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第9章 その王子様、本当に改心したんですか?
第103話 その腹黒、本当に登校拒否ですか?②
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「エーリック様にどんな顔してお会いすればいいのよぉ!」
「フツーに会えばいいんじゃないですか?」
頭を抱えて絶叫する主人を傍目に、カミラは1ミリも表情を変えない。
「だってぇ、絶対浮気したって思われちゃったわよぉ」
「逃げたって状況は変わりません。むしろ時間が経てば経つほど言い訳が難しくなると思いますが」
「そうだけど~、そうなんだけどぉ~」
悩める恋する乙女にカミラの辛辣な言葉が刺さる。頭を抱えたままウェルシェは顔を僅かに上げてカミラを恨みがましい目で見上げた。
「カミラはもうちょっと私を甘やかしても良いと思うの」
「私は今までお嬢様を甘やかしてきたつもりですが?」
「むぅ~」
座ったままウェルシェは隣に立つカミラに抱きつくと、お腹にぐりぐり頭を擦りつけてきた。
「全く、お嬢様は早く侍女離れしませんと」
「カミラだって私べったりじゃない」
口を尖らせるウェルシェが可愛くて、カミラはよしよしと頭を撫でる。
「私は良いんですよ。だって、生涯お嬢様離れするつもりありませんので」
「何よソレぇ」
くすくすと思わずウェルシェが笑う。そんなウェルシェをカミラは優しく抱きしめた。
「きっと大丈夫ですよ」
「どうして?」
カミラがムンッと力こぶを作ってみせた。
「私があのスケコマシ王子をシメめてやりましたから」
「何よソレぇ」
冗談と思ったウェルシェが笑うが、この侍女ホントにやらかしているのだが……まあ、普通は王族相手に侍女がそんな恐喝できるわけないのでウェルシェが真に受けないのも致し方ない。
「それにエーリック殿下の方もお嬢様なら上手に対処できますよ」
「ホント?」
「ええ、いつも手の平の上で殿下をコロコロ、コロコロと転がしておられるではないですか」
「もう、カミラは私を何だと思っているのよ」
「私の可愛い腹黒令嬢です」
「何よソレぇ」
ウェルシェはお腹を抱えて笑い出した。
「だいたい敵前逃亡なんてお嬢様らしくありませんよ」
「そうね、やる事やってから後悔しましょ」
「その意気です。殿下もお嬢様に転がされている方が幸せそうですし」
「もぉ、カミラったら冗談ばっかり」
カミラはずっと冗談など一つも言わず至ってマジメに答えているのだが、真剣な受け答えがジョークになるらしい。
なぜ笑いが取れたのかカミラは首を捻ったが、特に追求せずウェルシェの頭を優しく撫でた。
「頑張ってください」
「うん……ありがとう」
ウェルシェの顔にはもう迷いはない。いつものお嬢様だとカミラはホッと胸を撫で下ろした。
「フツーに会えばいいんじゃないですか?」
頭を抱えて絶叫する主人を傍目に、カミラは1ミリも表情を変えない。
「だってぇ、絶対浮気したって思われちゃったわよぉ」
「逃げたって状況は変わりません。むしろ時間が経てば経つほど言い訳が難しくなると思いますが」
「そうだけど~、そうなんだけどぉ~」
悩める恋する乙女にカミラの辛辣な言葉が刺さる。頭を抱えたままウェルシェは顔を僅かに上げてカミラを恨みがましい目で見上げた。
「カミラはもうちょっと私を甘やかしても良いと思うの」
「私は今までお嬢様を甘やかしてきたつもりですが?」
「むぅ~」
座ったままウェルシェは隣に立つカミラに抱きつくと、お腹にぐりぐり頭を擦りつけてきた。
「全く、お嬢様は早く侍女離れしませんと」
「カミラだって私べったりじゃない」
口を尖らせるウェルシェが可愛くて、カミラはよしよしと頭を撫でる。
「私は良いんですよ。だって、生涯お嬢様離れするつもりありませんので」
「何よソレぇ」
くすくすと思わずウェルシェが笑う。そんなウェルシェをカミラは優しく抱きしめた。
「きっと大丈夫ですよ」
「どうして?」
カミラがムンッと力こぶを作ってみせた。
「私があのスケコマシ王子をシメめてやりましたから」
「何よソレぇ」
冗談と思ったウェルシェが笑うが、この侍女ホントにやらかしているのだが……まあ、普通は王族相手に侍女がそんな恐喝できるわけないのでウェルシェが真に受けないのも致し方ない。
「それにエーリック殿下の方もお嬢様なら上手に対処できますよ」
「ホント?」
「ええ、いつも手の平の上で殿下をコロコロ、コロコロと転がしておられるではないですか」
「もう、カミラは私を何だと思っているのよ」
「私の可愛い腹黒令嬢です」
「何よソレぇ」
ウェルシェはお腹を抱えて笑い出した。
「だいたい敵前逃亡なんてお嬢様らしくありませんよ」
「そうね、やる事やってから後悔しましょ」
「その意気です。殿下もお嬢様に転がされている方が幸せそうですし」
「もぉ、カミラったら冗談ばっかり」
カミラはずっと冗談など一つも言わず至ってマジメに答えているのだが、真剣な受け答えがジョークになるらしい。
なぜ笑いが取れたのかカミラは首を捻ったが、特に追求せずウェルシェの頭を優しく撫でた。
「頑張ってください」
「うん……ありがとう」
ウェルシェの顔にはもう迷いはない。いつものお嬢様だとカミラはホッと胸を撫で下ろした。
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