないだけの男が本物の野生味溢れる頼れる王子へと一気に成長する。その変貌ぶりに何人もの腐女子がトレ×エルだのオー×トレだののカップリング論争で血を血で洗った。
「そして、私の最推しはトレ×エルよ!」
「何を言っているんだ君は!?」
両拳を胸の前で握って力強く意味不明な宣言をするアイリスに、ただただトレヴィルはドン引きするのだった。
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