ある日、突然始まったかのように思えたそれ

まひる

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第五章──栗鼠(リス)──

よん

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 ※ ※ ※

 そして、またまた移動。
 やって来たのは大きな公園。近隣に神宮や動物園。原始林もあり、様々な人で賑わっている。

「すっごぉ~。田地たじ、田地ぃ。見てあれ、ウサギ?でも、尻尾……」
うるさいな、名渡山などやま。少し落ち着け。ちなみにあれは、栗鼠リスだ」
「大きい栗鼠だね、臥竜がりゅう
「あぁ、そうだな。おれの知っている栗鼠は、掌にちょこんと乗る系のだぜ」
「あっ、縞栗鼠シマリスもいる~っ」
「そうそう、あんなサイズ。ってか、でかくても尻尾がふさふさだな」
「うん。尻尾の中身はネズミ程度の肉付きなのに、栗鼠は毛がもふもふだねぇ」
「ははっ。さすが、潤之介じゅんのすけ。肉とか骨とか、見るところが違うや」

 縞栗鼠は図鑑で知っていたが。北海道には、大型のもふもふ栗鼠がいるようで。
 抱っこしたいけど、自然界の生き物だから無理。さすがにペットショップにも売ってないよね。縞栗鼠は売ってるみたいだけど。

「おっ?!あっちにもいるぜっ」
「あっ。待て、名渡山っ」

 名渡山が別の栗鼠を見付けたらしく、木々の隙間を縫うように走っていった。
 彼の心のおもむくままに振る舞うところ。見ていて、とてもなごむ。
 大抵は田地が名渡山を見てくれるので、ぼくとしては笑って見ているだけだ。

「いつもだよなぁ、名渡山。田地を連れて、何処かへ消えるの。おれが転校してきた頃は、ここまで酷くなかったけど。潤之介の見えるところにちゃんといたし。何なら、おれを観察してたからよぉ」
「そうなの?何で臥竜を?」
「さあ?まぁ大方おおかた、潤之介に害をおよぼさない相手かを見極めてたんだろ。気に食わねぇが、それがアイツらの愛情ってか?」
「ん?」
「ははっ。まぁ、最近は二人して更に仲良いみてぇだし。おれとしては別に構わねぇけど」
「え?何、臥竜?ぼくにも分かるように説明してよ」
「田地と名渡山が仲良いって話だ」
「あぁ、それはぼくも思う。でも、二人は中学も同じだったみたいだし。見ていて微笑ましいよね」
「微笑ましい、かぁ?おれからしたら、あのじゃれあいは男友達の……」
「ん?どうしたの、臥竜」
「おれと潤之介も、変わらなくね?ってか、それ以上じゃね?あれ?これって、普通なのか?」
「え?臥竜?ちょっと。ぼくを置いて、一人の世界に入らないでよぉ」
「あ……あぁ、わりぃ。少し考え事だ。……あ、ほら。あそこに自販機ある。何か飲むか?」
「あっ、本当だね。うん、飲む。あのベンチで田地と名渡山を待ってよっか」
「そうだな」

 何かをぶつぶつ呟いていて臥竜だけど、数十メートル先に自販機を見付けたようだ。
 確かに色々と歩いて喉も渇いて来たし、ちょうど休憩に適したベンチもある。ぼくは臥竜の言葉に賛同して、二人して休む事にした。
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